こんな授業!どんなゼミ?

2002年度後期分 目次



野嶋栄一郎ゼミ
 〜野嶋ゼミって、どんなゼミ?〜

皆で焼肉パーティー
皆で焼肉パーティー(筆者は右)
合宿中のソフトボール大会
合宿中のソフトボール大会
人間科学部4年 臼杵 美紀

 野嶋先生は、教育工学・教育心理学を専門としていらっしゃるが、ゼミにおいては、教育や学習に関して心理系・工学系・認知系・社会系など、さまざまなアプローチをしている人々がいる。文献研究ももちろん行っているが、それと併せて、多くの人は先生の指導の下に、実際の授業に参加し、実験調査を行っているので、非常に活動的なゼミといえるだろう。また、e-learning・遠隔授業などの先端的な研究も盛んに行われており、教育工学・教育心理学を勉強しながら、同時に、コンピューターを使用する技術を向上させることもできる。まさに一石二鳥のゼミであるといえるだろう。

 普段の授業以外の活動としては、まず合宿があげられる。合宿は毎年5月下旬頃に行われており、自らの研究発表の他、先輩方の意見も聞くことができ、大変勉強になる。また、合宿中にはソフトボール大会・焼き肉パーティーなども開かれ、学年を超えた交流を持つことができる。特に、ソフトボール大会では、普段の生活では見ることができないような友人の一面や、野嶋先生が全力疾走する姿などを見ることができ、非常に有意義かつ楽しいひとときであることは間違いない。

 他にも、年度末には卒業論文の発表会が行われる。ゼミ生一人ひとりの集大成ともいえる卒業論文は、どれも非常に興味深いし、大学院生の発表を聞くこともできるので、自分の研究を進める上で非常に役に立つと思う。

 以上が、私の所属する野嶋ゼミの紹介である。教育に興味のある方はもちろん、コンピュータ関連に興味のある方も、是非とも研究室のドアをノックしていただきたい。またゼミ生の論文を読まれることもお薦めしたいと思う。

(2003年1月16日掲載)


教育学部小林敦子ゼミ
 大切なもの
  〜世界を教室へ、教室を世界へ〜

ディスカッションの様子
ディスカッションの様子
教育学部4年 伊藤 綾子

 ゼミが始まって早一年半。日々は、めくるめくように過ぎてゆき、また寒い季節を迎える。いつのまにか私にとって、ゼミは大学生活の中でもっとも大きく心を占めるものになり、一番大切なものになった。3年生の初め、21人で始まったゼミは、その後その魅力にとりつかれ加わった友人や、留学から帰ってきた先輩も含め、23人になった。その中には、今は遠いイギリス、フランスでしゃにむに頑張っている2人もいる。

 小林ゼミの素晴らしいところは、なんといってもその23人それぞれが持つ「己の世界の豊かさ」にあり、みなゼミの中でその豊かさを、発表や意見や感想をとおして惜しげもなく披露する。それを聞くゼミ生は、心を揺さぶられ、影響を受け、奮起して、また新たな世界に飛び込んでゆく。そしてその世界をまたゼミに持ち帰ってくるのだ。

 そもそも私がこのゼミを選んだのは敦子先生がもともと好きだったことと、先生がおっしゃったゼミの魅力的なテーマにあった。そのテーマとは「世界を教室へ、教室を世界へ」。日頃から、勉強は机の上だけでしても意味がないと思っていた。学んだことを、何かに、どこかに、だれかに、役立てなければ意味がないのだと。そしてその長年の思いを体現できる場所、それがこのゼミだった。

 このゼミに入ってから、私の目に映る世界は変わった。何をしてよいのかよく分からなかった、薄いもやのかかったような生活から、少しずつ自分にできること、自分がしたいことが見えかけてきた。もう少しで卒業を迎え、またみんな飛び立ってしまう。しかしこのゼミで蒔かれた種、そして少し成長しかけた芽は、これからもぐんぐん伸び続け、きっと将来どこかで大きな大きな花を咲かせることだろう。そして実をつけ、種になり、今度は未来の後輩たちのために種を蒔く番がやってくる。
ゼミ生集合写真
ゼミ生集合写真

(2003年1月16日掲載)


企業財務論  〜文系学部の「工学」系科目〜

暑がりの先生は、冬でも袖をまくる!
暑がりの先生は、冬でも袖をまくる!
風邪が流行ってもこの出席率!
風邪が流行ってもこの出席率!
社会科学部4年  青柳  伸宏

