こんな授業! どんなゼミ?

2004年度前期分 目次





表現・芸術系演習12 〜鴻上先生といっしょ〜


鴻上尚史先生
鴻上尚史先生
授業開始時の発声練習。前列手前が筆者。
授業開始時の発声練習。前列手前が筆者。
“なんでもバスケット”で移動中!
“なんでもバスケット”で移動中!

第二文学部4年    坂本 彩

 演技の世界だけでなく、普段の生活においても身体に対する意識を持つことは大事。しかし意外とできていないもの。私たちは、実際に身体を動かし演劇的手法をとおして、豊かに生きる方法を、あの劇団「第三舞台」のカリスマ演出家、鴻上尚史文学部客員教授から学んでいる。声はどこから響いているのか。意識は空を飛べるのか。眉毛はものを語れるか。先生の言葉を聞いていると、誰よりも知っているはずの自分の身体が、全く知らなかったものに見えてくるのだ。

 ご存じ、鴻上先生はとってもライトでナイスな方(故にたまに本当にエライ人には見えない)。巧みな話術で学生のテンションを上げに上げ、言葉や理論だけでは堅苦しくて感じられない「身体」を、わりとあっさり「あれ、今あたし、できてたの? ああ、これがその体験だったのね」と、いつの間にか理解させてくれるのである。

 「今日はこんなことしよう」と毎回お題が出るのだが、やってる間は自分たちが何を体験しているのか分からない。人を彫刻に見立ててポーズをとらせたり、目隠しをして文キャン内をうろうろしたり、なんでもバスケット(フルーツ・バスケットの応用形)をしたり…。端から見ればただ遊んでいるだけ? 先生も笑っているだけのような気もしてくる。なのに、毎回最後に体験したことのネタばらしを食らうとビックリするのだ。すごい、鴻上先生! 私たちの醜態を楽しんでるだけじゃないのね!

 また「日本人が異性に触れるのはセックスを前提としている場合」という偏った既成概念をとっぱらってしまったので、何をやるにつけてもペアは異性同士。もう触る、つかむ、ねじる、持ち上げる、何でもありである。そんなことを繰り返しているうちにだいぶグローバルな感覚が身に付いた気がする。うっかり油断して目立ったりすると、変なあだ名が付くという特典もある(鎖骨、肋骨、ラーメン小池…etc・)。

 なんでもバスケットで、「この授業が好きな人」というお題では全員が立ち上がった。
 鴻上先生、万歳!

(2004年7月22日掲載)

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First drafted 2004 July 22.



オープン教育センター
 「アイスランドの文化と言語 ―アイスランド共和国寄付講座―」
 〜真のヨーロッパを理解する〜


アイスランド語を担当しているオープン教育センター 宮城 学 非常勤講師
アイスランド語を担当しているオープン教育センター 宮城 学 非常勤講師
真剣に聞き入る筆者(手前)
真剣に聞き入る筆者(手前)

第二文学部4年   村上 右一

 アイスランドという国名を聞いて、どのようなことを思い浮かべるだろうか? あまり馴染みのない国かもしれない。

 アイスランドは、古代中世のヨーロッパ文学において、非常に重要な神話・英雄の詩群であるエッダや散文物語であるサガを伝え、また古風な言語や文化を今日でも保持している稀有な国である。この授業では、このようなアイスランドについて紹介していく。

 授業は、文化理解には欠かせないアイスランド語の語学学習を中心に、アイスランドの歴史や文学、映画、音楽等多様なテーマが扱われる。講師は早稲田の教員のみならず多方面の専門家にわたり、先日などはアイスランド大使による講演が行われた。昨年からオープン教育センターで開講されているこの授業であるが、現在参加している学生は百人を超えており、アイスランドという国に対する関心が高まっていることがうかがえる。

 また、授業内容からは離れるが、アイスランドにおいても日本文化への関心が高く、唯一の大学であるアイスランド大学で、やはり昨年日本語の授業が設置されたと聞いている。今後の日本、アイスランド両国の外交関係から目が離せないと言える。

 さて、私は、アイスランドを訪れたことはないが、幼少期にデンマークに在住した経験があり、北欧の素晴らしさは理解している。そのことを学問をとおして学んでみたいという理由と言語的にも面白いという理由から、私はこの授業に参加している。実際に受講してみて、毎回新たな発見の連続で、90分間が瞬く間に過ぎてしまう。私はこの授業で、アイスランドという国の良さを再認識し、この魅力溢れる国を訪れてみたいと感じている。

 ヨーロッパに対する関心は依然として高い。そのヨーロッパの文化を真に理解し、また世界に数多く存在する文化や世界観を一つでも多く知るという意味でも、この授業を受講してみてはいかがだろうか?

