研究室探訪

青空を見上げて
 西早稲田キャンパス19号館
 国際教養学部教授 ポカリア・クリストファー研究室


ポカリア先生。後ろに写っている絵はお子さんが書いたもの。
▲ ポカリア先生。後ろに写っている絵はお子さんが書いたもの。
研究室の一画
研究室の一画
オーストラリアの地図。上に写っているのは、戦争時に政府が作成したプロパガンダ。
▲ オーストラリアの地図。上に写っているのは、戦争時に政府が作成したプロパガンダ。

 先生のデスクの後ろには祖国・オーストラリアの地図。「Big Sky Country」と称される「空の国」から来日して今もなお、先生を魅了してやまないのは私たちの頭上に広がるこの果てしない空。「世界中のどこの国へ行っても空は繋がっていると思えるでしょう」。そんな普遍性と、決して手にすることができない高嶺の花のような神秘性に惹かれ続けている。「場所によって降り注ぐ光の質が違うから物の見え方も変わってくる。学生には、語学力を磨くことだけに終始せずに、留学先などでもそういった生活のディテールを楽しんでもらいたいですね」

  お父様がカメラマンであり、ご自身もまた、カメラを趣味にしている先生の細やかな審美眼。研究室の日当たりは抜群で、この日は眩しい日差しが先生の研究室に降りそそいでいた。「空」が先生を見守る素敵な空間。

  棚に置いてあるミニチュアの飛行機も緩やかなフォルムをキラリとさせている。普段から「美しいものが好き!」という先生にとって究極の美を兼ね備えているのが、この「飛行機(特に戦闘機)」だとか。「必要最低限で最大限の機能を果たす『Minimalism』の美しさなんです! 哲学者の中には『科学』と『美学』に差をつけようとする人もいるでしょう。だけど、技術を極めた先に『美』はある。それが人々の心を打つんだと思いますよ」

  そして、紙にサラサラと「aesthetics of war」(戦争の美学)と書いてくれた。「戦時中ならなおさら飛行機の性能を追求していますよね。無駄のない洗練されたラインは芸術的だといえます」

  悲しいことに、第二次世界大戦の際に日本がオーストラリアを攻めたという歴史的事実を知らない学生も多い。「オーストラリアにはWar Memorial が主要都市などにいくつもあります。祖父がよく言っていたけど戦争では加害者側も被害者。悲しい歴史的事実は忘れずに『守らなくちゃいけない』と思います」

  空は繋がっている…先生の言葉からあなたは何に思いを馳せるだろうか。

(2005年12月15日掲載)

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First drafted 2005 December 15.