研究室探訪

「ホラー」といえば……
 戸山キャンパス39号5階 文学学術院教授 高橋敏夫研究室


文学学術院教授 高橋敏夫

先生の著書に囲まれた謎の人形。レポート代わりに学生が提出したもの。
来訪者からいただいたお酒がずらり。珍しいお酒もある
来訪者からいただいたお酒がずらり。珍しいお酒もある
研究室のドア
研究室のドア

  高橋敏夫先生の講義「現代の文学と文化」で「ホラー」に目覚めたという学生も多いのでは? 先生の授業は、「早稲田祭2004」の企画「ワセダで一番面白い授業」の学生投票で選ばれるほどの人気。大教室での授業には、正規の登録生以外のモグリも多い。「中には他大学の友人や恋人と連れだって来る学生もいる。そこまでして来なくていいんですけどね(笑)」。穏やかな口調は、おどろおどろしいホラーとはまったく結びつかない。

  授業は「映画館」のようなエンターテインメント性の高さもさることながら、「ホラー」を通じ、人間と社会のドロドロとした黒い部分に迫る先生の鋭くウイットに富んだ話が魅力。恐怖があらゆる感情を呼び起こすのか、ドッと笑いが起こったり、切なくなったり。そんな二次的な感情も含め、授業の心地の良さといったらない。バブル崩壊の1992年以降、日本に混沌としたゾンビのような時代が到来し、こんな「現代」を読み解く最良の題材が「ホラー」だと高橋先生。「授業の内容は暗鬱そのものですが、共感する学生が多いということは、今が夢や希望を持てない時代なのでしょうね」。

  先生の研究対象は、日本近代の自然主義文学から出発し、怪物文学、中里介山の長編小説『大菩薩峠』等をへて、最近では「ホラー」研究、今後は「ロボット」論だという。「人型ロボットの猛スピードの開発によって人間自身がよりロボットに近づいた―こうした現象を分析したい」。マスコミに頻繁に登場し、著作が15冊を超える文芸評論家としては、ここ数年、時代小説論と、月に20本以上観る演劇時評とが中心。「私たちは誰で、何処から来て何処へ行くのか。この問いが私をつねにつき動かしているのです」。

  「屍倉(カバネクラ)」という語源が気に入る「鎌倉」在住。「磁場の関係か、歩くとゾクゾクする」土地で、犬嫌いの愛犬と散歩をするのが「唯一の趣味かなあ」。

  そんな高橋先生の「ホラー」によって、あなたの青春もクラーく潤うかも?

(2005年4月14日掲載)

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First drafted 2005 April 14.