(2004年7月15日掲載)

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First drafted 2004 July 15.



長谷川惠一ゼミ  〜管理会計! 知られざる学際性と創造性〜


活発な議論の中心、長谷川先生
活発な議論の中心、長谷川先生。前には「へぇ」ボタンが

商学部4年 古森 弥生

 静まりかえった春休み。朝から晩まで電卓を叩き、商学部の教室を走りまわるやつらがいる。「景気が回復しそうだ!」、「在庫が多すぎる!」、「市場のニーズに開発が間に合わない」。わが長谷川ゼミの登竜門ともいえるビジネス・ゲームに熱中するゼミ生たちだ。バーチャルの世界とは思えないほど皆が熱くなる。会計の知識がなぜ必要なのか?を、身を持って感じる瞬間だ。

 わがゼミの研究対象である「管理会計」は、計算方法や決算書類の体裁が細かく決まっているという、一般的な会計のイメージである「財務会計」とは程遠く、実に創造性に富んだ学問である。スポーツに例えると、正確なタイムや勝敗の結果を外部者に伝えるものが「財務会計」であるのに対し、なぜ負けたのか? どうすればもっと強くなるのか?を考えるのが「管理会計」である。

 実際のゼミ活動も然りである。長谷川教授の指導の下、授業中は議論が絶えることがなく内容も実に幅広い。ゼミ生の研究分野は、企業の会計情報を柱に、経営戦略論、マーケティング論、人事管理論、環境経営論も対象とするほか、企業以外のNPO法人や自治体の運営など、多岐にわたっている。素晴らしい意見や議論が交わされると長谷川先生ご愛用の「へぇ」ボタンは「へぇへぇへぇ…」と鳴り響く。

 また3年次の冬には、6つの大学の管理会計を研究するゼミが集まる合同研究発表会など、他大学と交流する機会が数回ある。忘れてはならないのが兄弟分ゼミともいえる「清水孝ゼミ」の存在だ。同じ「管理会計」のゼミとして、時に手を組み、時にライバルとなり、切磋琢磨して成長している。先生同士も大学院生時代から交流があり、共著の本も数多く出版されている。

 そんなわれらが長谷川先生は、現在商学部では、ゼミのほか「原価計算論」と「管理会計論」を担当されている。ぜひ、一度これらの授業に足を運んでその魅力に触れていただきたい。


長谷川ゼミの皆さん。前列中央長谷川先生の右隣が筆者
長谷川ゼミの皆さん。前列中央長谷川先生の右隣が筆者

(2004年7月8日掲載)

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First drafted 2004 July 8.



宇野淳教授
 「マーケットマイクロストラクチャー」〜最先端の環境で!〜


宇野先生
宇野先生
真剣な眼差しで聞き入る筆者
真剣な眼差しで聞き入る筆者

ファイナンス研究科修士課程1年 梅野 淳也

 マーケットマイクロストラクチャーは主に株式市場を中心に、実際に売り手と買い手の間でどのように価格が形成されるのかということを、取引制度や流動性の面から研究する学問である。その意味において理論は常に実際の市場において検証され、検証結果が実際の市場運営に反映されるというサイクルを繰り返しており、理論と実務が密接に関係している分野であるといえよう。身近な例で言えば、パソコンを買うときインターネットオークションで買うか近所の家電量販店で買うかといったことを分析する感覚に近いのではないだろうか。

 この授業ではサイバートレーディングルームの使用をとおして、理論と実務の交差する点を確認することができる。実務家が使用する最新鋭の機器が備わったサイバートレーディングルームは、さながら運用会社のトレーディングルームのようであり、運用機関で実務を担当している自分の目から見ても、相当「進んだ」環境であると思われる。  サイバートレーディングルームで実際の株式市場を再現しシミュレートすると、理論の意味するところがより明確にイメージとして認識できる。市場の仕組みや取引制度および取引コストの存在によって価格形成が異なるという、従来のファイナンス理論が想定していない現象を実際に目で見て確認できる。もちろんそれだけで価格形成のすべてが説明できるわけではないということにも気付かされるだろう。

 サイバートレーディングルームはファイナンスを学ぶ者にフィールドワークの機会を与える最高の環境である。特にマーケットマイクロストラクチャーのように情報技術の進展と取引技術の高度化によって発展してきた分野を研究する際には大きな威力を発揮するものと思われる。運用機関で働く者の立場としては、こういった環境で学んだ後輩たちと市場の第一線で相対する日が待ち遠しくもあり、恐ろしくもありというのが正直なところであると告白しておこう。


サイバートレーディングルームでの授業の様子
サイバートレーディングルームでの授業の様子

(2004年7月1日掲載)

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First drafted 2004 July 1.



