よくわかる! |
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研究最前線 よく分かるCOE (4) 現代アジア学の創生
アジアの現実に根ざした「アジアを創りあげる」学問への挑戦! グローバリゼーションが席けんする中、東アジアを中心に経済、安全保障、文化交流等の多様な面で、アジアの「共生・協働」を模索する動きが高まっている。 また、2001年の同時多発テロにより、国家戦略として隆盛したアメリカの地域研究が、非西欧世界の多様性や価値観を把握できなかった限界が指摘されている。 「地域研究のみならず、政治学、社会学等既存の学問はすべてヨーロッパで生まれたもの。それらヨーロッパ学の視点に加え、アジアを内側からの視点で追求し、アジアの現実を的確にとらえる『現代アジア学』を立ち上げる必要性を感じました。そもそもアジアとは何なのか。アジア諸国にもアジアという共通概念はありません。しかし、過去の紛争を乗り越え、いまアジア諸国は初めて対等な関係をもちました。この絶好の機会にアジアを問い、現代アジアの展望・課題に取り組むカギとなる学問を創り上げていきます」と毛里教授。 アジアの知的コミュニティ 早稲田大学大学院 現代アジア研究院の創設 本プロジェクトでは、「アジア学際学」、「アジア比較学」、「アジアコミュニティ学」の3つをキーワードに、研究・教育・情報のネットワークにおける活動を有機的に結び付けていく。
政治学、経済学、地域研究、文化人類学等を協働させ、アジア地域の複雑化したさまざまな現象を観察、分析し、アジアが抱える課題への有効なアプローチを開発する。 ■アジア比較学 アジアにおける多様性、そして共通性を探り、新アジア学の理論構築を志向する。そのため、経済発展、政治民主化、社会変容等の事象を、アジア内同士での比較を用いてアプローチしていく。 ■アジアコミュニティ学 アジアの地域協力、さらには地域統合を展望し、「アジア・コミュニティ」を構築する可能性と方法を学問的に追求する。同時に、「大東亜共栄圏」の負の歴史を顧みつつ、これからの日本の役割と立場を検討していく。 その第一段階として、4つのクラスターの下、国内・国際共同研究プロジェクトを進めている(図1)。各プロジェクトは、本学の複数の教員の他、国内外の第一線研究者を招いて構成され、その研究成果は、公開シンポジウムの開催、英文ジャーナルの発行等で、対外に積極的に発信していく。「共同研究によって、アジアの知的コミュニティが形成されれば、アジアの『共生・協働』に寄与していくはず。また、現代アジアや現代アジア学は、アジアのそれぞれの人々が創りあげていくもの。だからこそ、研究・教育の副産物として作られるアジア全体に広がるネットワークはとても重要になります」 さらに、本学のアジアに関する高い研究・教育力を凝集させるため、社会科学系の研究・教育箇所をゆるやかに統合させたコンソーシアム、早稲田大学大学院現代アジア研究院(仮称。以下、WAGIAS)の創設構想が進んでいる。このWAGIASはこれまで日本になかった、情報、データ、研究成果の集積および発信におけるインフラの役割を担う、日本そしてアジアの人材形成ネットワークの中核機能を目指している。 「現代アジア学」を学んだ人材のネットワークが今後のアジアを切り拓く
同時に、優秀な留学生を多数呼び寄せるため、海外提携大学院とのジョイントディグリープログラム受け入れ制度を拡充していく。 「現代を扱う以上、学問にも政治的な課題が絡まってきます。それらの問題に向かい合い、アジアの現実に根ざした発想で取り組んでいく力が、今後求められます」 近い将来、アジア諸国から集い、「現代アジア学」を学んだ人材が、再びアジア諸国に散じて政治、外交、経済等さまざまな分野で活躍していくだろう。その人的ネットワークこそが、今後のアジアを切り拓いていくことになる!
(2003年5月15日掲載)
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