先輩に乾杯! |
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あの北島康介を育てた…水泳コーチ 平井 伯昌さん
名コーチとして超多忙の身となっても、周囲の騒ぎに動じず、志は高く頭は低く、まさに「歩く早稲田魂」の登場である。 「一番人気の業界だって、いつまでも一番ではない」と、コーチに。 大学3年の時、監督に呼ばれ、1年生のオリンピック強化選手のマネージャーを薦められた時は、ショックで水泳をやめたくなった。ところが、マネージャーとして参加した日本選手権での感動が忘れられず、当時一番人気の生命保険会社の内定を蹴って、スイミングスクールのコーチの道へ。「一番人気の業界へ就職」というのが伝統的水泳部出身者のステイタスだった時代。家族も水泳部の大先輩たちも猛反対だった。 「でも、適性も考えず『その時の人気企業』にそのまま就職していたら、バブル崩壊後リストラにあっていたでしょう。コーチは、いくつになっても毎日ドキドキ。子供みたいに夢を追っていられる良い仕事です」 一流選手の資質は「素直さ」、コーチの資質は「素質好き」 「好き」の延長にオリンピックはない。センスだけでなく覚悟が必要。「康介は、試合が近づくと中学生の時から目つきが豹変した。でも大勢の才能ある選手の中から飛び出るのは、結局『素直さ』です。康介は、小学生の時から周囲に人が集まって来る人気者で、コーチの言うこともよく聞く抜群に素直な子でした。個性や応用力は基礎があってこそ育つ。子供時代の才能が潰れるのは、応用から入って基礎に戻れないからです」 「コーチの資質? なんと言っても『素質好き』。指導以前に他人の素質を見抜く能力と、素質のある奴を心から愛せること。他人の活躍を自分の喜びにできるのは、介護の仕事にも似た資質です。大学のマネージャーだと年が近いぶん、すぐにそんな気になれないでしょうが…」 「折込済み」世界新。目標は〈アテネで金メダル〉で周囲も動く! 「シドニーで4位になった時から、『アテネで金を取る』と2人で決めました。私は、そのための必要条件を考え、ストレス対策やマスコミ対応も含め環境整備を図る。4年後を目指して順々に課題をクリアしています。アジア大会も世界選手権も世界記録も、綿密なプランの途中経過。記録は、来年のために今年取ったに過ぎません」 「選手は今だけを生きている。妙に先を読んだり、打算的過ぎると結果は出ない。選手とコーチは、はっきり役割分担のできた二人三脚です。オリンピックはスタッフにとっても夢です。トレーナー、マッサージ、栄養管理、ウェイトトレーニング、運動生理学などの優秀な外部スタッフの協力もある。今の康介は、もはや私1人で抱え込むなんてもったいない国の財産。余計なものは入れずに、英知を結集すべきです」 (2003年11月20日掲載)
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