 葛山康典助教授が担当されている「企業財務論」は、葛山ゼミに所属する私がゼミの必須科目として昨年履修した科目である。使用される教室は十四号館の515教室。ゼミと同じだ。ゼミではゼミ生のプレゼンテーションが中心になるため、同じ内容を扱うこの授業での講義はゼミ生にとって非常に重要である。しかしながら、社学で唯一の金融工学系の科目であるということもあってか、ゼミ生以外の履修者も多く小さめの教室はいつも満席状態である。

 企業財務論というとイメージがわきにくいが、資金の空間的・時間的移動に伴うリスク、とりわけ市場リスクに関する問題が授業の中心になる。授業では、文系学生にはあまり縁のない数式が並ぶため、受講者の表情も少し固くなる。黒板に展開される式を追うのに精一杯なときもある。そんな緊張状態をほぐしてくれるのが、先生が時折話してくださる金融業界の裏話である。先生には金融業界のお知り合いが多いようだ。内容もタイムリーなものが多く、その日の日経平均の終値の話題から授業が始まることもある。企業の資金調達に関連して銀行の貸し渋りの問題やシステム障害の問題について、新聞報道に独自の解説を加え、分かりやすく解説してくださるのだ。

 社学には幅広い分野の科目があるが、企業財務論は数学的に厳密な部類に属すると思う。大学入試で数学を切り捨てた私にとってはかなり辛い部分もあったが、最近ではその厳密さに面白さを見出すことができるようになった。同時に、これまで必要ないと思っていた数学の重要性を痛感するようにもなった。金融工学って格好よさそう、というイメージから葛山先生の科目を取るようになった私には、大きな前進である。来春に卒業を控え、また大学院への進学を決めた私にとって、企業財務論の授業は最も大きな影響を受けた授業の一つである。

(2003年1月9日掲載)


財政学  〜厳しさと和やかさの中に〜


普段から笑顔を絶やすことのない牛丸教授。講義中にもときどき表情をくずされることが!
大教室はいつも満員。後期になっても変わらない雰囲気
大教室はいつも満員。後期になっても変わらない雰囲気
政治経済学部3年  小松 英輝

 長い間大学の講義を受けてきた。費やした時間は百数十時間にもなるらしい。その間、経済の基本的な知識を得、基礎となる骨格を構築してきた。しかしそれだけでは物足りない、経済学を社会の中で活かしたいと感じたことはないだろうか。

 牛丸聡教授の「財政学」の講義はこうした要求に応えてくれる。消費税をはじめとする税金の問題や望ましい社会保障制度、また医療保障などを扱い、身近な現実経済を見据えている講義内容は、学生の興味を引く。需要曲線や数式を苦手とする人にとっても、税金の仕組みを理解するためにこれを用いれば便利な奴だと可愛く見えた。

 「望ましい経済・財政の在り方を求めるには、人間や社会に対する洞察が必要である」。これは牛丸教授の持論である。医療保障の問題を扱う際、末期がん患者の闘病記録のビデオを見る等、この講義では経済学の領域を越えて人間や社会と向き合うこともある。こうしたことは、冷静な分析または判断を必要とするときでも、心の片隅に留めておかなければならない「感情」の部分に気付かせてくれる。そしてそれこそが知識を社会の中で役立てるために必要なものだと感じた。財政学の講義は専門的な知識と共に、人間形成や感性また考え方にまで影響を与えてくれるものになるはずだ。

 適度な緊張感が漂う教室の中で、牛丸教授の穏やかで良く通る声が心地良い。普段から社会に興味を持ち続け、いろんな刺激を受ける必要があるとおっしゃる教授の美術に関する造詣は深い。そんな教授の美術論もまた、講義の楽しみの一つである。先行きの見えない日本の現状に不安を感じている私たちにとって「皆さんに将来の日本を背負っていくという気概を持ってほしい」という牛丸教授の言葉は心地良く響き、講義が終わる頃には今までの骨格の上に暖かい肉が付いていくのを感じることができるはずだ。

(2003年1月9日掲載)


欧米情報通信政策研究
  〜電子政府・自治体研究所 その設立と結実〜

いつも優しい笑顔の小尾先生
いつも優しい笑顔の小尾先生。ゼミでは先生の熱心な指導を受けることができる。
11月下旬に行われたITUワークショップにて
11月下旬に行われたITUワークショップにて
国際情報通信研究科修士課程1年 市原 史啓

 IT時代といわれる今日、情報通信競争政策に主眼をおいているのが国際情報通信研究科の小尾敏夫先生である。

 ゼミでは日本や欧米の情報通信に関する諸政策研究は勿論、中国を中心とするアジアにおける目覚ましい情報通信分野の政策研究が行われている。ゼミということもあり、受講生は九人と少数。先生と生徒との直接対話と言える講義が毎週行われている。

