こんな授業! どんなゼミ? |
川上郁雄教授
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授業にて担当の子どもの現状報告をする筆者(左)
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日本語教育研究科 修士課程1年 山ア 遼子
知ってる? 日本語を母語としない子どもたちが増えていることを。日本語を母語としない子どもたちとは、親の仕事などいろいろな事情により、日本に移住する子どもたちのことである。これらの子どもたちの背景やことばはとても多様で豊かだ。
今回ご紹介する2つの授業「子どもに日本語を教える(年少者日本語教育)理論・実践」は、そんな子どもたちへのことばの教育を考えるクラスである。
まず、「理論研究」のクラスでは、子どもに対する日本語教育を言語習得、母語維持などさまざまな観点から見つめ、その課題を考えている。
続いて、「実践研究」では、新宿区内の小中学校に通う日本語を母語としない子どもたちの日本語ボランティアに関わる学生たちが、子どもの現状・課題報告をする。そして、一人ひとりの子どもに合った、ことばの教育を皆で考えている。
子どもに日本語を教えることは、想像以上に奥が深い。私が教えている子どもが、「ぼくは、日本語やらなくちゃいけない。それに、勉強も。あ〜、いやだ、いやだ。(机に突っぷす)」と叫んだことがある。このように、日本語を母語としない子どもの場合、教科と日本語を両方学ぶことを負担に感じ、やる気を失いかけることがある。これは子どもたちが直面する困難のほんの一例だ。しかし、年少者日本語教育ではことばだけでなく、子どもたちの生活環境に始まり、国の教育制度、日本社会のあり方に至るまでさまざまなことを考えていく必要がある。そこで浮上した課題を一つひとつ紐解いていくのが、先生と私たちの目標である。
最後に、ことばは本来、自己を外に発信していくための有用な手段である。子どもたちがその手段を身に付け、社会に自己発信していくために、私たちには一体何ができるのか。理論でも実践でも常にこのことを考えている。そして、このことばの教育を基点として、子どもたちが一人の人として生きていくための、より良い教育の創造を目指している。
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早稲田には珍しく、この日の授業は
女性のみ。一番右が川上先生
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(2005年7月21日掲載)
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川本裕子教授「欧米の金融システムと資本市場」
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笑顔の素敵な川本先生
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授業風景。中央が筆者。
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ファイナンス研究科2年 戸谷 左織
「皆さんおはようございます!」。講義はいつも爽やかな笑顔で始まる。豊かな実務経験と洗練された講義スタイルが学生たちを魅了する川本先生の授業は、「金融機関の経営」がメーンテーマ。この講義では、欧米はじめ海外金融機関の種々のベストプラクティス(最も効果があると考えられる先進的な事例)を題材として、示唆に富んだ内容の理解を深めることが目標だ。
講義には、30歳代を中心にさまざまなバックグラウンドを持った学生達が年代を超えて集う。
前半では、最新のEconomist誌の内容から世界の金融界の現状と課題を読みとる。金融専門用語も多い原文は少々難解とも思えるが、大切なのは細かい表現ではなく、大きな流れとインプリケーション(含意)を掴むこと。そして、日本の金融機関経営への教唆を読みとることが主眼ゆえ、私の拙い英語力でも何とかついていける。ただし海外の金融制度・話題の人物・商品等についての知識は英文を読むだけでは理解できない。自ら時間をかけて研究することで、金融世界旅行のフィールドが広がっていく。
授業後半では、先生自らが研究される世界の金融ベストプラクティスが次々と紹介される。「窓口も金庫室も無い銀行」「McDonald'sを目標とする金融サービス」「国境を越えた統合」等々、想像を超えた驚きに、私たちの関心は先生の説明に引き込まれ、時には嘆息がもれる。「これが世界か…」
講義の中では、自分の考えを的確に表現する機会が与えられる。黙って資料を眺めていたり、他者の主張に肯いているだけでは満足感は得られない。知識の充実と同時に、豊かな発想と斬新な思考の展開が求められる90分間、それだけに講義終了後の心地良い疲労感には、確かにスポーツに通ずる爽快さがあると実感できる。
