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2004年度前期分 目次





母校に帰った3週間〜教育実習体験記〜


 母校での教育実習。現場に立つ不安と期待が入り混じり、緊張の初日を迎えた。しかし、通い慣れた母校に戻った時、そんな緊張はすぐに消えていった。

 まず、「教師」という視点で全科目の先生方の授業を見学。同時に、私自身の教壇実習の準備として、指導の先生と相談しては教材研究・学習指導案作成の毎日。頭の中で授業を想像し、明日からの授業への期待に胸を膨らませて、夢の中でも授業、授業、授業…。

 そしてついに迎えた教壇実習。そこで、想像と現実との違いに直面した。予想以上の時間の短さ、スムーズな授業の流れを作ることの難しさ…。教壇実習前には、実習生同士の「模擬授業」で、授業の流れ等を確認していたが、生徒相手の授業は全く違うのだ。とにかくいっぱいいっぱいで、生徒たちの反応を見る余裕もなかった。毎回、先生方からのアドバイスと自分で気付いた課題をすぐに改善し、次の授業を展開していった。

 授業中の目の配り方、板書の仕方、生徒への質問の仕方等、実際にやってみないと、分からないことはたくさんある。私自身、初めて担当クラスで終礼等をした時は、後ろまで声が届いていないと言われ、すぐに声の出し方を変えた。「あとは場数を踏むこと。日々努力を忘れずに」―恩師たちは最後に口々にそう言った。先生方は今もなお、努力し続けている。教師とは、向上心を忘れてはならない仕事なのだ。

 実習をとおして、それぞれの生徒から率直な反応を受けることができ、多くを学んだ。まだ課題は残っているが、自分なりの最善を尽くした日々だったと思う。私にとっては生徒と触れ合う中で自分自身を向上させたい、教師になりたい、という気持を強めた楽しい3週間だった。

(第一文学部4年 大山 紗弥佳)

(2004年7月22日掲載)

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First drafted 2004 July 22.



北の大地で見つけたもの


 「親父に最高の演舞を見せる」

 これが6月に北海道で開催されたYOSAKOIソーラン祭に、サークル「踊り侍」で出場した時の僕の目標だった。今年の1月に親父は突然に亡くなった。僕が夢中になっているよさこい踊りを親父に見せてあげる機会はなかった。だから僕にとって最初で最後のソーラン祭で最高の演舞を親父に見せてやろうと決めた。この目標があったから僕は今回の練習をやり抜けたのだと思う。尊敬するサークルの元代表は僕の演舞が「生まれ変わった」と喜んでくれた。

 そして迎えた大会の2日目。メインである大通りパレードでの5回連続演舞の時間になった。本気で踊れば1回の演舞だけでも倒れそうになる。でもペース配分は一切考えなかった。自分史上最高の演舞をやってやろうと思った。そして3回踊って限界になりかけた時に少しだけ待機する時間があった。僕は百12人の仲間をずっと見ていた。既に泣いている顔、笑っている顔、真剣な顔、みんな素敵だった。「お前ら、すごいよ」。そう呟くと僕も自然と笑顔になれた。「これが今の俺だよ。これが『踊り侍』だよ。俺はもう大丈夫だよ」。胸を張って僕は親父にそう言えた。

 就職先が決まっても親父に「もう大丈夫」だと僕はずっと言えなかった。社会人として来年から本当にやっていけるのか、その不安が消えなかったからだ。でもこの待機時間に「前へ進んで行きたい」という気持ちが久しぶりに湧いてきた。僕たちが踊る大通りの先には北の大地と無限に広がる青空があった。僕はこの道の先を見てみたい。将来は確かに不安だけど学生生活の最後にこんな夢のような瞬間を僕は経験している。僕の後には百人を超える仲間、前には遥かに続いて行く道。今なら新しい道へ旅立てる、そう思った。

 最後の演舞が始まる直前に隣にいる仲間とこんな話をした。「本当に夢みたいだよね。時間が止まってほしいな」。「ああ、でも進んでやろうぜ。もっともっと前に」

(政治経済学部5年 佐伯 康考)

(2004年7月15日掲載)

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First drafted 2004 July 15.