 だが、中でも特筆すべきは、やはり電子政府研究であろう。小尾先生は早くからその重要性に着目し学内外に情報発信されてこられた草分け的存在。電子政府・自治体研究所(本年12月発足)の初代所長となり、その研究に対する礎を盤石なものとしていることはその結実の証である。本研究所は、電子政府における諸問題の解決・改善策提案を行うことを目的とし設立され、大学内の研究所としては日本初の発足となった。さらに、国連ITU―APEC―PECCとの国際共同研究プロジェクトとして承認され、目下の優先課題としてアジア太平洋地域の電子政府人材育成の体系化を行う。

 机上の議論だけではなく、学内外での積極的な政府・自治体との連携で、その研究の有効性を高めている。

 ゼミ生は関係分野を研究するとともに、研究所や政府・自治体といった省庁関係者とも直接の対話が可能といったメリットを享受している。さらにそうして得た情報を元に作成される研究論文は、研究所の紀要として学内外に発表が可能で、より広い公表が可能となっている。

 大学院での研究といえば、研究室に閉じこもってばかりというイメージがあるが、小尾敏夫教授のゼミは、そうした既成概念にとらわれない直接対話型のゼミを行っている。

 研究活動というフィールドに人と人との直接的な対話が加われば、自ずと研究自身に奥行きが出てくると言えよう。小尾教授はそういった講義を行う教授の一人である。

(2002年12月12日掲載)


現代マーケティング研究
  〜恩蔵ゼミの財産は「人」である〜

プレゼンテーションを経て
プレゼンテーションを経て
商学部3年 武蔵 酉介

 恩蔵ゼミの財産は「人」である。マーケティング界の権威・恩蔵直人教授、偉大な先輩方、そして、ライバルである同期など、ゼミに関係する各人がこのゼミを創っていると感じる。

 恩蔵ゼミの特徴と言えば、「学生の主体性」という一言に集約できよう。このスタイルは、ゼミ生の意識の高さ、さらには、恩蔵先生のゼミ生に対する信頼の象徴となっている。

 それでは、具体的な活動内容を紹介したい。活動は、本ゼミとサブゼミ(ゼミ生のみの活動)に大別できる。前者では、論理的思考を鍛えることを目的に、マーケティングに関する諸理論の研究発表、ケース・スタディ等を行っている。そして、後者では、本ゼミで学んだことを踏まえ、創造的思考を鍛えることを目的に、製品開発(春学期)、電通学生論文(秋学期)等に取り組んでいる。製品開発では、私は化粧品班に所属し、資生堂へのヒアリングなどを通じて、中国限定の化粧品ブランドを開発し、先日の合宿で、プレゼンテーションを成功させた。また、現在活動中の電通学生論文では、「ブロードバンドは広告をどう変えるか」というテーマの下、自由闊達な意見を日々闘わせている。結果の方は、後日、この『早稲田ウィークリー』の誌面を通じて、お伝えできれば幸いである。

 右記のように、ゼミの差別化のポイントを「創造的思考」と捉え、サブゼミで自由な発想を闘わせていることも、このゼミの特徴と言えよう。

 今回、この記事の執筆にあたり、「マーケティングの面白さ」について再考してみた。自分なりの答えは、「実際の企業が採った、いわゆる成功戦略が、本当に最善かどうか分からないから」。このゼミには、自分の意見を持った人が多い。この記事の執筆中にも、他のメンバーに、上記について質問をしたら、何て答えるだろう、と考えてみた。おそらく、同期23人それぞれが、個性的な回答を持っているであろう。やはり、恩蔵ゼミの財産は「人」である。そう感じた。
ゼミ生集合写真@春合宿
ゼミ生集合写真@春合宿

(2002年12月12日掲載)


貞廣彰ゼミ 〜学生の自主性に任せるゼミ〜

笑顔がステキです
笑顔がステキです
講義というより対話中心で授業は進む
講義というより対話中心で授業は進む
政治経済学部4年  松本 幸一

 私たち貞廣ゼミは現代日本の経済政策等、マクロ経済学を学ぶゼミである。結成三年目ということもあり、授業の形式、内容とも固定されたものではなく、先生と学生の対話の中から決まることもある。自由であり、自主性を重んじるゼミである。卒論のテーマは経済に関することなら何でもあり(例えば不良債権について、不動産関係、財政政策に関して、等)。