日本の金融システムが世界の潮流をリードし、「JAPAN as NO.1」と称される日がきっと来る。われわれが、その担い手でありたい。そんな思いを共有する学生たちの情熱と「誰もが普通に理解できることの大切さ」を尊重する先生の強い意思とが重なって、活気に溢れる講義が続く。
(2005年7月14日掲載)
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ベンチャー起業家養成基礎講座
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エヌ・アイ・エフ ベンチャーズ(株)の前田信敏客員講師。この他に(株)大和総研の鈴江栄二客員教授も担当されている。(ともにオープン教育センター、知的財産戦略研究所所属)
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真剣に聞き入る筆者(手前)
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政治経済学部1年 村上 太一
3月某日、ちょうど堀江貴文氏が世間を騒がせていた頃。朝日新聞に掲載されていた「早大で起業家養成講座」という記事に目がくぎ付けになった。起業に興味があり、大学でどのような授業を受講しようかと悩んでいた僕は、「これだ」、と思った。
将来IPO(株式上場)を目指す起業家予備軍のために、資金調達の方法、ビジネスプランの作成方法などといった最低限必要な知識を与えてくれるのが、この「ベンチャー起業家養成講座」(並木秀男教育・総合科学学術院教授主務担当)である。今年度から設置された新しい講座だ。
普段の授業は、講師の方が独自に作成したレジュメに沿って行われる。レジュメには実践的な資料が随所にちりばめられ、分かりやすい構成になっており、毎回大変重宝している。授業中には質問が数多く出され、終了後にはビジネスプランの相談などをする学生が列をなす。講師の方も、それらの問いに、気軽に、かつ熱心に答えてくださるため、教室内はいつも活気に満ち溢れている。
本講座の魅力は、何といっても、現在第一線で活躍されている方をゲストとしてお迎えし、失敗談、成功の秘訣、他の授業では絶対に聞けないような裏話など、実体験をふまえて語っていただけることである。((株)マクロミル代表取締役社長兼CEOの杉本哲哉氏や、楽天(株)取締役の山健氏等が来てくださった!)また、後半にはビジネスプラン発表会が予定されており、最優秀賞に選ばれた者には、オフィスの1年間無料提供、優秀賞者上位2名には、インターンシップ生として大和総研受け入れという、豪華な特典があることも忘れてはならない魅力のひとつだ。
この講座は、学生同士互いに刺激し合える場も与えてくれる。後半にある発表会で、どのような発表をしようか、また、どのようなアイディアが出てくるのか、今からとても楽しみだ。起業に関心がある方、しようとしている方にはぜひお勧めしたい。
(2005年7月7日掲載)
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原価計算
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授業風景。学生に大変人気のある清水先生
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大学院会計研究科1年 今関 みどり
「あれ? この先生、入試説明会の時にいた」というのが、第一印象だった。
私の在籍している会計研究科は、今年の4月に、会計職業人を育成するために開設された専門職大学院である。その中でも、会計研究科の前線に立って、陣頭指揮をとっている清水孝商学学術院教授の授業を紹介したい。
清水先生の原価計算の授業は金曜日の1、2限で連続して行われる。90分1コマの授業を連続して2コマとなると、授業をする側、聴く側ともに大変退屈に思えるが、とんでもない。清水先生の授業は、テンポもよく、流れをもっているので、あきないのが特徴だ。また、黒板に書く量も大学院なのに、たくさん書かれるため、退屈どころか、アッという間に終わってしまう。
たとえば、「このプリントは、紙が1枚いくらだから、コピー代がいくらで、皆さんの授業がいくらなので、利益がこのくらいです。」といった具合に原価計算を実に分かりやすく例を挙げながら説明してくださる。
そしてなにより一番驚いたのが、「みなさんはお客さんです」という言葉だ。「お客さん」という感覚で学生を見ているということは、先生側からみて「サービスを提供しよう」とする感覚があるということだ。
私は「商い」を連想した。
さすが、「商い」の原価計算!
