現場レポート |
「YAKUMO」を観て
社会科学部4年 齊藤 光弘 『早稲田ウィークリー』に掲載された鑑賞チケットプレゼントに当選し、青山円形劇場で行われた、小泉八雲没後百年、早稲田大学創立125周年記念沢木順ソロ・ミュージカル「YAKUMO―小泉八雲外伝―」を観る機会に恵まれた。「YAKUMO」は早稲田大学でも教鞭をとり、日本の古い民謡や怪談を芸術作品にまで高めた小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの波乱に満ちた生涯を、幼年期から老年期までただ一人の役者が演じる音楽劇である。ラフカディオ・ハーンとしてアイルランドで生まれ、紆余曲折を経て帰化し日本人となり、小泉八雲として死んでいったある一人の人間の生涯。ミュージカルの題材としては決して容易ではないテーマをとおして、生きることの困難さ、厳しさ、そしてその中にあっても輝き続ける人とのふれあいや愛を謳った壮大な物語であった。 いくつもの役柄をたった一人で演じるのは、早稲田大学在学中から日本のミュージカルの第一線で活躍され、劇団四季退団後も多彩な活動をしている沢木順さん。素人の私から見ても多くの困難が予想されるソロ・ミュージカルではあるが、沢木さんはそんなことを微塵も感じさせず、抜群の歌唱力と、演技力、華麗なステップで観ているものを引き込む。ソロ・ミュージカルというのは日本で最初の試みらしく、今までのキャリアを守りに入ることなく、常に先に進み続け新たな道を開拓するパイオニア精神は、演劇という一つの領域だけではなく、人が生きる上での姿勢として学ぶべき点である。 2時間の公演はあっという間に過ぎ、初めてのミュージカル体験は多くのことを考えさせられる感動に満ちたものになった。そして、沢木さんのソロ・ミュージカルという日本初の試みの観客になれたことは貴重な経験であると思う。ミュージカルという未知なる領域に踏み込むきっかけをくださった、沢木順さんと大学関係者の方々に心から感謝したい。 (2004年11月18日掲載) Copyright (C) Student Affairs Division, WASEDA University. 2004 All rights reserved.First drafted 2004 November 18. |