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(24)フランス Laurent Mabesoone (ローラン マブソン)さん

Laurent Mabesoone (ローラン マブソン)

小鳥来て大隈像の足もとに

■ Laurent Mabesoone (ローラン マブソン)さん
フランス・南仏タルヌ県出身。パリ大学大学院日本文学科修士課程修了。パリ大学大学院博士後期課程在籍。日本政府国費留学生。俳文学・比較文学専攻、博士論文「俳諧の比較文学的考察−一茶とクローデルを中心に」を準備中。早稲田大学教育学研究科博士後期課程1年在籍。指導教授:堀切實。俳号 マブソン・青眼。
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戸倉の古い酒作りの工場にて1句ひねる
戸倉の古い酒作りの工場にて1句ひねる  写真:Udo Erich Wiedner
 10歳の時兄がボードレールの「旅への誘い」を読んでくれて、詩について興味を持ち、詩人になろうと決意しました。17歳でアメリカに留学したいと母に相談したら、「あまり留学に行かないような国に行きなさい」と言われ、結局日本に1年交換留学しました。それまでは日本について何も知りませんでしたが、俳句と剣道に出会いました。高校の図書館に芭蕉の英訳があり、自分でフランス語で書いてみようと思いました。しかし、フランス語にも季節を映し出す言葉はあっても、日本の季語のようなその語の以前使われていた時の美しさや余韻を踏まえるという現象はありません。フランス語でうまく表現できないのはなぜかとずっと悩んでいました。96年コートダジュールで日本語ではじめて「橙(だいだい)の花にひかれて母の海」という句が浮かんだのです。これがきっかけで日本語で俳句を作りたい、日本でゆっくり勉強したいと思いました。

 来日後長野冬季オリンピックで「俳句でおもてなし」など国際交流の仕事をしました。妻は日本人で長野オリンピックのクリスマスコンサートで知り合いました。私はバッハを歌い、彼女はピアノ伴奏をしました。今、長野に住んでいますが一茶記念館や一茶ゆかりの里があり、実際に触れて見てみないと分からないことも多いので、長野に住んでることはプラスになります。

 早稲田の大学院では、佐藤和夫先生の紹介により堀切實先生の下で国際的・学際的研究をしています。最近、日本の学会誌や岩波の『文学』などに寄稿をするのもできました。研究はおもしろくて新しいものを発見する刺激が好きです。これからも日本で俳句の比較文学、表現の問題から見た韻文学での俳句の位置付け、西洋詩との共通点・相違点を考察する博士論文を書いて、フランス語との比較文学・文化を研究していきたいです。また、『俳句朝日』の1月号に5句と「俳句の国際化」という座談会も掲載されますので、ぜひ読んでみてください。

 パリ大学と早大の相違点は、早大中退はもてはやされて、パリ大学中退はかっこよくないという点ですね。これは良くない。卒業がもっと大変であれば、早稲田の人気は落ちないで、評価も上がるでしょう。日本の高校ではフランスよりも勉強させられるかもしれませんが、受験勉強にすぎません。僕は早稲田が大好きです。東大のような変なプライドもないし、慶応のように変に気取ってもいない。頭が良くて自由な発想の人が多い。これから個性を持った人が大切なので早稲田の重要性も増すでしょう。

 パリで好きな所は、ノートルダム寺院の後ろのサン・ルイ島、そこからセーヌ川を渡り、トゥールダルジャンを通るとパリ第7大学の日本語科の建物が現れ、さらに東に行くと19世紀のパリの風車があり、近くにはミッテラン図書館があるあたりです。
 

(2001年11月22日掲載)

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