寒い大学の夏


 今年はだいぶ教室の温度設定が改善されているのではないかと思う。しかし、まだまだ油断は禁物だ。教室によっては冷房が効き過ぎており、体調を崩しそうになることも多いからだ。今年もやはり、大学へ行くのにカーディガンは必需品なのだ。

 冷房がなく、暑さに耐えながら夏を過ごした高校時代に比べると、夏に冷房の効いている早稲田の教室をはじめは天国のように思った。けれど、その教室で90分も講義を受けていると体は冷え切ってしまい、羽織りものなしに大学に行くなど考えられないようになった。大学で冷房をつけるのは、勉強をするのに快適な環境をつくりだすためだということを、もう一度考え直す必要があると思った。

 暑い夏を快適に過ごすための冷房の使い方を意識したい。「夏の格好をして心地いい温度」というのが正しい在り方だと思う。教室を見渡すと、冷房対策のカーディガンをはおった女子学生、それにスーツを着た教授。今、教室は、それでちょうどいい温度になっている。外は30度を超えるというのにおかしな光景だ。

 私たちにとって快適な温度に調整することは、環境への影響や電気消費量の点から考えてもずいぶん現状の改善になるのではないか。環境に関するいろいろな取り組みがあると思うが、何かを我慢する取り組みの前に、自分たちが快適に過ごし、環境にも少しやさしくできる方法が身近にある。

 今年は去年ほど寒い思いをせずにすんでいるのでほっとしている。しかし、これからも冷房ありきではなく、あくまでも快適な教室環境のための補完的なものとして冷房を使っていくべきだと思う。早稲田がもっと過ごしやすい大学になればいいなと思う。

(教育学部3年 岡 真帆)

(2004年7月8日掲載)

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留学のススメ


 私が中国の上海に来てからもう十カ月。上海での留学生活もあと一カ月で終わりである。

 留学先に中国を選んだきっかけは、国際交流サークルを通じて香港からの留学生と仲良くなったからだ。それまでは英語圏への留学しか頭になかったが、急に中国語を勉強したくなった。交換留学も考えたが中国は協定校が少なく、また語学メインで留学したかったので私費留学を選択。日本での認知度の低い上海大学を敢えて選んだのは、日本人が少なく、留学生と中国人学生の交流が盛んだと考えたからである。

 中国に来て発見した中国人の特徴は、話し好き、世話好きだということ。

 以前ある小さな食堂でご飯を食べていた時、たまたま合い席になった中年夫婦と仲良くなった。その後何回か家に招待してもらい、旧正月には一緒に爆竹を鳴らし水餃子を作って食べた。また、同じく食事をしていた時に隣に座っていた中国人学生と仲良くなり、今でも週2回相互学習(中国語と日本語を教え合う)をしている。他にも、お店の店員、タクシーの運転手、みんな話し好き。こういう積極的に人と交流しようという態度は、私が好きな「中国人の特徴」の一つである。

 こういう特徴は、実際に中国に来て、自分で体験しないと分からないだろう。留学の良いところは学校での勉強以外にただ現地で生活しているだけでいろいろなことを実際に見て、聞いて、知ることができる点だ。それは私の視野を大きく広げてくれた。留学当初はよく「こんなの日本じゃありえない…」を連発していたが、今は「こういう考え方や習慣もあったのか…」に変わった。留学しなかったらずっと日本の価値観しか知らなかっただろう。時間がある学生のうちに、短期でも長期でも一度は海外に出て生活してみることを皆さんにもおススメしたい。

(政治経済学部4年 久保田 菜海)

(2004年7月1日掲載)

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山崎拓氏講演会開催 〜これからの日本を考える〜


 私たち早大政友会は去る6月7日、大隈講堂において前自民党副総裁の山崎拓氏講演会「理想の憲法・これからの日本」を開催した。当日は、悪天候にもかかわらず、来場者は延べ6百人あまりという成功裏に終えることができた。

 講演会では山崎氏が長年取り組まれている憲法問題についての持論を展開され、さらに北朝鮮問題、年金問題や自民党政調会長時代のことまで詳細に語ってくださった。質疑応答もお受けいただき、来場者にも有意義な講演会となったと自負している。

 今回山崎氏をお呼びしたのは、氏が政治の中心で活躍され続けており、国の根幹である憲法、そして現在のさまざまな問題について明確な視点をもっておられたからである。その山崎氏にお話いただくことで、同じ早大生や来場者がこれからの日本について私たち会員と一緒に考えてくれるきっかけになればと、当講演会を開催したのだ。

 結果として、回収したアンケートに多様な意見、質問があったことはとても喜ばしいことであった。政友会は「理論と実践のバランス」を掲げ活動している。自己満足に終始することなく、今回のように多くの早大生と共に考える機会をこれからも設けていきたい。

 政友会では後期にも講演会を開催しようと考えている。今回の講演会のように意義深いものにしたいと思っているので、次回も多くの早大生に足を運んでいただきたい。最後に講演会を行うにあたりお世話になった学生生活課の方々、多くの来場者、そして何よりご講演いただいた山崎氏に深謝したい。

(政友会副幹事長 政治経済学部3年 澤田 享平)

(2004年6月24日掲載)

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First drafted 2004 June 24.