石田光義ゼミ
 〜地域産業活性化のための産学官プロジェクト〜


川口市での会議の様子
川口市での会議の様子

公共経営研究科 修士課程1年 横溝 勝

 昨年度開設された公共経営研究科では、実践的な政策判断能力を養うための教育方法の1つとしてインターンシップが取り入れられている。このいわゆる「インターンシップゼミ」の大きな特徴は、派遣先に教員が同行して現場の担当者及び学生の議論に参加し、課題の解決を図っていくことだ。

 石田光義教授のインターンシップゼミでは、早稲田大学と提携している埼玉県川口市で行われている産学官プロジェクトに参加し、中小企業の経営改革のプロセスをとおして産学官コラボレーションの在り方を学んでいる。私は、川口市から派遣されている学生なので、大変興味深く研究している。

 このプロジェクトは、総合的品質マネジメント(TQM)を導入して具体的な活動を展開し成果を上げ、さらにその成功事例を蓄積し、モデルを提供することを目的にしている。会議は、およそ半年の期間で毎月1回、日曜日に川口市で行われている。早稲田大学からは石田先生のほかに、社会システム工学研究所客員研究員の黒崎忠靖先生や安藤之裕先生など多くの先生が参加されている。

 このゼミには、修士課程8人が参加しているが、8人とも社会人もしくは社会人経験者で、自治体から派遣されている人や銀行出身の人もおり、それぞれの経験が研究と密接に結びつき、活発な議論が行われている。

 先日、川口市のスキップシティで、第3回目の会議が行われ、課題への取り組み状況や新たな問題点などが報告された。回数を重ねるにつれ、議論が充実してきたと同時に、院生が事前に受け持ちの企業を独自に訪問するなどして、次第に風通しの良い雰囲気となってきている。また、会議は毎回白熱し、終了時刻が大幅に延びている。

 私も担当する企業を訪問して、その技術力とものづくりの奥深さに感動を覚え、経営者の皆さんの経営改革への意欲に心を打たれたところである。

 石田先生の中小企業の未来に貢献しようという熱い思いと、参加されている企業の方の改革しようという熱意がコラボレートされ、とってもハートの熱いゼミとなっている。


石田ゼミメンバー。川口市の経営者の皆さんと。前列左から2番目が石田先生。後列右から3番目が筆者
石田ゼミメンバー。川口市の経営者の皆さんと。前列左から2番目が石田先生。後列右から3番目が筆者

(2004年6月24日掲載)

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First drafted 2004 June 24.



大聖泰弘教授「学部3年ゼミナール」
 〜自動車好き集まれ!〜


理工学研究科 修士1年 桑原 史雄

大聖先生。黒板には車の絵が
大聖先生。黒板には車の絵が
真剣に聞き入る学生たち。最後列奥が筆者
真剣に聞き入る学生たち。最後列奥が筆者

 近年、自動車社会が抱える大気汚染や燃料枯渇問題に対し、大聖研究室ではディーゼルエンジンの燃焼解析や数値計算を用いた排気予測、また電気自動車や燃料電池自動車の設計や性能評価を行い、多方面から自動車の低公害化に取り組んでいる。

 3年生のゼミナールでは1年後に控えた卒業研究に備え、排気の後処理方法や燃料電池、ハイブリッドに関する基礎研究から最新の英語文献を輪読することで専門知識を深めていく。授業では、学生一人ひとりに先生から毎週課題が出され、次週のゼミナールで発表を行うことで知識をより確かなものにする。

 ゼミと同時にエンジニアリング・プラクティス(以下エン・プラ)では、先生と修士1年生の指導の下、各班に分かれてエンジンや電気自動車に関する課題に取り組むことで、実験方法・性能評価の方法・発表の仕方について学んでいく。一例として、「バイオエタノールを用いたディーゼルエンジンの性能・排出ガス特性の調査」がある。この課題では、従来燃料の軽油にバイオエタノールを添加し、軽油使用量の削減効果および機関性能・排出特性を調査した。