会計研究科が始まって3カ月になるが、このような実学と連動しながらの授業は、大変分かりやすく、興味を持ち続けることができる。
これからも、清水先生には、ぜひこのような授業を続けてほしいと願う。
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全体写真。中段左から4番目が筆者
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(2005年6月30日掲載)
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高野孟客員教授 大隈塾演習
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▲ 学生に問いを投げかける高野先生。
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授業の様子。地図を見せながら説明をする高野孟先生(左)と助手としてゼミに参加して頂いている村田信之先生(右)。
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第二文学部3年 千葉 健吾
早稲田一受講するのが難しい授業? それが大隈塾演習かもしれない。主催はあの『インサイダー』編集長高野孟先生である。この大隈ゼミは今年度で3期目で、1期生・2期生を含めてもまだ100人も受講していない新しいゼミだ。そういうわけで、有名なゼミではあるが、その実態はベールに包まれているのかもしれない。周知の通り、受講生は前年度の大隈塾生から選抜される。大隈塾を受講するだけでも、「選外」というハードルを越えられず涙を流す早大生も多い。幾多の難関を越えてきたゼミ生は当然ながら熱い! 授業がいつのまにか延長していることも、しばしばある。
このゼミの大きなテーマは「情報から知へ変換の技法」である。師はインフォメーションの「量」ではなくインテリジェンスの「質」が重要である、と強調する。大隈塾の授業目標が「リーダーの育成」ということを考慮すると、このゼミはその実践的アプローチという位置付けをすることができるのかもしれない。高野孟という固有名詞だけを聞くと、ジャーナリズム論に偏るように思われるかもしれないが、扱うテーマは多岐にわたる。政治経済学の基礎から応用はもちろん、「人間を存続させるためにはどうするか?」といった自然科学的テーマから、「新聞の読み方」といった実践的テーマまで扱う。また、師のコネクションにより、超有名人がゲストとしてゼミにやってくることだってある。
このゼミにはすべてが揃っている。有能な師、そして全学部から選抜された早稲田一熱い仲間たち。この文を読んでいる大隈塾受講生、これから大隈塾を受講しようと考えている早大生、そして早稲田を目指して全力で努力している受験生へ、「クマゼミ」をぜひ目指してほしい。師は大いなる熱意を持った早大生を絶対に裏切らない。それは、僕が自信を持って主張できる事実である。
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▲ 月1回の定期飲み会。最前列右から2番目が高野先生その左隣が筆者。先生の意外な? 一面に触れることもできる貴重な時間。
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(2005年6月23日掲載)
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木村晋二研究室 〜 東アジアのLSI拠点を目指して 〜情報生産システム研究科 博士後期課程3年 土井 伸洋
本研究科システムLSI(大規模集積回路)分野は、いまや電子産業に欠かせないLSIについて、企業経験の豊富な教授陣の下で実践的な教育と研究を行うと同時に、国や北九州市とともに数々のLSI関連プロジェクトを推進している研究科である。数千万個の電子部品から成るLSIをいかにすばやく≠サして正確≠ノ、できれば自動で$ン計するにはどうしたらよいか? 木村晋二研究室では、実際のLSI設計を行いながらこれらの研究テーマに取り組んでいる。 そんなわれわれ学生を温かく見守ってくださるのが、活力溢れる木村晋二先生である。普段から国内外を忙しく飛び回っているにもかかわらず、研究に関することはもちろん、それ以外の相談にも実に丁寧に対応してくださる。また、常に最新の研究成果や関連情報に目を光らせ、ゼミや講義の際に解説してくださる。そのためか、いつの間にか研究室に新たな電子機器が増えていることもしばしばある?。 もう一つ研究室を特徴付けているものが留学生の多さである。木村晋二研究室では所属している学生9人のうち7人が留学生であり、国籍も中国、韓国、とさまざまである。週に2度行われる研究会では、LSI設計技術の基礎や最新の研究事例にとどまらず、時には最新ゲーム機のプロセッサをテーマにすることもある。だが、ひとたび議論が白熱しだすと、室内には日本語、英語に加えて熱を帯びた中国語や韓国語が飛び交う。さらには、昼食時に日本と東アジア各国の問題について真剣に議論したり、各国の食文化や娯楽について語り合うこともある(そのおかげもあり、筆者は皮から餃子を作ることができるようになった)。その光景はまさに東アジアの縮図といえよう。 そんな木村晋二研究室に少しでも興味をもっていただけたならば、酒も魚も美味しい北九州にそびえる本研究科のキャンパスをぜひ訪れてみてほしい。 (2005年6月16日掲載) |
現代日本の構造改革
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教室として提供された、内部は現代風に改装されている合掌づくりの民家。GWでも雪が残る。
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![]() 授業の様子