「読書マラソン」をご存じですか


 「大学生活4年間のうちに100冊以上の本を読もう」

 このフレーズを前にあなたはどう思うだろう。「楽勝」? それとも「絶対無理」? 4年で100冊ということは、1カ月に2冊〜3冊。こう書くと、「4年で100冊」はそう難しくないことが分かるだろう。

 実は、冒頭の文句は全国の大学生協で実施されている「読書マラソン」のキャッチコピーである。読書マラソンとは、前述の目標のため、本を読むたびに感想を書いて生協に提出し1冊1ポイントのスタンプを集め、ポイントが貯まるとプレゼント(早稲田の場合、10ポイントで500円分の生協利用券)がもらえるというものだ。

 提出された感想(ペンネーム可)は、生協のコーナーに掲示され、それと共に読まれた本も入荷されるので、感想を読んで気になった本をすぐに手にとって確かめることができる。自分の読書傾向と全く違う本と出合うきっかけになり、非常に刺激的。買うべき本をあらかじめ決めてから本屋に行くときは、こうはいかない。足が向かうコーナーもいつも同じなのではないだろうか。その点読書マラソンコーナーは、純文学からハウツー本、芸能人本まで多岐にわたって紹介しているのでちょくちょく足を運びたくなる楽しさがある。また、自分が推薦した本が他よりもよく売れていたりするとうれしい。そんなこともこの企画の楽しさの1つかも知れない。

 驚いたのが、自分で思っていたより本を読んでいたということだ。すぐに10ポイント貯まり、500円券がもらえた。読書記録をつけることで達成感も味わえるし、自分の読書量が客観的に把握できるのでますます本が読みたくなる。

 生協でエントリーシートに記入するだけで誰でも気軽に参加できる。まずは生協に行って参加者の感想や推薦本をのぞいてみるところから、始めたらどうだろうか。

(第一文学部2年 森 結美)

(2004年6月17日掲載)

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First drafted 2004 June 17.



春の便り


 「ヒロユキ! 来たよっ!」
 母親が帰宅したとたん、駆け寄ってきて叫んだ。いつもは仕事帰りで疲れている目が、輝いている。「田原総一朗から!」親子の声が重なった。母親の手から、封筒をもぎ取る。確かに書いてある。田原総一朗。来た。慌てて封筒を破いた。

 昨年、私は「大隈塾」(将来の日本の真のリーダー育成のため2002年度から設置された授業)を受けていた。率直に1年間の感謝を本人に伝えようと思い、受講していた数人の仲間と筆を取ることにした。仲間との一つの思い出作りのはずだった。

 冒頭はこうだ。「大隈塾の皆さまから、ラブレターをもらい感激しています」。政治家を相手に、鋭い質問を浴びせる姿からは想像もつかない一言だった。「私の方が感謝したい気持ちです。どうか自分で道を開いてください」。テレビや講義でのイメージががらりと変わった。後日、大学を歩いている田原さんにお礼を述べた。そのときの笑顔は今でも忘れられない。

 それから約1カ月。イラクで人質となっていた日本人3人が解放された。映像を見て、一瞬息が止まった。高遠菜穂子さんの脇に、よく知っているイラク人の顔が! 昨年の6月に、僕らが講演を依頼したキデル・ディアさんだった。友人に一部始終を話すと「ニュースでやっていることも別世界の出来事じゃないって実感できるね!」と。

 一つの手紙。一つの出会い。意外な便りは、自分とマスコミ、自分と世界を繋いでくれた。ディアさんはこんなことを言っていた。「とにかく声をかけることが人間にとって一番大事なことです」。今までずっとひと言ひと言を意識し大切にしてきたからこそ、両氏は、僕の思いに応えてくれたのだろう。家族や社会の分断状況が叫ばれている昨今。だが、誰もが自分と世界をつなぐ言葉というパスポートを持っていることを再確認したい。

(政治経済学部3年 高橋 広行)

(2004年6月10日掲載)

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First drafted 2004 June 10.



