先輩に乾杯!

あの「本庄〜早稲田100キロハイク」でついに不滅の「仮装大賞」8連覇! そのOB、実はCGデザイナーだった! そりゃ、学生は勝てないヨ
山本 桂生さん

山本 桂生さん
やまもと・かつらお
 1972年岡山県岡山市生まれ。1992年本学理工学部情報学科に入学。96年大学院修士課程に進学。深澤良彰研究室に所属しソフトウェア工学を専攻したが、翌97年退学。バイトや派遣社員をしながらCGを独学で学び、CG検定1級を取得。インターネットや雑誌上でパロディCGデザイナーとして活躍中。代表作は「挫折禁止」他。本庄〜早稲田100キロハイクで8年連続(通算9回)の仮装大賞受賞。大学時代は「さだまさし研究会」に所属。
挫折禁止
見事な「放尿機能」も製作
見事な「放尿機能」も製作。ホースを2本付けたペットボトル(もちろん水入り)を背中のバックパック内に収納し、息を吹き込むともう一方のホースからタンク内の水が「放尿」される仕組みだ。
 5月恒例の「本庄〜早稲田100キロハイク」(早稲田精神昂揚会主催)も今年は41回目。本庄から早稲田までひたすら100キロを歩くだけでも物好きだと言われるが、ついに今回は「100キロの仮装行列」としてギネスに挑戦するまでに。こんなバカなことを真剣に遂行するのが早稲田の魅力だ。そんな中でも「暑い! 重い! 視界最悪!」の三重苦を背負いつつ、仮装大賞を受賞した昨年のアシモや今年のDAKARAは、技巧的にも芸術の域に達し、他の追随を許さない。今回は「芸術は体力だ」で仮装大賞8連覇の山本桂生先輩に乾杯!

<あの「挫折禁止」の交通標識は、山本桂生の作品だった!>
 作務衣姿にバンダナという、絵に描いたような芸術系作業スタイルで登場した山本氏。申し訳なさそうに「何とか食べられるようになって数年です」と、おみやげに持ってきたのは、東急ハンズでよく見る「挫折禁止」、「No Smoking」のステッカー。ありがとう! これは大学構内で使える。さらにマウスパッドとキーホルダーを数点(愛読者プレゼントに!※)。実はこの「挫折禁止」シリーズで、彼はパロディCGデザイナーとして活躍するようになったのだ。

<記録は破るためにある! 学生諸君、仮装大賞9連覇を阻止せよ!>
 彼の100ハイに賭ける情熱はハンパじゃない。集めた仮装対象の資料画像から立体に起こすのは、CGデザイナーだからお手の物だが、そこから実際に作るとなると時間もお金もかかる。数カ月前から資料を集め、最後の1カ月は仕事を断ってまで衣装製作に専念。「僕にとって100ハイの仮装は、その時に最も認知度の高いキャラクターや商品を見極める目を自分が持っているかどうかの試金石。参加者や沿道の方々の笑顔を見ると嬉しいです」、「僕も30歳を過ぎて体力的にきついので、誰か現役の学生が連覇を阻止してくれたら引退します」。実際、自ら開設した100ハイサイトで、仮装の製作方法を解説し、「後輩よ、かかってこい!」と両手を広げて待っている。
【URL】http://www7.big.or.jp/~katsurao/boutique/

<ビンボーを楽しむ技術。日常は工夫次第で面白さに満ちている!>
 子供の頃から物作りが趣味。在学時はソフトウェア工学を専攻したが、自分の求めていた物作りとのギャップを感じ、「もっと見た人が何かを感じてくれる物を作りたい」と、修士1年で退学。バイトをしながらCG検定1級を取得したが、資格だけで実績が無ければ厳しい世界。「誰にでも薦められる生き方ではありません。僕は学生時代から弁当持参の自炊派。コンビニより商店街での買い物がおもしろい。風呂無しアパートにこっそりシャワー室を作ったり、日常の中で工夫して何かを作るのがとても楽しい。こういうビンボーを楽しめる生活力が無い人はサラリーマンをやっている方が楽でしょう。結局、どう生きても自分の選択には自分で責任を負わねばなりませんから」

(2003年6月26日掲載)