 秋の合宿では、軽井沢のセミナーハウスに行き、エン・プラの中間発表と同時に、スポーツやお酒を交えて先生と交流を深める。

 1月末にゼミの締めくくりとしてエン・プラの最終発表を行い、年間をとおして取り組んだ課題について報告する。

 最後に、2月上旬に行われる卒論発表を傍聴することで卒論研究の概要を理解し、各自の卒論テーマを決定する。当研究室のテーマとしては、「直噴ディーゼルエンジンの燃焼・排出ガス特性と低公害化に関する研究」「電動マイクロバスや超小型燃料電池車の開発」などがある。

 テーマ決定後は、修士2年生の指導下で引継ぎ実験等を行い、卒論研究に取り組んでいく。

 このような年間の流れをとおして自動車に対するエンジニアリングセンスを磨いていく。1年経つと卒論を書けるまで専門知識が身に付く。自動車に関心のある学生は、研究室のドアをぜひ叩いてみよう!

(2004年6月17日掲載)

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First drafted 2004 June 17.



寺本義也ゼミ
 〜社会人学生による理論と実践の追求〜


寺本教授(左奥)と山本教授(右隣り)
寺本教授(左奥)と山本教授(右隣り)
ゼミ生の発表の様子。実務経験を持つゼミ仲間の前での発表は鍛えられる。
ゼミ生の発表の様子。実務経験を持つゼミ仲間の前での発表は鍛えられる。

アジア太平洋研究科修士課程2年 青山 健一郎

 われわれ寺本義也ゼミは、日本で初めて開設された経営専門職大学院であるアジア太平洋研究科国際経営学専攻MOT(Management of Technology)プログラムに属している。

 MOTは一般に技術経営と訳され、日本の優れた技術力をより高い経営成果に結びつけるためにはどのようなマネジメントを行っていけばよいか、多様な視点から研究を行う学問である。中でも、寺本ゼミは21世紀のグローバル企業における重要な鍵となる知識をベースとした経営システムを主な研究対象としている。

 現代の経営問題では、文系的なアプローチと理系的なアプローチの両方、いわゆる文理融合型アプローチが求められている。そのため、われわれ寺本ゼミも、企業の技術戦略を専門とする山本尚利教授のゼミ(グローバル・テクノロジー・マネジメント)と共同でゼミを運営しており、営業やマーケティングに加え、研究開発やコンサルティング等、多様なバック・グラウンドを持つ院生が幅広い議論を展開している。

 ゼミのメンバーは博士課程10人・修士課程23人で構成されている。修士課程のメンバーの平均年齢は37.5歳であり、全員が7〜8年以上の企業での実務経験を持って、ゼミで学んだ理論と企業での実践の両立を目指し、研究に励んでいる。

 企業からの派遣や働きながらの学生も多いため、ゼミは毎週金曜日の夕方6時から9時過ぎまで行われる。議論は尽きることなく、9時以降は場を移し、アルコールを入れながらの討議が夜遅くまで続くのである…。

 これから就職や起業を目指す皆さんにとって、将来技術経営は最も重要な要素となるはずである。文系・理系を問わず、今後実務経験を積んで我が寺本ゼミに参加してもらいたい。

(2004年6月10日掲載)

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First drafted 2004 June 10.



安藤紘平ゼミ  〜こうして映画はつくられる〜


国際情報通信研究科修士課程1年 片岡 希

本庄−西早稲田間をつないで行われる授業
▲ 本庄−西早稲田間をつないで行われる授業。モニターに映っているのは西早稲田側の学生たち
公開講座の様子
▲ 公開講座の様子。左から安藤先生、中島哲也監督、深田恭子さん、平野隆プロデューサー。

 「映画はその人に言いたいことがあるのなら誰にでもつくれる」。ドキュメンタリー映画作家として有名な羽田澄子さんの著書のなかに、こんな言葉があった。羽田監督が大切なものとして心に留めている言葉である。

 何を撮りたいのか。なぜ撮るのか。国際情報通信研究科安藤紘平ゼミでは、こんな思いを大事にしているように感じる。何を表現したいのか。ならば今、何を学ぶべきなのか。一見当たり前のように感じるが忘れがちなこの二点を、学生自身がつきつめてゼミは進んでゆく。つまり、撮りたいと思う心さえあれば、このゼミでは学ぶことが多くある。