土曜日開講科目およびオープン科目の拡充を


 大学当局に切望する。全くの個人的事情によるが、土曜日開講科目およびオープン科目のさらなる拡充を検討していただきたい。

 私は社会人入試を経て3年目を迎えた、会社勤務の第二文学部学生である。入学前からの覚悟とはいえ、私ら社会人学生にあって通学と通勤との時間的調整は常に悩ましく厳しい課題となる(大多数のアルバイト学生も該当しようが)。

 私自身は年間平均24単位の履修登録、5〜6年を要しての卒業を計画している。しかし、今年度は職場環境が激変。これまで週3日実現した通学を土曜日一日に限定せざるを得なくなった。焦燥のまま24単位取得のノルマ6コマを確保すべく講義要項を検索したが、選択肢の少なさに落胆させられた。第二文学部の今年度設置授業数は、平日には90〜100余りあるのに対して、土曜日は73と激減する。学部等提供オープン科目にしても設置期間の長短や講師変更の有無など要件が一律でなく単純には比較できないが、それでも土曜日開講科目が極端に少ない印象は拭えない。

 マイノリティーである社会人有職学生の優遇を訴えるわけではない。学生が置かれた環境は多様で、私ら以上にタイトなスケジュールをやりこなす学友は少なくないだろう。私の申し立てなど甘えに過ぎないかもしれない。ただ、生涯学習なる言辞が世上に浸透する昨今にあって、一般的に休業が多く、有職学生に利便性のある週末科目を拡充することは私学経営基盤強化の面からも意義深いものではなかろうか。

 先生方のご負担を思えば心苦しくもなるが、凡夫の切実なる訴えにぜひご一考賜りたい。

 なお、私のノルマ6コマは他学部聴講2科目を加え、土曜日5コマと月曜日1コマ(職場の理解を得られた)を履修登録できたことで果たせた。

(第二文学部3年 藤本 透)

(2004年6月3日掲載)

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First drafted 2004 June 6.



ひと夏に起こった不思議と感動〜書評:『イリヤの空 UFOの夏』〜


 早川書房から出版されている「SFが読みたい」の2003年度ベストSF国内編で、第8位を飾ったのが本作品だ。しかし、私的にはぶっちぎりで1位である。とりあえず読んでみてほしい。情景描写や心理描写などの文章が非常に巧く、時間を忘れて一気読みさせる力がそこにある。

 世の中に出回る本の中で共感できる作品は多々あれど、感嘆させられる作品は数少ない。これは、その数少ない作品のうちの一つであると、私は思う。世界の構造を見せていく語り口がとてつもなく巧妙で、読んでいるうちにだんだんと、そして気が付いたときには奥深くまで、驚きの世界へと引っ張り込まれている。

 読み手にとって、夏の匂いがする、中学生青春真っ盛りの恥ずかしさを再体験する物語である。少年と少女が出会うという、ありふれたボーイミーツガールという設定を、驚くほど鮮やかに描いている。シリアスな雰囲気が漂う、しかしちょっと滑稽で可笑しくて、そのくせ妙に切ない不思議な軽さをもって綴られる。ひと夏の恋とか、そんな感じの照れくさい何かをきっちり書いてしまう潔さも見事だ。何度も何度も読み返したくなる。作品の世界にずっと浸っていたくなる。

 読書は人との出会いに似ている。ページを捲めくるたびに、喜び、笑い、悲しみ、怒り、さまざまな未知の世界を教えてくれる。まだ読んでいない本、思い出になる本、忘れてしまう本、一度っきりしか読まなかった本。私の中で『イリヤの空 UFOの夏』は、出会えてよかった、素直にそう思える本である。

(人間科学部通信課程1年 大窪 悠)

(2004年5月20日掲載)

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お薦めの1冊、『ホビット』


 私が皆さんにぜひ読んでほしいお薦めの本、それはJ・R トールキン作の『ホビット』! この題を聞くと、たいていの人はかの有名な『指輪の王(LORD OF THE RINGS)』を連想するであろう。まさにこの本は、『指輪の王』の前作なのだ。『指輪の王』を読んだ人はもちろん、読んでいない人にもお薦めできるのである。

 あらすじは、ホビットと呼ばれる種族のビルボ・バギンズが、ドワーフや魔法使いガンダルフと共に、野を越え山を越え、はるか彼方にそびえる「さびしき山」に巣食うドラゴンのスモーグを征伐する旅をする、といったものである。

 こう聞くと、「ああ、またありきたりのファンタジーか・」と思うかもしれない。ところがどっこい、トールキンの描写力が半端ではないのだ! 美しい景色、蕭然とした荒野、暗い洞窟、激しい戦闘・。いつしか読者が本の中へ、空想の世界へと吸い込まれていく。

 また、この物語は豊かな人間性にあふれている。主人公たちは冒険の中で数多の苦難に遭遇する。ときには、互いに激しく不信感をぶつけ合うこともある。だが、最終的には共通の目的のために、種族を超えて和解し、再団結する。『ホビット』は、スリルあふれる冒険譚であるだけでなく、温かな友情物語でもある。

 『ハリー・ポッター』から始まるファンタジーブームに飽き飽きしているいる人も多いだろう。また、ファンタジーそのものに興味がないという人も多いだろう。しかし『ホビット』はそういった皆さんの幻想を振り払ってくれる。真の「ファンタジー」は他ジャンルにも負けない程の、満足の果実を与えてくれる。

 「現代の古典」とも呼ばれるこの名作。皆さんも味わってみてはいかがだろうか。

(人間科学部1年  辻 隆史)

(2004年5月13日掲載)

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First drafted 2004 May 13.



