進路選択物語

働くことの意味


2005年3月教育学研究科卒業  上田 伸哉
進路先:就職 (千葉県市原市立有秋中学校)

卒業式の日に指導教授の小林和夫先生(写真下)と。(写真左が筆者)。
▲ 卒業式の日に指導教授の小林和夫先生(写真下)と。(写真左が筆者)。

「先生になりたいです」。高校の頃、担任との面談で答えたことを覚えている。それほど深く考えたわけではなかったが、漠然と教師になりたい願望は当時からあった。

  3年生の秋、就職についてほとんど考えていなかった私は、とりあえず大学の就職ガイダンスに参加した。全然ピンとこなかった。「自分のやりたいことは何だろう」と本格的に考え始めた。「多くの企業を見ることで、新しい発見ができ、本当にやりたいことが見つかるよ」とよく言われたが、就職活動する気持ちになれなかった。一方で、教育関係の職を意識するようになっていった。

  4年生の夏、教育実習を行った。指導教官から「塾では本当の教育はできない。学校だからこそできる教育がある」と言われた。「教育とは何か」と毎日考え続けた。なかなか答えは出ず、もっと時間がほしかった。結局、就職活動はせずに大学院進学を決めた。

  教師になることを最終的に決心したのは大学院に進んでからだ。就職をした友人の話を聞き、企業で働く自分の姿を思い浮かべたが、そこにやりたいことを探し出すことはできなかった。「企業の利益追求よりも、教育現場にいる方が子どもたちと共に成長でき、社会にも貢献できるのではないか」との思いが募り、やはり教師しかないと思うようになった。

  それからは大学の教員就職指導室に何度も足を運んだ。朝5時に起きて、中学校にボランティアで行き、TT(ティームティーチング)を行ったりもした。絶対教師になりたいという気持ちがどんどん大きくなっていった。そして、試験にも無事合格できた。

  「どんな仕事も大変だ」とはよく聞く言葉だ。自分の場合も例外ではなかった。土・日も部活動で休みはなく、それ以外の面でも毎日が想像以上に大変だ。1年目なのに辞めたいと思ったことが何度あるか分からない。でも、辞めずにいるのは本当にやりたい仕事であるという気持ちがあるからだろう。この魅力ある仕事を、もっと意味のあるものにするために、これからも努力していきたい。

(2005年11月24日掲載)

Copyright (C) 2005 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.
First drafted 2005 November 24.