 安藤教授ご自身、特にヨーロッパで高く評価されている数々の作品を産みだしてきた映画監督である。創り手であるからこそ分かること、見えてくること。そんな言葉の数々は、学生にとっては格好の学習材料となる。

 「映像との対話と創造」講義中にも、創り手の言葉を直接聞く機会は多く設けられている。先日行われた中島哲也監督、平野隆プロデューサー、そして深田恭子さんを迎えての公開講座。そして、6月には篠田正浩監督、曽利文彦監督の講座も行われる。創り手を志す学生にとって、一線で活躍なさってきた諸先輩方の生の言葉は、実に大きな糧となる。

 そんな言葉を吸収する一方、ゼミの中では本庄校舎敷地内にあるNICT(情報通信研究機構)の機材をお借りして、ハイビジョン編集実習も進められている。篠田監督の「スパイ・ゾルゲ」など、日本映画の数々に関わってきたこのスタジオは、今も日本映画を産み続けている生の現場である。その他脚本執筆や映画本編撮影現場の見学など、撮りたいと思う心を大切にしながら映画づくりをじっくり学べるのも、安藤ゼミの特徴だ。

 映画を学ぶということは、人生を学ぶということ、なのかもしれない。表現したいと思う心を大切に、映画を愛しみながら学んでいきたいと思っている。

(2004年6月3日掲載)

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First drafted 2004 June 6.



オープン教育センター 「黒澤明の世界」 〜世界のクロサワを知る〜


佐藤洋一先生
佐藤洋一先生
筆者は、昨年度受講した。
筆者は、昨年度受講した。
満席の大教室!
満席の大教室!

第一文学部2年 東海林 洋

 外国人に、知っている日本人の名前を尋ねると、まず挙がるのが「クロサワ」の名である。代表作「七人の侍」はハリウッドの映画学校の手本教材となっているくらいだし、皆さんご存じの「スターウォーズ」のチャンバラもクロサワの影響であることは有名だ。それほどまでに有名な映画監督である黒澤明だが、この巨匠について今の日本人はよく知らないのが現実である。

 コーディネーターの岩本憲児教授は文学部で映像を専門に教えているが、この授業は2週ごとに先生が変わる総合講座のような形式で、講師は早稲田の教授だけではなく、さまざまな方面にわたっている。そのため、実にさまざまな角度からクロサワの作品を鑑賞することができるのが特徴だ。学生の人数は約4百人ととにかく多いが、そのおかげで大きな教室の大きなスクリーンで映画を見ることができる。僕はこの講義を受ける前から黒澤明が好きだったのだが、一度見た映画も講義を聞いた後に見直してみると、全く違う映画に見えたりして楽しい。

 僕にとって一番興味深かったのは早稲田大学芸術学校客員助教授である佐藤洋一先生の、都市工学の見地から黒澤明の映画を見たときで、普段そんな理工系の言葉に馴染みのない文系学生にはとても新鮮だった。

 ところで、早稲田大学には「黒澤明記念映画映像研究所」という岩本憲児教授を中心にしたプロジェクト研究所があって、この講座はそこの教員が実施しているものである。日本が世界に誇るべき人物である黒澤明の足跡を未来につなげていこうというもので、将来的にはクロサワ映画にとどまらず、日本映画研究の中核になっていきたい、と一番初めの講義の日に熱く語っていたことが印象的だった。

(2004年5月27日掲載)

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First drafted 2004 May 27.



齋藤美穂教授「基礎演習」
 〜私が基礎演習で学んだこと〜


中央が筆者
昨年度、齋藤先生のクラスは自ら「齋藤組」と称して盛り上がった。その「齋藤組」から3人。中央が筆者。
齋藤先生。今年度の授業から
齋藤先生。今年度の授業から

人間科学部2年 今成 光希

 小学校から高等学校までの義務教育、またいわゆる「準義務教育」にあって大学教育に存在しないものの一つにホームルームクラスが挙げられる。

 私が昨年4月に人間科学部に入学して初めに驚いたのは、そのホームルームクラスに極めて近い「基礎演習」という授業があったということだ。それは選択科目ではなくあくまでも必修科目という枠組みの授業であり、なおかつクラスは無作為に選ばれた学生で構成される。授業内容はというと、レポートの書き方など大学生活に慣れるための必要最低限の知識を付ける準備といったところだ。人によってはこの授業は必要ないと捉える人もいる。「もう大学生なのだからレポートや試験なんかはやっていけば慣れるものだし、わざわざ週に1コマも使ってやることもない」。そんな声を耳にすることもあった。自分自身が興味の持てる学問を見つけ、自分なりに学んでいくというのが大学での授業スタイルである。そういった観点から見ると確かに必要のない授業と言われるかもしれない。