マナー(manner)マナー(手)


 「いろいろ考えた結果、分煙にします」

 2002年4月から、煙草がWの字に曲げられたポスターが、キャンパスのいたるところに貼られるようになった。そのポスターを片目で見ながら、もう一つの目はキャンパス内での歩き煙草に向いてしまう。「あのポスターを見てください」などと注意する勇気は私にはなく、できるだけ喫煙者の前を歩こうと足早になったりするのが常だ。

 早稲田の「分煙キャンペーン」が始まってから2年余り。昨年からは健康増進法が施行され、駅のホームからも、喫煙スペースがなくなった。ヘビースモーカーである私の父も肩身の狭い思いをしているようだが、ここでも線路の上に灰を落とすサラリーマンの姿がいまだに目立っている。さも自分が被害者であるかのように。

 気付けば、私たちの身の周りは「マナーを守ろう」という貼り紙やアナウンスで溢れてしまった。ともすれば、それが昔からあるような錯覚にさえ陥っている。マナーやモラルの低下よりも、それを私たちが意識しなくなることの方が、よっぽど怖い。

 癌や心臓病など、煙草が原因の死は、世界で年間5百万人に上る。副流煙による二次的な被害や、未成年者の喫煙率増加、はたまた価格の値上げ(増税)など、手の平にのせてしまえば、重ささえ感じない煙草が、社会全体で騒がれるものにもなっている。たかが煙草。されど煙草。

 実は英語のマナー(manner)という言葉は、ラテン語の「手」からきている。公共の場を過ごしやすく和やかな空間にするのは、マナーの語源どおり、私たちの手にかかっている。さらに、その手(manner)から社会全体を変えていくことができるということも、忘れてはならない。

(政治経済学部3年 高橋 広行)

(2004年4月22日掲載)

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First drafted 2004 April 22.



キャンパスツアーを知っていますか?


 キャンパスツアーを知っているだろうか?

 新入生たちは、オープンキャンパスや修学旅行のイベントの一つとして参加したかもしれない。在校生は、キャンパス内でえんじのウィンドブレーカーを着たガイドがお客様を率いているのを見かけたことがあるだろう。もしかしたら、お父さんやお母さんがツアーに参加しているかもしれない。

 キャンパスツアーとは、受験生やOB・OG、在校生の父母や一般の方、そしてもちろん在校生を対象に、早稲田の西早稲田・大久保・戸山キャンパスの見所がくまなく見学できるツアーである。そして、このご案内役を務めるのが「現役学生ガイド」であり、このことが最大の「ウリ」の一つとなっている。私はこの3月に卒業するまでツアーガイドをしていた。

 現役学生ガイドがご案内することで、「観光地」としての早稲田大学の単なる名所巡りにとどまらず、実際に大学で学ぶ現役学生の声を直に聞くことができるものになっている。また、ガイドの側からも早稲田に興味を持った方々に直接語りかけ、早稲田で学ぶ魅力を存分に伝えることができるのだ。そして、それは私が卒業までガイドを続けた中で、最も重視してきた点でもある。

 キャンパスツアーには多くの人たちが参加する。毎回異なるお客様に対し、いかに分かりやすく「早稲田」を伝えるかが、非常に難しく試行錯誤の連続だった。しかし、終了時に暖かい拍手をいただき、お客様と一つになれたと感じる時は、言いたいことが伝わったのだと純粋に感動できた。この感動こそが、ガイドの醍醐味の一つである。

 「早稲田が好きで好きでたまらない」、「早稲田について何かがしたい」と思ったことがある人。しかも人前で話をしたり目立ったりすることが大好きな人は、ツアーに参加するだけでなく、ぜひガイドになろう!! 早稲田がさらに好きになること間違いなし!!

(2004年3月社会科学部卒業、関西国際空港株式会社在職 蜂谷 暁(さとる))

※キャンパスツアーガイドに興味のある方は下記宛まで連絡を
【問い合わせ先】広報課
【E-mail】koho@list.waseda.jp

(2004年4月15日掲載)

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First drafted 2004 April 15.