 今年の夏合宿も、卒論の中間発表やディベート等いわゆるゼミ合宿という形式はとらず、学生同士、先生と学生との交流の場という位置付けで行った(一泊二日、観光、宴会メイン。旅行の色彩強し)。これは私たちの提案によるものであり、来年以降は、また学生同士、学生と先生の話し合いで決まると思う。

 貞廣先生は学生それぞれの生活、自主性を尊重してくれる先生であり、個性を認めてくれる方だと勝手に思っている。気さくな先生であり、学生の他愛のない話にお付き合いしていただいている。もちろん経済に関する知識は半端ではなく、授業でも飲み会でも興味深い話をしていただいている。ちなみに横山やすし似である(個人的見解)。

 現在、所属ゼミ生は男十八人、女二人であり、和気藹々と活動している。資格を目指す者、サークル中心の者、バイトに精を出す者、趣味に生きる者等多種多様であり、それでいてゼミにはそれぞれしっかりと参加している。課題が膨大で強制的にゼミに多くの時間を割かなければならないということはない。深く掘り下げたいテーマがある者はそれぞれでやっているし、それに対して先生には最大限協力していただいている。自分次第で多くのものを得ることができるゼミではないかと感じている。

(2002年12月5日掲載)


理論研究「音声・音韻論」と実践研究「音声教育実践研究」
 〜理論と実践の充実〜

戸田貴子先生
授業に熱がこもる「音声・音韻論」の戸田貴子先生
授業は終始なごやかに進められる
授業は終始なごやかに進められる(左から2人目が筆者)
日本語教育研究科修士課程1年
  姜 蓮華


 毎週木曜日の朝9時、(まだ眠い時間!)22号館の201号室にはまだ目覚めたばかりの顔をした学生が一人ひとり集まってくる。皆、音声に深い興味を持ってこの授業を取っている受講生だ。

 朝早い時間にも関わらず40人ほどの受講者の高い出席率はこの授業の人気を語ってくれる。目覚めたばかりの顔も、先生のきれいな声で講義が始まる瞬間、いきなり真剣な目に変わる。授業が進んでいくにつれて皆楽しみながら耳を傾ける。

 この授業では、日本語の50音図をはじめモーラ、アクセント、イントネーション、プロミネンス、ポーズなどの理論的な知識を深めていく。

 日本語の音声・音韻に関する理論的な知識を得ることや、普段耳でしか接したことのない音声器官の「声門」とか「声の振動を表すスペクトログラム」など、視覚化されたものを見たり、いろいろな国から来ている留学生の母語を実際に聞くことで母語別の音声特徴が把握できるのも魅力的である。

 また、自分で考えて取り組む形の課題を行い、その結果をグループの中でディスカッションしたり、皆の前で発表することで知識の共有を図ることもできる。そしてこの授業で学んだ知識は、毎週火曜日の音声実践研究にも活用される。

 「音声実践研究」は、「日本人のような日本語を話したい」という目標を持って、世界中のいろいろな国や地域から来ている学習者を私たち大学院生がアシスタントになって直接発音指導を行う。

 授業の内容に関しては、担当を決めて事前に指導方法などを発表し合い、さらに先生のコメントを頂いてから発音Aのクラスに入る。日々上達している学習者の発音を聞いていると、やりがいも感じられる。このように理論で学んだ知識を実践にすぐ活用できるカリキュラムが設けられていることもメリットである。

 「音声」という言葉を耳にすると「難しい」と思いがちであるが、もし、「音声」に興味を持っている人がいたら、ぜひ薦めたいと思う。

(2002年11月28日掲載)


激動するアジア近隣諸国との関係を考える
 〜講義「アジアの中の日本論」について〜

ゲストスピーカーを紹介する後藤乾一先生(左)
ゲストスピーカーを紹介する後藤乾一先生(左)
講義を熱心に聞き入る学生
講義を熱心に聞き入る学生
アジア太平洋研究科修士課程2年
 加山登之


 「アジアの中の日本論」という講義の目的は、近現代日本と近隣アジア諸国との関係における政治・経済、文化的基本構造と動態を近年の先行研究のクリティカルな検討により明らかにすることである。講義形式としては、毎回、教授を中心とし、受講者の積極的な報告・討論を両軸として演習形式で進行していく。「アジアの中の日本論」という講義名に示されるように、日本をアジアという地域的枠組の中で位置付けし、その中で、21世紀のアジア太平洋地域における日本の関わり方を自分なりに考察できるのである。この講義には韓国や中国などのアジアからの留学生も多く参加しており、彼らを交えてのディスカッションを通じ、現代の生のアジアの動態を把握することができる利点もある。それに伴い、アジアからの留学生との知的交流を深めることも可能となる。

