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研究最前線 よくわかるCOE(5) 実践的ナノ化学教育研究拠点
ナノ研究の基盤は化学であることを再認識 「早稲田大学では材料科学分野でナノの研究をやっている人が多い。多くの優秀な卒業生も輩出しています。材料の基は分子で、したがってそれを支えているのは化学です。実践的ナノ化学では化学が基盤となっていることを再認識し、基礎から応用まで最先端の研究に取組んでいます」。今年度、学際型のナノ理工学専攻が大学院に設置された。応用化学、化学、生命理工学、ナノ理工学の四専攻が、このCOEプログラムの研究に携わっている。 五部門が相乗的に連携。 「1+1=3以上」の実践的成果を挙げる 具体的にこのCOEは「ナノエレクトロニクス材料」、「応用ナノ化学」、「ナノ合成化学」、「精密プロセス」、「分子ナノ科学」の五つの部門から構成されている。各部門では有機的かつ相乗的な連携により共同研究を展開している(図1・図3参照)。「基礎研究からいかに応用つまり実践的レベルまで発展させるかというプロセスを大切にしています」と竜田教授。 研究成果の一例では、免疫性疾患、リューマチに効く薬の開発につながる 「例えば、免疫性疾患やリューマチに効く薬の開発を行っています。血球中にはB細胞/好酸球という成分があります。その中のたんぱく質にポケットが三つ(pY pocket, pY+1 pocket, pY+3 pocket)あることを見つけました。そして、これらのポケットに異物質が入り、変に活性化されてしまうとリューマチやアレルギー疾患が始まってしまう。そこで、病気にならないように三つのポケットにアンタゴニスト(拮抗剤)を入れてやる。しかも一つひとつバラバラではなく、結合させて同時に入るように最適化した仕組みを構築した。そうすると想像を絶する効果を示した。一個だけ入るより三個同時に入ると、五百倍の活性を示したんです(図2参照)。それはまさにナノのレベルで分子を設計すると同時に、炭素を一個ずつ動かして最適分子を合成した結果です。これをさらに発展させると免疫性、炎症性疾患の薬になります」 「DNAやたんぱく質の構造が分かっただけでは薬はできませんが、われわれはどのような化学物質がどこに入るか調べ、それを合成する方法をみつけた。ポストゲノムの研究でも、この研究方法が使えます」 産学協同研究体制を育み、国際級の若手研究者を育成 本COEでは、若手の教員と優秀なポスドク(博士号を取得している研究員)がキーワードとなる。ポスドクは公募。今年度は二十人くらいの優秀なポスドクを雇う。「ポスドクが修士課程の学生を励まして、研究って楽しいんだなっていうのを見せ、博士に進学する学生を増やす。博士課程の学生には本当の研究の厳しさと楽しさ、研究の哲学を教える。そして博士の学生は、ポスドクとして残ってほしい」 博士課程の学生のポスターセッションはこれまで三回実施している。「ノーベル賞級の学者および世界各国の化学会の代表二十人が三月に日本化学会百二十五周年で来学したとき、博士課程のポスターセッションに来て討論してくれました。今年十二月には国際会議を開きます」 「COEは五年間だが、終わっても永久にこのサイクルが回るようなシステムを構築することが大切。そのためにはメンバー全員がいい仕事をして、新しい産業をつくり、また、大学に還元するという確実なサイクルをつくらなければならない。産学協同が順調にできることが必要です」と語る竜田教授の言葉からは実績に裏付けられた自信がうかがえた。 図3 期待される共同研究の例
プログラム推進担当者一覧
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