研究室探訪

“石”その時を超える語らいに魅了されて
 西早稲田キャンパス16号館10階教育学部国語国文学科
 小林保治研究室


「この椅子に座ると不思議にくつろぐんです」と語る小林先生。
「この椅子に座ると不思議にくつろぐんです」と語る小林先生。
能も40年来の趣味。
能も40年来の趣味。長年、サークル「喜多会」会長を務める。現在は『能楽ジャーナル』の編集委員。
窓辺に飾られた石たち。
窓辺に飾られた石たち。
コレクションの数々。右下が小林先生のファーストコレクションの石器。
コレクションの数々。右下が小林先生のファーストコレクションの石器。

 黒い石、赤い石、緑の石。模様のある石、ない石。化石。隕石(!)…。机上、窓辺、書架。研究室のいたるところに飾られた石、石、石。そう、小林先生は石コレクターだ

 きっかけは中学生の時。地元の青森市内で、人工的に加工されたと思われる石器類を発見。石斧!? 矢じり!? 包丁!? 数日後、同じ場所に出かけると、そこにはロープが。本格的な発掘現場になっていた。勘は当たった。

 以来「すっかり虜になり」、いろいろな石を集めることに。交換研究員として赴いたアメリカインディアナ州では、3億5千万年前の化石をたくさん採集した。

 「最近は、訪ねた場所の石を持ち帰るというおかしなことをやっています。これはこの3月に行ってきたマルタ島の石。これは万里の長城の麓。こっちはポンペイの溶岩。それからこれはね、『宇治大納言物語』を編集した源隆国が避暑したお寺の遺跡で採った石ですよ」。次々と繰り広げられる石の話。さすがに説話がご専門。面白さにぐいぐい引き込まれる。

 「そうそう、今日はこれから大学院のゼミ生の卒業記念品を選びに、浜松町の石屋に行くんです」
 先生に同行するというゼミ生がやってきた。すかさず、学生から見た先生像を尋ねると、「学生のいいところを引き出すように指導してくださる先生です。でも、お話が好きなので、すぐゼミが中断されてしまう。石の話もしょっちゅうです(笑)」。

 石は学生とのコミュニケーションツールにもなっているようだ。今日選ばれる石も、巣立っていく教え子たちのもとで、いつまでも鮮やかに「小林先生」という思い出を語り続けるに違いない。

(2004年4月8日掲載)

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First drafted 2004 April 8.