 また、各分野の第一線でご活躍中の方々をお招きし、ご講義頂くことにより、アジア圏に対する自らの見解を広めることもできる。

 10月24日の講義では、三菱商事ジャカルタ支店次長様をお招きし、現在、激動しているインドネシアの政治経済情勢や自らの体験に基づいた当地域についての貴重な報告を受けた。このように、われわれが日本ではなかなか知り得ないアジア諸地域の現状、しかも今まさに国際的に注目されている事象に関して生きた情報を得るには、この講義がまたとない機会となるであろう。以上のような点から、本講義「アジアの中の日本論」は、アジア地域の特定の国、アジア太平洋地域の国際関係に興味関心のある方は勿論のこと、日本近現代史に興味がある方にも、ぜひお薦めしたい講義である。

(2002年11月21日掲載)


上村達男ゼミ 〜我が上村ゼミ虎の巻

ゼミの発表中。ゼミ生のまなざしは真剣だ
ゼミの発表中。ゼミ生のまなざしは真剣だ
写真左端がスマイリーな上村先生
写真左端がスマイリーな上村先生
法学部3年 磯部優幸

一、上村ゼミ総則
 まず、上村ゼミの内容は今年度については会社法を中心としたゼミ生の発表になっている。昨今、商法大改正に伴い会社法も大きく変化を遂げた。私たちは、これらのいわゆる改正商法についての研究を中心に会社って何だ? 株式と会社との関わりってどうなってるの?といった根本的なことをはじめ、TS(トラッキングストック=子会社連動株式)、ETF(株価指数連動型投資信託受益証券)なる一般人はあまり見かけないような神秘的な内容?なども取り扱っている。
 とはいえ、ゼミ生全員が最初からこのように難しい内容を、理解しているわけではない。私たちがこのような内容を習得していく過程には上村達男先生の論理的かつ分かりやすい説明があるからである。一つの質問を先生にすると「プラス5」の回答を論理的かつ分かりやすく用意して下さる。先生の脳はまるで四次元ポケットのように底が深い。

二、上村ゼミ各論
 次に、上村ゼミにおけるキャラクターの特徴について少々述べたいと思う。まず、当ゼミの誇りである上村先生についてであるが、なんと言っても有名人である。試しにネット検索で「上村達男」と調べると、ヒット件数が300も出てくるから驚きである。そもそも、先生は会社法、証券取引法についての研究を長きにわたってやっておられ、近年は、公開会社法制についての第一人者的存在となっている。
 こんな凄い先生であるが、性格はいたって温厚でありいつも微笑みを絶やさない、スマイリーな様相である。そのため、上村ゼミに集うゼミ生はみな温和でゼミはいつもアットホームな空気に包まれている。
 最後になるが、会社法、証券取引法について興味がある人、上村先生個人に興味がある人、アットホームなゼミを探し求めている人…など、上村達男ゼミにぜひ来てほしい。

(2002年11月14日掲載)


公共政策研究ゼミナール(縣公一郎先生)

(株)OKIDO本社にて、企業誘致についての説明に聞き入る縣公一郎先生とゼミ生
(株)OKIDO本社にて、企業誘致についての説明に聞き入る縣公一郎先生とゼミ生
政治経済学部3年  竹村 浩希

 公共政策研究の対象はもちろん政府・行政の活動が主となるが、今日では民間アクターも政策形成において欠かせない要素となっている。私たちのゼミでは各ゼミ生がそれぞれ関心のある国・地域と政策領域を取り上げて研究に取り組んでいる。お互いの研究成果を毎回のプレゼンテーションで共有することを通じて、公共政策について学び、最終的に卒論を完成する。

 このように普段は各自が異なるテーマに取り組む個人研究を行うが、今年は前期から夏合宿にかけてゼミ生全員が一つのテーマに取り組む共同研究を行った。テーマは今年4月に実施された「名護市金融特区」である。これは法人税の減税措置やその他の規制緩和をすることで、金融関連企業を誘致しようという政策である。6月にゼミ生有志が沖縄に視察に行き、琉球大学を訪問したのをきっかけに、琉球大学の徳本穣ゼミと、立命館アジア太平洋大学の近藤健彦ゼミと合同で夏合宿を行うことになった。私たちは各国の特区政策、沖縄振興政策の歩み、産業構造・基地問題などのグループに分かれて、ゼミ以外の時間を使って研究・調査を行った。9月に3泊4日のスケジュールで行った合宿では、3大学総勢60人を超える学生が集まった。県庁・名護市役所・(株)OKIDO・沖縄税関などでフィールドワークを行い、3日目には一般参加も受け付ける公開シンポジウムを琉球大学で開催。前半は3大学がそれぞれの研究・調査の成果発表を行い、後半はフリーディスカッションを行った。成果発表では、まさに進行中の政策について一つの提言を行い、ディスカッションでは各学生の意見をもとに、金融特区や沖縄問題についての有意義な意見交換ができた。生の公共政策をごく身近で体験できたこと、さらに他大学生と親睦が深められたことが、合宿の大きな成果であった。

