研究室探訪

宇宙は玉手箱!
 西早稲田キャンパス6号館
 教育・総合科学学術院教授 大師堂 経明研究室


大師堂先生
大師堂先生。先生のお話を聞くと「学ぶこと」は楽しいことだと改めて感じる
実験室スタッフの野村さん
実験室スタッフの中尾さん
実験室スタッフの中尾さん(左)と野村さん(右)

全学から受講できる物理学実験。1年生から波のフーリエ解析など高度な内容だが、受講生はリラックスしているのでビックリ。
那須の電波干渉計
那須の電波干渉計。電波新星やパルサーを観測する。

 大師堂先生のご専門は、「電波天文学」。15号館屋上に並んだ64台の「電波望遠鏡」で、従来の観測装置では捉えることができなかった電波天体の速い時間変動を追っている。デジタル回路を組み合わせ演算処理を行った「電波干渉計」で、天体から発せられた電波(パルス)をレンズのように二次元の像に変換。どんな瞬間も逃さない。

  「カニ星雲」の電波像を見せてもらった。コンピューター上で動く電波像はまるで天体の息遣いを表しているようでワクワクしてくる。このデジタル信号処理装置は電波を動いている「像」として捉えるという点で世界初! パルサー(パルスを発する高速回転している中性子星。非常に高密度で1立方cm当たり1億トン以上)発見でノーベル物理学賞を受賞したAntony Hewish博士も経過に関心を寄せている。

  大師堂先生の天体観測装置は大学だけで完結するものではない。那須の観測所には前述のアンテナよりも集光力のある面積の広いアンテナ(直径20mの球面鏡が8台と30mが1台)が毎日宇宙からの電波を受信している。その規模は圧巻だ。

  「僕が学部生の頃に原子核物理学で有名な山田勝美先生が、複雑な計算によって『中性子だけからなる太陽ほどの質量の天体が存在できる』とおっしゃったんです。その時はそんな天体が存在するのだろうか、と思っていたんですが、翌年本当にパルサーが発見されたんですよ」。私たちの頭上高くに拡がる宇宙は、そのすべてを明かしてはいない。「光が到達したところまでがわれわれが観測できる宇宙です。1億年待てば1億光年分、宇宙が拡がる」。その未知の世界にも新しい天体が存在する可能性がある。先生をはじめとする研究室の皆さんは、そうしたさまざまな「宇宙の謎」と、日々格闘を続けている。

(2005年10月13日掲載)

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First drafted 2005 October 13.