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公共経営研究科2年 武井 俊輔
公共経営研究科の授業科目「現代日本の構造改革」を担当していただいている石井隆一富山県知事の授業が、ゴールデンウィークを利用して富山県で2泊3日で行われた。石井先生は元消防庁長官で、知事就任前からこの公共経営研究科で教鞭をとられており、その発想の柔らかさや優しさあふれる人間性から、学生の評判も非常に高い先生だ。
今回は4月29日〜5月1日の日程で富山県南砺市利賀村で行われ、16人が参加した。「おわら風の盆」で有名な越中八尾からダム湖沿いをバスで分け入ること1時間。雪解け水で豊かな水量の川の上流に利賀村はひっそりとあった。そこにある合掌づくりの大きな古民家、ここが今回の授業の会場であった。
富山市からでも相当の距離のあるこの山村は、演劇による地域おこしで知られ、ちょうど演劇のフェスティバルが開催されていた。芸術文化にも造詣の深い先生がこの時期にこの場所を選ばれた理由もよく分かる。
授業は昨今議論になっている三位一体の改革、富山県で石井先生が取り組まれている行政課題、受講者一人ひとりの問題意識の討論など、2日間で7時間半にわたった。2日目は「分権型社会の創造と政治・文化・経済」のテーマによるパネルディスカッションがあり、また、国際的にも有名な鈴木忠志さん演出の演劇鑑賞など、東京ですらなかなかできない経験ができた。また、最終日は、砺波市のチューリップフェアや高岡市の御車山など富山県の春のイベントも案内していただいた形となり、大満足の3日間だった。
公共経営研究科では積極的に社会に出て経験を活かしていくことも主眼の一つとしているが、やはり実際に触れてみることの重要性をあらためて感じた。先生に3日間講義と引率をしていただいたのだが、行く先々で先生の周りには多くの県民の方が集まってきて、富山の人の優しさや先生の温かさ、そして「元気とやま」を感じることができた。
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受講者の皆さん。後列スーツ姿が石井先生。先生から右へ2人目が筆者。
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(2005年6月9日掲載)
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表現芸術専修の名物授業 大石雅彦の「基礎九」?
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▲ 大石雅彦 文学学術院教授(教卓後ろの左側)と筆者(右隣り)を囲んで全員集合! 個性派揃いで表情もまちまち?
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(2005年6月2日掲載)
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吉野孝ゼミ
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▲ゼミ生の発表後の先生の「考えるヒント」。「発表に26分かかった」との指摘の後に。
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政治経済学部4年 木原 恵
吉野ゼミの魅力は、3年生の後半から、ゼミ生一人ひとりが自由にテーマを選び研究するところにある。日本の政治に関わることならば何でもいい。各自のテーマは、少子化、二大政党制、首相のリーダーシップ、財政、地方分権など多岐にわたる。さまざまな分野の発表を聞くことは大変ためになる。そして得な気分になれる。なぜならゼミに参加するだけで、好奇心のアンテナが何本も立ってしまうからだ。
ゼミでは毎回3人が個人研究の報告をする。与えられる時間は20分。それ以上でも以下でもだめ。内容だけではなく、与えられた時間の中でいかに分かりやすく発表するのかも鍛えられるのだ。報告が終わると、仲間からの質問を受ける。そして最後に先生からコメントをいただく。先生はどのような視点で整理していけば、分かりやすくて面白い研究になるのかを説いてくださる。しかし答えは絶対に言わない。例えば、テーマが「地方分権」の場合、政策の評価基準の制定についてはどのように考えているのかとか、「市町村合併」の場合、その規模による効果の違いは考慮に入れたか、といった具合に。
先日、改めて先生にこのゼミの狙いを聞いた。「2つの段階を考えています。まずは勉強の面白さを知ってほしい。次に自分で物事を分析して提案する力を身に付けてほしい」と先生は静かに答え、「どう、そう思うでしょ?」と私に問い返した。「勉強の面白さは実感しています。だけど、まだ提案する力は付いていないです」と私は答えた。するとすかさず「みなさん学生だからお金はないけど、考えるのは自由ですよね。大いに考えてください」と先生は笑いながらおっしゃった。
「考える」。吉野ゼミの真髄はここにある。ゼミ生は自分のテーマに責任を持ち、新しい視点や提案を考える。先生は一人ひとりにあった「考えるヒント」を投げる。時にはお酒を飲みながら、また時には手漕ぎボートに乗りながら、皆、先生の道標をもとに一歩一歩、前に進んでいくのだ。
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▲吉野ゼミの皆さん。わきあいあい! 前列中央、スーツ姿が吉野孝政治経済学術院教授。先生の右隣が筆者。
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(2005年5月26日掲載)
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マイクロソフト寄附講座
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授業の様子。教室を埋め尽くす受講生とパソコン!
