先輩に乾杯!

HAVE DREAMES! アンデス山脈上空でグライダー世界最長飛行達成!
 森中 玲子さん


森中 玲子さん
もりなか・れいこ
1962年東京都生まれ。85年法学部卒業。プロの飛行機・ヘリコプターパイロットなどを経て、現在はセレーリア・ジャパン株式会社に勤務しながらグライダーを続ける。今回の世界記録の他にも15のグライダー日本記録保持者。現在、本学航空部のコーチも務める。
【URL】http://blog.livedoor.jp/gliding21/

 今年の1月、1人の校友が動力を用いず自然の風だけを頼りに飛ぶグライダーで、南米アンデス山脈上空を1,000q以上飛行。女子世界最長飛行の新記録を樹立した。少女時代から飛ぶことを夢に描き、こだわり続けた先輩、森中玲子さん。「信じ続けていれば、夢は必ず叶えられる」と話し、自らそれを体現した彼女の生き方に、私たちが学ぶものは多い。

鳥のように自由に空を! とにかく飛びたかった毎日

 空想が大好きだった少女時代、アニメ「スーパー・ジェッター」や、サン・テグジュペリの『人間の土地』等の作品に触れ、鳥のように空を飛ぶことを夢に描いた。当時は女性パイロットが稀有の時代。「高校の進路指導で『パイロットになりたい』と言ったら、先生は『まじめに考えろ!』って(笑)」。本学入学後、航空部に所属。グライダーと出会うが、当時は裏方に従事する方が圧倒的に多く、華々しい成績を挙げたわけでもない。それでも「もっと飛びたい」という気持ちは俄然強かった。化粧品会社の社内連絡用機のパイロットに就職。その後、ヘリの操縦士に。

  職業パイロットとして飛ぶうちに「人間の叡智を遙かに超えた自然と調和しながら飛べる」グライダーに再び惹かれ再開した。96年、慶應航空部出身の夫、祐治さんとの結婚を機に、パイロットを辞め、グライダーに専念。「いつか夫婦ともに1,000q飛びたいね」と話し合ってから9年、「往復距離1,187q」、「自由3施点距離1,270q」の世界記録を樹立。ともに東京−旭川間を上回る距離だ。一方、夫も「自由3施点距離1,803q」の日本新記録を達成した。2人の夢は叶った、いや、叶えたと言った方が正しいだろう。現在は、2,000qを超える距離を飛ぶ、日本の上空を飛んで世界記録を作る、といった明確な「夢」を設定し、それを叶えようと嬉々として計画を練り上げている毎日だ。

Break Through の瞬間は突然来るもの。だからこそ、あきらめないで!

 もちろん、数限りない努力、苦労をしてきた。3、4週間かかる海外遠征のための、長期休暇取得は難しく、気を遣っての自主退社も含め、転職経験は10回を超える。現在の会社には温かい理解と支援を受けているが、「仕事と飛ぶことの両立は力技!」。時に深夜におよぶ仕事の後に、所属するクラブの「会社とまるで変わらない量」の運営業務や次回遠征のプラン作りに追われる。また、遠征にかかる数百万の費用も徹底的な倹約生活で捻出しなければならない。だが、そんな毎日に悲愴感は全くない。「アップダウンがあるから、人生は面白い。私は時間の感覚が鈍いみたいで、すぐに結果が出なくても将来的に実現できればいいんです」

  「物事を成功させたければ、1日100回心で唱えるほど信じ続けること。そうすれば、日常にあるチャンスを常に探すようになるんです。越えられないような高い壁にぶつかっても、壁に付いているドアって鍵がかかっていないことも多い。無理だと思ってドアノブにも手をかけない人や、何かやろうとした時に反対する人って多いんですけど、自分の人生は誰も責任を取ってくれない。経験的に言えば、夢が叶う瞬間って、徐々には来ずに突然来るんです。だからこそ、あきらめずにチャレンジしてほしい。あきらめたらそこで終わりじゃないですか」

(2005年6月30日掲載)

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First drafted 2005 June 30.