 11月3日の早稲田祭では遠隔会議システムで3大学(東京―沖縄―大分)を結び、最終研究発表を行った。

■縣ゼミホームページ
【URL】http://www.pprswaseda.com
名護市役所にてヒアリングを終えた後の市役所訪問グループ
名護市役所にてヒアリングを終えた後の市役所訪問グループ。背景は名護市庁舎、3大学の学生がともに行動している

(2002年11月7日掲載)


オレゴン大学夏季留学準備プログラム

担任のアイリス先生、現地の学生ジョールと教室での1コマ
担任のアイリス先生、現地の学生ジョールと教室での1コマ
オレゴン州は自然が豊かで、中でもホワイトフォールは印象的だった。
オレゴン州は自然が豊かで、中でもホワイトフォールは印象的だった。
〜オレゴン大学での日々〜
法学部4年 松舘 誠

 これから、オレゴン大学夏期留学準備プログラムについて紹介しようと思う。その名のとおりこれから交換留学など長期留学を考えてる人が、参加者のほとんどなのだが、僕みたいに4年生で、残りの学生生活を十分楽しみたいという人にも、お勧めできる。

 プログラムの概略は、8月1日から22日までの3週間で、オレゴン大学内の寮で生活して、月曜から金曜まで、みっちり授業を受ける。授業内容は大きく分けて、担任のアイリス先生が担当する英会話、講義形式のものと、レズリー先生が担当するコンピュータースキルのものから成る。とにかく両方とも内容が濃いが、アットホームな雰囲気で楽しい。アイリス先生の授業では、3秒ルールといって、先生の質問に対して3秒以内で答えなければいけないのだ。講義形式といっても、ただ聞いていてはだめで、常に自分はどう考えるか、疑問点は何か言う相互形式の授業である。これに慣れれば、将来長期留学しても、心配ないくらいの度胸と英語でものを考える力がつくと思う。個人的には、自分が法学部とということもあり、ナイキの創始者のフィル・ナイトが卒業生であるオレゴンロースクールの教授が講義をされたのが印象的だった。将来は海外のロースクールで勉強したいと強く思うきっかけとなった。

 週末は現地の学生コーディネーターとオレゴンコーストで乗馬したり、スミスロック国立公園で登山したりと夏のオレゴン州の大自然を満喫できるアクティビティーに出かける。その他にも、いっしょにサッカーやったり、カフェで話したり、現地の学生と交流する機会も多く、なぜか僕よりドラゴンボールに詳しいスティーブみたいな愉快な友達もできたりする。

 最後に、僕にとって一生記憶に残るぐらい、素晴らしい夏の思い出ができたこのプログラムに、この文章を読んで、少しでも来年参加したいと思ってくれれば幸いである。


展望台からオレゴン大学を一望

週末、ナイキショップで買い物(筆者は2列目右から2番目)

オレゴンの夏〜キャンパスに溢れていたもの〜
社会科学部2年   滝 美穂

 多くの人が抱くアメリカの大学のイメージは、課題が多く、学生は真面目だというものではないだろうか。実際にアメリカの大学で3週間を過ごしてみると、確かにイメージどおりであった。

 クラスの人数が17人と少人数であったせいもあり、授業中に居眠りのできる雰囲気は全くなかった。そして、私たちは常に先生とコミュニケーションをとることが求められた。「アカデミック・スキル」の授業で先生がいつも強調していた事は、"3秒間以上の沈黙は禁止"ということだ。そのためアメリカ人の学生との「会話」の授業でも、会話中に沈黙が生じると3秒間数える癖がつき、沈黙に対してプレッシャーを感じるようになった。だがこのプレッシャーが、会話を弾ませるテクニックへと結びついていったのかもしれない。やはり宿題は毎日のようにあったし、プレゼンテーションの準備も思いがけず手間と時間がかかった。

