短期集中連載

魅力ある職場としての OECD <全3回>
 最終回 魅力ある職場としての OECD

局間でのスタッフの親善サッカー試合1

▼ 局間でのスタッフの親善サッカー試合 ▲ copyright:OECD PHOTO OCDE
局間でのスタッフの親善サッカー試合2
早稲田大学商学部教授 山本 哲三

 職場としてのOECDの魅力は、何といっても時代の課題に取り組むやりがいのある仕事ができる点にある。例えば、専門職で入れば、担当分野の調査・分析を行い、政策提言的なペイパーを書く機会に恵まれるであろう。それは知的な刺激を与えてくれるばかりか、微力ながら政策形成に貢献しているという充実感を与えてくれるだろう。

 また、いろいろな国の人と交際する楽しみもある。ちなみに、本部職員として約30年間在職している今井豊氏(経済統計総局参事官)は、「人種とか国籍より個人差の方が影響が大きく、結局波長の合う人たちとつきあうようになる」と深みのある発言をされている。

 加えて、給与、有給休暇にも恵まれており、働くときにはハードに働くが、休暇も十分にとれるといった「メリハリ」の効いた生活スタイルを望めるであろう。

 最後の魅力は、日本の職場と異なり、ここでは不条理は通らないことである。尊重されるのは、正確な事実認識、ロジック、それに弁論である。私自身感じることは「沈黙は無」ということである。意見を出さないと、ピアー(仲間)とは見なされず、情報の入手が困難になる。ちなみに、専門委員会や作業部会で票決は行われない。たとえ結論がでなくても、討議を通じて相互理解が深まれば、それなりに生産的と見なされる。そしてこの精神は理事会の「決定」、「勧告」、「宣言」にも貫かれている(「全会一致」が原則とされている)。この自己主張という点で、大臣・高官をはじめ日本人職員が、「3S(sleep, smile, silence)」と揶揄されることはさすがになくなったが、その体質改善がどこまで進んだのか疑わしくもある。

 以上、OECDの魅力について述べてきた。留意すべきは、意志力だけではOECDの職員にはなれないということである。他の国際機関と同様、語学力、専門スキルの習熟とレベル・アップが必要とされる。しかし、働きながらもキャリア・アップは可能である。ぜひ、意欲的な読者にパリでの就職に挑戦してほしく思う。

注記:OECD情報は下記の日本政府代表部のホームページにて
【URL】http://tmp.deljp-oecd.fr/

OECD職員の年収(各等級初年度賃金:単位ユーロ)
A7115,081.92B647,930.40
A6105,135.24B541,241.00
A588,957.32B435,503.20
A476,816.92B331,100.76
A366,101.16B227,083.76
A253,571.48B123,772.48
A141,924.40
A:専門職  B:一般事務職(秘書、アシスタント等)

(2003年7月24日掲載)