 しかし、私はこの授業の持つ意味合いは大変に大きかったと思う。レポートやプレゼンなどを通じて自分の意見を主張することを覚え、講義やセミナーを通じて第三者の意見を受け止め、それに対する自分なりの意見を持つという習慣を身に付けた。それは決して高校までの授業や受験勉強で修得できるものではない。多くの学生が高校や予備校の授業経験しかない中で、大学の授業に対する戸惑いがあるというのは当然といえる。特に人間科学部のような履修目的の範囲が広い学部ならばなおさらである。自分の興味・関心を探し出すというのはそう簡単なことではない。

 最終回の授業でクラス担任の齋藤教授は僕らにこう言ってくださった。「4年間で焦らずゆっくりと自分の興味のあることを見つけてください。そのためには目の前にあるモノ一つひとつに興味を持ってみましょう。そうして見つけたものがきっとあなたの財産になります」と。

※「基礎演習」は、人間科学部のすべての専任教員が担当。

(2004年5月20日掲載)

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First drafted 2004 May 20.



小倉欣一教授 「西洋史学基礎演習A」
 〜歴史とは〜


筆者は昨年度受講。今年度初めての授業で、後輩へのメッセージを語った。
筆者は昨年度受講。今年度初めての授業で、後輩へのメッセージを語った。
小倉先生と受講者の皆さん
小倉先生と受講者の皆さん

第一文学部2年 熊谷 大器

 われわれの価値観や常識というものは、歴史の解釈の上に成り立っているということに気付かれている方も多いことだろう。その点私は鈍いものであった。だからこの演習を受けてよかったと思う。この演習は本格的に歴史学を始める前に、そもそも歴史というものについての認識を改め、歴史学を学ぶ姿勢を養うのに最適な演習であるといえる。  この演習の特徴は、受講生のおそらく全員が演習をとおして「教科書」というものの見直しにも取り掛からざるを得ないところにある。「教科書」といっても対象はわれわれの多くが学んできた、一般的に問題の無い「教科書」である。即ち、われわれの常識的な歴史認識であるともいえるものが、その対象なのである。

 そんな演習の進め方であるが、まずは著名な歴史学者や最近の日本の歴史学者、中には小倉教授と知り合いの方といったようなさまざまな歴史家の著書を受講者全員で教科書に選ぶ。教科書が決まった後は細部にこだわって読み進め、歴史的事件の著者の評価と、それについてのわれわれの認識、常識的判断との違いを中心に討論していくといったものである。そこで当然われわれは今まで捉えてきた「歴史」との認識の違い、読み応えのある歴史学らしい詳しい史実と歴史批判に数多く出会う。

初めに学ぶ『世界史の流れ』では中世ヨーロッパ世界の捉え方、コロンブスの新大陸発見の意図といった事柄の認識の違いに戸惑い、また『アラブが見た十字軍』では十字軍時代のアラブ世界の実態に新たな世界が開ける思いがした。先生はそれらに豊富な知識を存分に生かし、丁寧に答えを教えてくださるときもあれば、受講生を中心により活発な議論を促すときもある。結論が出ないこともよくあるが、私はその討論そのものに十分な意義を見出している。

 受講生はそういった読書と討論の行程から、歴史学というものの姿をおぼろげながら読み取っていくのである。気付いたら歴史に対する考え方が変わっているかもしれない。そんな演習である。

(2004年5月13日掲載)

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First drafted 2004 May 13.