 しかし、こんな忙しい毎日にストレスを感じていた者はおそらく一人もいなかった。なぜだろうか。それは、緑溢れる広大なキャンパスや快適な気候のおかげもあるだろうが、私は先生方の笑顔があったからだと思う。先生方は、私たちが決して緊張することのないよう、いつも笑顔で勇気付けてくれたり、冗談を言ってクラスの空気を和ませてくれたりした。そんな先生方の笑顔に、私たちもリラックスして応えようとしていたのかもしれない。最後のお別れの時でさえ、先生方は笑顔だった。決してさよならは言わず、いつものように笑顔で「see you」と言ってくれた。

 3週間ものあいだ、私たち17人に絶え間なくあった笑顔は、先生方からもらったものである。その笑顔を、日本にいてもこれからもずっと、忘れないでいたい。

(2002年10月31日掲載)


建築計画概論

建築家 鈴木了二先生
建築家 鈴木了二先生
芸術学校2年  外越 裕之

 建築計画概論は、学生に非常に人気のある授業で、出席率も他の授業に比べて高い。この授業において、何を学ぶかといえば、建築を計画していくときに有用な知識、そのプロセスを身に付けるとともに、豊かな感性を身に付けるところにあると思われる。そして、同時に建築家・鈴木了二像を掌握するのに貴重な機会である。

今年の授業は、2001年に鈴木了二先生が出版された『建築零年』をもとにして組み立てられている。その概要は、図面の持つ意味、理論的に重要なコーリング・ローの『コラージュ・シティ』に基づいたボイド・マッスの考え方等が説明された。そして、あるテーマ、例えば柱と壁の関係はいかにあるべきか、といった命題を説明するために、幾つかの建築がスライドによって説明された。その内容としては、ミース・ファンデル・ローエの「バロセロナ・パビリオン」、ルイス・カーンの「ソーク生物学研究所」、アルヴァ・アアルトの「セイナッツァロのタウンホール」、ル・コルビュジエがラトゥーレット修道院を設計する際に参考にしたといわれている南仏のロマネスク様式の「ル・トルネ修道院」、ル・コルビュジエの「ラトゥーレット修道院」、イタリア人建築家テラーニのいくつかのプロジェクト、についてである。

 なぜこの授業が非常に人気があるのかを考えてみると、第一には何を伝えようとしているのかが明確にあり、授業の内容自体があらかじめ十分に計画されているということである。第二に、すべての資料が鈴木了二先生のオリジナルであるということである。特に、写真のスライドはすべて先生自ら撮影され、選択されたものでそれ自体も素晴らしかった。第三に、そして何よりも先生自ら楽しんで授業をされていることだ。先生の熱い思いをひしひしと感じることができる。
熱心に聞き入る学生たち
熱心に聞き入る学生たち

(2002年10月24日掲載)


「心理療法A」演習 〜実践、体得する心理療法〜

いつも朗らかな越川先生
いつも朗らかな越川先生
3、4人に分かれてのグループ討論
3、4人に分かれてのグループ討論(筆者は右端)
第二文学部3年 松波 恵司

「心理療法」演習は二文の人気科目であり、登録は例年抽選となる。何年も挑戦し続けてようやく登録できたという人も少なくなく、人気のほどがうかがえる。2クラスに分かれているこの演習のうち、私が履修中の越川房子先生のクラスについてご紹介しよう。

 演習科目ということもあって、内容はとても実践的。何を学ぶにせよ、とにかく受講生自身がそれを体験することが重視される。受講生自身が心理テストを受け、自分で自分の結果を分析したり、ビデオを見ながらリラックス法を習ったり、はたまた自己暗示や催眠術なんていう傍目に少々アヤしげなものを練習したりもする。小グループに分かれての討論や発表も随所で行われ、受講生の感想や疑問が賑やかに飛び交う。越川先生のテンポのいい授業展開に、教室はいつも和やかな雰囲気である。

 受講生は30名強。臨床心理士を目指す人もいれば、親しい人や自分自身のために学ぶ人もいる。社会人学生も多く、中には仕事に活かしたいという医療関係者もいる。日頃なかなか接する機会のない色々な人の意見や体験談を聞くことができて面白い。こうした部分は、幅の広い学生層をもつ二文ならではの特長であろう(ちなみに、噂を聞きつけて「モグリ」に来る学生も多い)。

 臨床現場での豊富な経験をお持ちの越川先生は、そうした幅の広い受講生一人ひとりに対し、状況に応じた丁寧な指導をして下さる。この演習では心理学に関する知識量よりも、心理療法を実践していこうという積極的な姿勢が求められているので、心理学専修の学生でなくても、難しくてついていけなくなるというようなことはないだろう。

