わせだかいわい

城北造園(株)社長 清水 安正さん


 本紙第4号(1966年)にすでに存在していたコーナー「わせだかいわい」。以来、折に触れて、本学周辺の名所を中心にお伝えしてきた。この度、「界隈」の範囲を学内にも広げ、早稲田に縁のあるところ・ひと・ものにスポットをあてた月1連載としてリニューアル! 記念すべきリニューアル第1弾は、早稲田の樹木管理を預かる城北造園(株)社長、清水安正さんをご紹介。仕事場、大隈庭園でお話をうかがった。

清水安正さん
清水さん
椿の剪定中
冬の風物詩「霜除け」をかぶったそてつ
冬の風物詩「霜除け」をかぶったそてつ。「そてつの霜除けは庭木の点景物として必要ですね」
今の時期のそてつ
今の時期はこの姿
清水さんが作った藤棚
清水さんが作った藤棚。「この藤は本当の藤色で、きれいですよ」
斉藤さん
こちらは同社の斉藤さん。「草むしりしてると落ち葉がいっぱいになって、落ち葉を集めていると草が生えてきて。ちょっと待って!という毎日(笑)」。この日は卒業式の5日前。晴れの日に卒業生をきれいな庭園で迎えようと、すみずみまで掃除されていた。

 西早稲田、戸山、東伏見、上石神井と、本学のほとんどの構地の樹木管理をしている城北造園(株)。先代から数えると、早稲田との付き合いはすでに60年を超える。事務所をワセダグランド商店会内に構えているため、清水さんは子どもの頃から大隈庭園に出入りし、馴染みもあった。しかし、この仕事に就いたのは30代半ばのこと。理工系の大学を卒業後、一度サラリーマンを経験してからの転職とのことだ。

  「ちょうど日本が高度経済成長の頃。サラリーマンとしての自分の生き方に疑問を持って、『頭で食べるか、身体で食べるか』と考えたんです。その結果、『技術を持とう!』と決めて、父の会社に入りました。樹木管理という仕事は、重労働とはいえません。中労働くらいかな。ただ、高い木に上ったりするでしょう。はしごをかけて、さらに木の途中からはしごをつないで、ビルでいうと6階くらいまでは上りますよ。当然怖いし、緊張感ある仕事ですね。でも、四季折々の変化を目の前に感じられて、雨が降れば土の匂いがして。こういうのは庭師ならではでしょう」

  清水さんの頭の中には、大隈庭園の木々の由来がたくさんつまっている。「大隈講堂を背にしたあの大きなもみじは、皇居で間引いた苗を植えたもの。となりの小さいそてつは、このそてつの脇から生えてきた子どもを私が植えたもの。大隈会館脇のくすのきは、もとはもっと北にあったんですが、リーガロイヤルホテルを建てる時、今の場所に引っ越ししたんです。24トンもあってね。心配だったけど、うまく根付いたね」と、嬉しそうに目を細める。

  「庭園を持つ大学って、そうはないんじゃないかな。外国からのお客さんは、必ずこの庭園に案内されるっていう先生もいますよね」と、愛着たっぷり。これからはつつじ、藤、さつきと次々に花が見ごろを迎える。「たくさんの学生さんに見てもらいたい。芝生にとっては大勢に踏まれるのは良くないんだけど、学生さんが楽しんでこその大学の庭園だからね」との言葉を残して、椿の剪定の仕事に戻っていった。


(2005年4月28日掲載)

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First drafted 2005 April 28.