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左から、マイクロソフト(株)の川西裕幸先生、筆者(昨年度受講)、コーディネーターの山名早人理工学術院教授
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理工学研究科 修士課程2年 梅村 篤志
かつてマニアの娯楽だったアニメやゲームも、今では世界に誇れる日本文化として注目されている。特に最近では3DCGを多用した作品が増え、非常に身近なものとして感じられるようになった。それでは、たった1時間で自分の思うがままに動き回るキャラクターアニメーションが創れるとしたらどうだろうか? なおかつ、そんなホットな技術についてキャンパス内で学べるとすれば、ますます驚くべきことではなかろうか。
マイクロソフト寄附講座「リアルタイム3Dグラフィックスプログラミング」では、リアルタイム3DCGの技術的背景から最新の応用分野までを、講義・実習の二本立てで存分に学習できる。当然課題は濃いモノが定期的に出題されるし、前後期とも1限設置という気合の入り様。しかしこんな美味しい講座が学内で受講できて、なおかつ単位まで貰えてしまうというのだから受講しない手はない。
特筆すべきは、業界の第一線で活躍される技術者の講義を生で聴くことができる点。E−mailで質問すれば必ず返事が返ってくることも、学生にとって非常に安心感がある。特に課題提出前は先生を質問攻めにしてしまうこともしばしばあったが、プログラミング暦が数年とまだ浅い私ですらすべての課題を無事仕上げられたのは、本講座の充実したフォロー体制あってのことだろう。
リアルタイム3DCGは単なる画像表示技術ではなく、一般の研究用プログラムにも応用できる可能性を秘めている。“ゲーム感覚”と言ってしまうと聞こえが悪いかもしれないが、あまり難しく考えずに受講してみてはいかがだろうか。
「大きくなったらゲームプログラマーになりたい!」ファミコン全盛期に育った私も、少なからずそんな思いを抱いて幼少期を過ごしてきた。本講座を受講したことで、そんな些細な夢にちょっとだけ(随分と?)近付けたような気がする。
(2005年5月19日掲載)
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卓球TC
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葛西先生の華麗な実技指導! もちろん、軽快なトーク付き。
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1年受講した成果を見せる筆者
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第一文学部4年 山形 彩美
早朝。開店前の生協を横目に西早稲田キャンパス体育館の階段を上る。着いた…と思うとそこは2階の剣道用フロアで、窓際に干された紺色の剣道着が沈黙のうちに卓球場は3階であることを告げる。ガクッ…。
最上階(といっても3階)に到着したころには既に息がはずみ気味の私だが、ドア越しに聞こえてくるかすかなボールの音に励まされて足早に更衣室へ向かう。
「おはようございまーす!」
「おはよー!」
こうして火曜1限がスタートする。
この授業の魅力は卓球の楽しさだ。「また来週も」と思わせてくれるのは、スポーツ科学学術院教授葛西順一先生、TAさん、受講生の皆さん、華麗なプレーで世界一をねらう卓球部の存在など挙げればきりがない。
卓球の奥深さを知るとますますのめり込む。フォア、バック、ショートカット、ドライブ、サービス、カットと徐々に持ち技を増やしていく。同じ一球でもボールの回転や速度を調節すればいろいろなボールが打てる。右? 左? ボールの行方は誰も知らない。いや練習を積めば見極める力がつくはず。
さまざまな人と打ち合いながら、体は自然と新しい技や試合の進め方をつかんでいく。体育祭に向けてのダブルス練習では男女・年齢・学部・経験すら問わない総当たり戦が行われ、予想外の試合展開にびっくり仰天、目が点になる思いをすることもしばしば…だったのは私だけ? クラス全体が活気に満ちていた感覚は今でもはっきりと思い出せる。