 この演習では、心理療法を「理解」するだけでなく、実践を通して「体得」することができる。興味のある人は、機会があったらぜひ参加してもらいたいと思う。

(2002年10月17日掲載)


体育局シーズン実技 ヨット

沖での練習の様子。左端は指導するヨット部員
沖での練習の様子。左端は指導するヨット部員
第二文学部4年   市橋 淳子

 この夏、ヨットのシーズン実技授業に参加した。8月上旬、6日間の日程で行われた。開催地は湘南海岸・佐島マリーナである。石合担当教員と早稲田大学のヨット部の部員が指導に当ってくれた。
 初日はヨットの組み立てと部員による基本動作のシミュレーション。早く乗ってみたい。胸を弾ませた。合宿中は食事も講義もすべて班行動になる。各班にヨット部員が一人ずつ入り、実技生のまとめ役となる。班のメンバーはそれぞれ異なる学部からなっており、すぐに打ち解けることができた。
 次の日からヨット部員の丁寧な指導で、舵取りや帆の調整もできるようになった。桟橋からヨットを出艇させると素早く操作しなければならない。風と波を相手に一瞬も気が抜けない。テルテールという風見を見ながら、風上へと向かう。熱い波しぶき。爽やかな南風。絶好のコンディションで練習をすることができた。
 陸に上がると、もう一つ大事な練習がある。最後の晩に開かれる親睦会での出し物「班芸大会」だ。近所の駄菓子屋に行ってはアイスクリームを食べながらの練習となった。これもまた面白かった。
 宿泊先はリゾート並みの設備で、食事も美味しく、温泉付きの大浴場。楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
最後の練習日は班対抗レースを行った。上手すぎる者にはその場でペナルティを与え、応援歌を歌わせるなど楽しいレースだった。親睦会では猛練習の「班芸」を披露。大いに盛り上がった。
 昼間はヨット実技。夕方は班行動。夜は講義と充実した内容になっている。一人参加でも、すぐに友達を作ることができる。普段、なかなか接することの出来ないヨット部の人たちとの交流も貴重な経験だった。スポーツを通して人との触れ合い、この授業は私に多くの喜びを与えてくれた。
班対抗レースが終わった後の集合写真
班対抗レースが終わった後の集合写真

(2002年10月10日掲載)


齋藤美穂ゼミ〜色とりどりの実験室への招待〜

人間科学部4年 十河 奈津湖

 齋藤美穂先生は、そのエレガントな外見にぴったりの「色彩学」を専門とする環境心理学の教授であり、齋藤ゼミでは、先生の講義であらかじめ勉強した色彩学、認知心理学、環境心理学などを踏まえ、ゼミ生が各自でテーマを設定し、自ら立てた仮説を検証するための実験や調査をしている。ゼミ生たちの持ち込むテーマは非常に多岐にわたっていて、ゼミ生が先生の指導の下、それぞれのやりたいように研究を進めており、それが齋藤ゼミの何よりの特徴と言えるであろう。
 もともと、色彩学を含む環境心理学について勉強したくて、齋藤ゼミに来る人が多いので、色彩嗜好や色彩効果について研究する人が多いのだが、その中でも言葉や音楽、映像、香り、皮膚感覚と色彩を絡めるなど、ユニークな研究をしている人も多い。また、色彩とは離れ、広告や住宅などのデザインに対するイメージ調査に主軸を置く人や、ブランドイメージを意識調査のような形で研究する人もいる。
 これらの研究は、ゼミ生一人ひとりの個性を非常によく映し出しており、どれも興味深い内容ばかりなので、研究の中間発表を聞いたり、OBの先輩の論文を読んだりすることがとても楽しい。夏季に行われるゼミ合宿では、3、4年ゼミ生全員の研究計画発表を一度に聞くことができ、よい刺激になる。また、合宿中のボーリング大会や飲み会では全員が一丸となって騒ぎ楽しむので、学年を越えて仲良くなっている。
 論文提出も近くなると、ゼミ室はカラーチャート、PhotoshopやIllustratorで作った色鮮やかな刺激などでごった返し、ゼミ生が部屋に入ってきた仲間を捕まえては、お互いに実験をし合っている。まさに、「色とりどりの実験室」である。
 齋藤ゼミの実験は、一度被験者を体験しただけでも興味をそそられるような内容ばかりなので、ぜひ一度齋藤ゼミ生の論文を読まれることをお薦めしたい。
毎年夏に行われる合宿にて
毎年夏に行われる合宿にて(筆者は前列左端)

(2002年10月3日掲載)