学生注目!! (投稿コーナー)

赤黒への思い


「赤黒」ジャージ

 毎年12月の第一日曜日に開催されるラグビー早明戦。対抗戦の最終戦であり、日本ラグビー界の最高峰とも言われる舞台である。ここに出場できるのは一チーム、リザーブを入れて22人。早大ラグビー蹴球部は140人ほどの選手がいるので、本当に限られた者しか出場できない。選手たちはこの舞台を夢見て早稲田を受験し、その夢をかなえるために、幾度となくきつい練習を血と汗と涙そして熱き情熱をもって乗り越えてきた。そしてその、選手たちが国立競技場のグラウンドに立っている。

  今回はそんな早明戦の前日に、何が行われているのかをお伝えしよう。試合に出場する選手たちは、試合前日に最後の調整練習をする。それを試合前練習といい、すべての部員が見守る中で行われる。試合に出られない自分たちの思いを試合に出場する選手に託すのである。ただ、それだけでは終わらない。試合に出られない選手は、その次の試合に出ることを夢見て練習試合や部内マッチを行い、自分をアピールするのである。彼らの戦いは終わっていない。時に部内マッチは壮絶な死闘を演じることもある。4年生にとっては、もう一生迎えることがない最後の早明戦前夜でもあるのだ。そんな夢破れし者たちは、その悔しい思いすべてを部内マッチにぶつけるのである。試合に出場する選手たちは、試合に出られないすべての部員たちの姿をしっかり目に焼き付け、翌日に戦うのである。自分たちの後ろには試合に出られない仲間がいる。彼らの分まで責任をもって戦うのだと。

  試合前夜、最後の試合前ミーティングが行われ、試合に出場する選手たち、監督などが同席する。ミーティングの最後、並べられた22枚の赤黒(臙脂と黒のジャージ)に監督が清めの塩をまき、お守りと一緒に選手に手渡し、握手をする。そんな神聖な場でもある。過去には、この瞬間に数々の名場面が生まれたとされている。そして、監督をはじめ試合に出場する選手たちが、一枚の紙に思いを記す。ミーティング後、試合に出られない選手も寄せ書きをする。その紙は早明戦当日には、控え室にはられ、出場する選手はその紙を見つめ、全部員の思いを読み返しながら試合に備えるのである。時にその寄せ書きを見て涙する者もいる。選手は部員すべての熱き思いを胸に闘うのである。イラクで凶弾に倒れた奥先輩の思いも胸に。すべてはチームのために。

(2002年度ラグビー蹴球部主務 本学職員 竹内 大)

(2005年12月8日掲載)

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First drafted 2005 December 8.