やるもよし、観るもよし。この授業では卓球のイベント情報も豊富だ。関東学生卓球選手権では卓球部の皆さんの奮闘ぶりを見て憧れた。翌週は私まで上達したように錯覚してしまうから不思議。
「『ぶっつけサービス』で卓球界の頂点に立った選手が、連盟の会長就任後その必殺技を禁止した」…。滔々たる小話も先生の得意技だ。
おもしろい授業、ここにもあり! きっと新たな自分を発見できる。
※ 筆者は2004年度に受講。撮影日は特別参加
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卓球台を囲んで全員集合! (2005年度受講者の皆さん)
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(2005年5月12日掲載)
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宮下史明ゼミ
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箱根大涌谷で全員集合! 中列左寄りコート姿が宮下先生。先生の左隣Vサインが筆者。
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(2005年4月28日掲載)
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水島朝穂ゼミ
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授業の様子。熱く語る水島先生。
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沖縄合宿。沖縄のルポルタージュを制作している大重監督(右列奥)と。監督の右隣が筆者。
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法学部3年 矢島 大輔
「憲法ゼミがなぜ?」取材先で最も多く耳にした質問である。昨年の夏合宿の私のテーマは「沖縄の民間信仰」だった。米軍基地、観光産業ではない沖縄の一側面、彼らの精神文化の豊かさに光を当ててみたいと始めた取材だ。一見憲法とは何の関わりもなさそうだから、取材先には文化人類学専攻のゼミだと間違えられたりした。
法学学術院水島朝穂教授のゼミは、このようなテーマを扱える数少ない憲法ゼミだろう。新たな視点から憲法を考えてみる。身近な問題を憲法学的に掘り下げる。そうするうちに、意外なつながりが見えてくる。民間信仰の視点から環境権、幸福追求権という発想につながった。
このゼミの懐の深さはどこからくるのか。それは、「オルタナティブへのまなざし」を説く水島先生の学問への姿勢にあると思う。学生がどんなテーマを持ちかけても、即座に反応し、斬新な切り口で応答する。難しいイメージの憲法を、「引き出し」の多さと柔軟さで巧みに料理してしまうのだ。
そんなゼミだから、ゼミ生には「問題意識」が常に問われる。主体性を持ち、一人ひとりが主役になることが求められるのだ。夏合宿では、米軍基地、平和教育、観光事業、「うちなーぐち」(「沖縄の方言」の意)と、ゼミ生自らがテーマを決め、取材に奔走した。もちろん普段のゼミもゼミ生の「問題意識」に委ねられている。現場主義と徹底した議論で、オルタナティブを模索する。
そして、この「問題意識」と「懐の深さ」はゼミに多くの「出会い」をもたらす。取材先で出会った方々と飲みに行き、夜遅くまで議論することも多々ある。「出会い」は取材先だけではない。1つのテーマが終わるころには新たな問題とも出会っている。そこでゼミ生は、無限に連鎖する学問の旅路に足を踏み込んだことに気付く。
「学問の旅を一緒にしませんか?」水島先生はそう呼びかけてくる。ゼミをツールに今年も学問の旅を楽しもうと思う。
(2005年4月21日掲載)