「宮澤節生ゼミ」
 仲間と共に考えながら走るゼミ


学生のプレゼンの様子
学生のプレゼンの様子。宮澤先生の指摘を受け、発表内容がより深まる

法学部4年 田中 千絵

 われわれ、法学部宮澤ゼミは「熱いハートとクールな頭脳」をモットーに、宮澤節生先生の下、法政策論を学んでいる。

 法学部のゼミではあるが六法を開くことは稀で、主に実証研究を中心にしている。市民・住民運動をいくつか取り上げ、学期をかけて調査する。ゼミ生は研究テーマごとにおよそ6人ずつのグループをつくり、毎回のゼミで研究の途中経過をパワーポイントを使ってプレゼンテーションする。先生は発表内容に対して暖かくも鋭い指摘をくださる。調査は当事者や弁護士などへのインタビューなどのフィールドワークや文献調査である。それらをとおして市民運動が法の政策過程にどのような影響を与えているのか、弁護士はどのような役割を果たしているのかを研究しているのである。フィールドワーク先ではお酒をご馳走になるなど、他のゼミではなかなか体験できないことができるのもこのゼミの売りである。毎週の発表でプレゼン能力の向上も図れる。毎週すべてのゼミ生が活動し、発表やホームページの作成、学期末にはゼミ論文をまとめての執筆もあり、大変さも感じるが、その分のやりがいも得られる。昨年度は前期に「住基ネット反対訴訟」、「たばこ病訴訟」、後期に「報道と人権」、「裁判員制度」、「少年法改正問題」を取り上げた。今現在、係争中の訴訟や議論の最中の問題を取り扱い、まさに考えながら走るゼミであるとゼミ生は自負している。

 また昨年の夏合宿はハワイへ行き、アメリカの裁判の陪審員制度やハワイ大学のロースクールを見学するなどした。もちろんハワイの海も充分に堪能してきた。日々の活動や合宿でゼミ生同士の親交も図れて楽しいゼミ生活を送っている。

 今年度は宮澤先生は早稲田の専任教授ではなくなったため、このゼミの来年度以降の存続は未定である。しかし、だからこそわれわれは今年度のゼミを大いに盛り上げていきたいと考えている。


ハワイでの夏合宿
ハワイでの夏合宿。 宮澤先生(後列右端)、 筆者(前列右から3人目)

(2004年5月6日掲載)

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First drafted 2004 May 6.



「岡田純一ゼミ」 からだはってます!


人間科学部4年    松原 綾

 岡田先生といえば黒のウエストバッグと、学生に負けない大きな体がトレードマークである。その大きな体から怖そうなイメージだが、実際の先生は明るく学生に対してもフレンドリーで、とても話しやすい先生だ。そんな先生の下、ほのぼのとした雰囲気の中で学生たちも気負わずマイペースにゼミは進められている。

 昨年のゼミでは筋力や体脂肪、乳酸値などの測定実習を行った。自分が実際に被験者となりお互いに測定しあうのだが、これがなかなかハードなものだった。乳酸値の測定では自転車をヘトヘトになるまでこぎ続けた。普段運動をしていない私にとっては非常にきつく、その後何日間か筋肉痛に悩まされた(他の学生はピンピンしていたようだが)。体脂肪の測定では正確な専用の機械を使用するために水着になった。トップシークレットの体脂肪をみんなに知られてしまい、おまけに水着姿で測定と、苦い思い出となってしまった。このようにいろいろあったが、いろんな種類の測定をすることにより自分の中でも興味がわいてきて、これから始まる卒論制作に役立ってくると思う。どんな勉強がしたいのか分からない、と悩んでいる人もゼミに入ってから自分のやりたいことを決められるのでお勧めだ。

 今年の1月には静岡でゼミ合宿を行った。メインは卒業生の卒論発表と、私たちの課題発表だったが、岡田ゼミがこれだけで終わるはずがない。合宿先に併設されたスポーツクラブでのウェイトトレーニングやエアロビ、早朝からのフットサルと体を動かし続けた。忘れてはいけない親睦会を兼ねた飲み会では、岡田先生の素敵な歌声も聴くことができた(聴きたい人はぜひ岡田ゼミへ!)。このように岡田ゼミは常に体をはって授業を行っている。大変なことも多いがやはり楽しい。これからも岡田ゼミで体をはって勉強していきたい。

静岡でのゼミ合宿。
静岡でのゼミ合宿。
  岡田先生(左から4人目)、筆者(右から4人目)

(2004年4月22日掲載)

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First drafted 2004 April 22.



森川 靖ゼミ
〜実践による認識
 フィールドワークをとおして〜


林内の光環境測定の様子
林内の光環境測定の様子
森林構成植物の種固定の様子
森林構成植物の種固定の様子

人間科学部4年 木村 歩未

 「実践によって認識は始まる」。わが研究室のモットーである。環境に対する認識を形作るためには、見聞きすることをそのまま信じないで自分で確かめることが重要である、ということからきている。

 そんなわが研究室は、昨年度の人間科学部の再編に伴い、人間環境科学科の所属になった。その中でもフィールドを基盤にし、直に自然と触れ合った研究を専門としている。

 フィールドを基盤にする研究室だけに、3年前期の授業は、主に屋外で行われる。大学校舎脇の山に入り、自分たちで樹木の位置や太さ、樹種そして光の当たり具合などを調べる。長靴を履き、夏場は蚊取り線香を携え、蚊と格闘しながらの作業だ。しかし、調査の方法を学び、身の回りの環境を知るうちに、環境や生態というものへの関心を養っていくことができる。

 夏にはゼミ生であれば一度は必ず参加する日光での4泊5日の「生態学実習」がある。日光の大自然の中でササをかき分けながら、樹木の直径や樹高などさまざ まな生態を調べる。シカやサルとの偶然の出会いなどもあり、環境生態学を志すわが研究室の醍醐味がじっくりと味わえる実習だ。

 4年生の1年間は、各自が選んだテーマの卒業論文に取り組むことになる。わが研究室で扱っている卒業論文のテーマは、幅広い。フィールドワークを駆使して、植物や動物の生態を調べるものから、環境への自治体や学校、企業の取り組みをまとめるものまで、「環境」というキーワードを軸にさまざまな研究が行われている。

 言わば、さまざまな角度から「環境」というものに関心を持った人たちが集っている研究室である。私はこの研究室に入って、環境には実にさまざまなアプローチ方法があることを学んだ。「環境」というテーマを学びたいと思っている人には、やりがいと充実感を与えてくれるはずだ。

※筆者は2004年3月に卒業

※森川研究室はWebも公開。こちらもぜひ見てみよう!
 【URL】http://www.f.waseda.jp/yasu/index.html

(2004年4月15日掲載)

Copyright (C) Student Affairs Division, WASEDA University. 2004 All rights reserved.
First drafted 2004 April 15.



「日本文献学II」
 パソコンでわかる「古典籍」の世界


画面には、貴重な文献が次々と映し出される
画面には、貴重な文献が次々と映し出される。
受講中の水上さん。受講期間内であれば、空き時間を利用していつでも受講できる!
受講中の水上さん。受講期間内であれば、空き時間を利用していつでも受講できる!
コンテンツ収録中の兼築先生
コンテンツ収録中の兼築先生。

 第一文学部4年  水上 さやか

 「この文字さえ読めれば」パソコンの画面を凝視しながら、考え始めて数分が経つ。はじめはこの繰り返しだった。

 兼築信行文学部教授の授業「日本文献学」では、日本の古典籍を扱う。古典籍とは、江戸時代末期以前に作られた写本・版本のこと、当然日本語で書かれている。だが、私たちが普段見慣れている平仮名や漢字だけでなく、変体仮名や異体字が多く記されている。異体字とは、昔は使われていたが、現在では使われていない漢字のこと。古典籍を調査・研究する場合、この変体仮名や異体字を読み解く必要があるのだ。

 古典籍を実際に手元に置くことは難しい。図書館などで大切に保管されていることが多いからだ。しかし、オンデマンド授業なら、さまざまな古典籍の画像を映すことが可能となり、多様な古典籍を手にとるように学ぶことができる。画像に加えられた書き込みや、解説によって、変体仮名や異体字を理解できる。

 前期は、変体仮名などを読めるようになり、後期は、古典籍を調査・研究するための基礎知識と基本的な手順を学んだ。古典籍の表紙の色や模様、紙の種類、綴じ方などに焦点をあて、書誌調査の方法やまとめ方などを学ぶ。画像と解説に加え、実際に図書館などに行き、書誌調査を体験できるので、古典籍の調査方法の知識が身に付いた。

 また、講義や古典籍などに関する質問・意見・感想を、掲示板で話し合うことができるのもオンデマンド授業ならでは。対面授業よりも、発言する機会が多くなるかもしれない。各発言に対して、先生や院生の方からアドバイスをいただける。体験に基づく興味深い話を伺うことも多い。また、他の受講生の素朴な疑問や斬新な意見は、とても刺激的である。

 入手困難な古典籍を数多く扱う講義を、オンデマンド授業は可能にした。パソコンの画面上の文字と向き合い、親しみ、読み解く中で、古典籍の息づかいが感じられる。本を創り、大切に伝えてきた人々が見えてくる。彼らの努力を確かめ、受け止めていく講義だ。

※筆者は、通年科目だった昨年度受講した。今年度は後期設置科目。

(2004年4月8日掲載)

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First drafted 2004 April 8.