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重村智計教授 「First Year Seminar IIA」 〜Think Yourself !〜国際教養学部2年 国際教養学部の授業は基本的に英語で行われるが、日本語で行われる基礎演習という授業もある。基礎演習とは、他学部のゼミに相当する(よって、ここからはゼミと呼ぶ)。ほとんどの学部のゼミは3年次からというのが普通だろうが、国際教養学部生は1年次から受講が義務付けられている。私たちは、昨年度、前期・後期続けて、北朝鮮評論でお馴染みの重村智計教授のゼミを受講した。明るく楽しい重村ゼミの魅力を紹介しよう。 まず、授業は、主に学生によるプレゼンテーションで進められる。教授が指定する本や各自興味がある本を読み、レポートを書き、プレゼンを行うのだ。この時大事な点が2つある。1つは、より具体的に話すこと。少しでも抽象的な言葉や表現を使うと教授のチェックが飛ぶ。もう1つは、自分の意見、学んだこと、感想を重視すること。教授は、その本が結局どのように自分に作用したかをレポートに書くことが一番大事だと常におっしゃっている。このことは、重村ゼミをとったすべての人の意識に深く刻み込まれたと言っても過言ではない。その他、毎週、新聞記事を1つ読んでレポートを提出するのが主な課題だ。これは大変だと思われるかもしれないが、各紙を見て記事を探す際、さまざまな知識、情報を得られるので一石二鳥である。 と、ここまで読むと堅苦しいイメージを持たれた方もいるかもしれない。しかし心配ご無用。重村ゼミは、欧米の形式を意識した授業ということで、飲食可なのだ。それどころか、その飲食物は、たいてい教授自身のポケットマネー(!)から賄われる。だいたい、授業に早く来たメンバーが、教授から「本日の買い出し担当」に任命される。そして、教授から軍資金を頂くと生協に買い出しに出かけ、両手にお菓子とジュースの入った袋を持って教室に帰ってくる。それをみんなで食べながら前述の授業を行うのだ。これによって、毎回和やかな(一部お菓子を取り合って険悪な 笑)ムードで授業が展開されている。
(2005年4月14日掲載) Copyright (C) 2005 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.First drafted 2005 April 14. |
ヴィリー・ランゲ ゼミ 「Werbung in Deutschland」 〜とにかくドイツ!〜
商学部3年 岡部 雅彦 「Werbung in Deutschland」と聞いて、皆さんはどんな授業をイメージするだろう? これは、ドイツ語で「ドイツにおける広告」という意味。このゼミは、ドイツの広告について議論していくのはもちろん、ヴィリー・ランゲ商学学術院教授の下、広告を切り口に、ドイツ社会の特徴や文化などドイツという国全体について学習していくのだ。 ドイツでは日本とは違う法制度や倫理観から、広告そのものが日本のそれと大きく異なる。その上、ドイツの広告は、一見同じように見える諸外国の広告と比べても、ビジュアル面だけで違いがはっきり分かるほど特徴的だ。そうした広告を研究したり文化を学んでいくと、社会を取り巻いている広告によって、知らず知らずのうちにその国には新たな文化が形成され、定着していくのだと、多くの場面で気付かされる。 ゼミは1年生から4年生まで、これまでドイツ語を履修していない学生からドイツの帰国子女まで多様なバックグラウンドを持った学生で占められている。授業はいつも自然と盛り上がり、和気あいあいといったところ。学期の最後には、ドイツ料理を楽しむなど、履修した多くの学生が「ドイツ通」になってしまう。僕も今ではドイツ人と文化交流を図ったり、日本にはないたくさんの種類のドイツビールのとりこになったりと、すっかりドイツにはまってしまった。 僕は、ランゲゼミを履修したことで、ドイツ文化をより体感できたように思う。日本にいても世界中の食べ物や情報が手に入るが、切り口を変えてみるとその国・文化が全く違って見え、なかなか実像が掴めない。そういう意味で、僕は、極わずかではあるが、ランゲゼミをとおしてドイツの本当の姿に近づけたのではと思うのだ。 「日本におけるドイツ年」の今年、ますます注目! 第二外国語がドイツ語の人もそうでない人も、異文化としてのドイツ文化に触れたい方は、履修してみると面白いと思う。 ※筆者は2004年度に受講。
(2005年4月7日掲載) Copyright (C) 2005 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.First drafted 2005 April 7. |