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STOP! Sexual Harassment


 今年春、新年度の開始とともに配られた『STOP! Sexual Harassment−基礎編』と題した紺色のパンフレットを覚えているだろうか。読まずに捨てた人、読んだけど記憶の彼方という人はもちろん、全学生の皆さんに、セクシュアル・ハラスメントのない環境作りへの協力をいま一度お願いする。
 今回の特集では、本格的活動開始から3年目を迎えた本学のセクシュアル・ハラスメント防止活動について、7月に出された『2000年度早稲田大学セクシュアル・ハラスメント情報委員会活動報告書』の内容も含めて一部紹介し、皆さんがこの問題を改めて考えるきっかけとしたい。
 なお、『活動報告書』を見たい場合は学部・大学院事務所まで。中央および戸山図書館では閲覧・貸し出しもできる。


増加した苦情相談件数
 2000年度の相談活動は申込総数80件で、昨年の45件を大幅に上回る件数となり、この活動が学内で認知度を高めたことの表れと評価できる。中でも来所外相談が非常に増加しており、セクシュアル・ハラスメントにかかわる問題は、とりあえず委員会に相談してみようという意識が広がっていると言えよう。
 その一方、苦情処理手続へと進んだ件数は減少しており、相手方との紛争調整を必要とするほどのケースが減ったことを示している。
 内容としてまず目立つのはストーカー的付きまといに関連する苦情で、来所相談の約半数にのぼる。本学での対応だけでは解決が難しく、他機関・専門家との連携の必要性が高くなっている。
 また、セクシュアル・ハラスメントを身体的接触を伴うものと狭く解釈していることが多く、言葉や視線など、それ以外の行為でも相手を傷つける可能性があることの認識を欠いているため、それらに対する訴えも多い。
相談件数受付数一覧*( )は昨年度
摘   要件数
来所外メール13 ( 2)
電話26 (12)
手紙3 ( 0)
小計42 (14)
来 所予約するも来室せず4 ( 0)
心理専門相談員との面談で終了19 ( 9)
苦情処理へ15 (22)
小計38 (31)
合   計80 (45)


新たな活動も展開
 3年目を迎えた情報委員会では、今までの経験を踏まえて新しいアクションを起こしたのでいくつかを紹介しよう。
  1. 各箇所のセクシュアル・ハラスメント受付窓口担当者の協力を得て、女性の視点に立ったキャンパスの防犯・安全点検を実施し、建物数にして約20、場所で約40に及ぶ問題点を指摘した。この結果を受けて今年3月、対策の実施と今後の施設整備の際の検討条件の要望を総合企画部へ提出し、現在、女性用トイレに防犯ブザーを設置する等の改善が順次進んでいる。
  2. 委員会のホームページ(http://www.waseda.jp/shj/index.html)を全面改訂。委員会室に備えている図書やビデオなどの資料紹介も充実している。これらの資料は学内者であれば閲覧等が可能。
  3. 現在、すべての大学院生と助手を対象に「大学におけるセクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」を実施中(11月末日締切)。各研究科事務所に用紙があるので、ぜひ協力を!!
  4. 今春、全学部および両高等学院の教授会等に委員が出向き、セクシュアル・ハラスメント防止に対する認識を深めてもらうための説明を行った。未実施箇所についても今後順次行っていく予定。
  5. 意識啓発および相談窓口の広報を目的としてポスターを作成し、学内各箇所に掲示を依頼。
自分の問題として
 そもそもセクシュアル・ハラスメントとは何か。きちんと分かっている人はどのぐらいいるだろうか。本学のガイドラインでは、「優越的地位や継続的関係を利用して行われる相手方の意に反する性的な言動によって、相手方に不利益を与えたり、不快感を与えて、就労就学や教育研究環境を悪化させること」と定義している。
 詳しい内容については、前文でも触れたパンフレット(情報委員会ホームページでも閲覧可)を是非見てほしいが、肝に命じてほしいのは、それが性差別であり、個人の尊厳を侵す重大な人権侵害だということだ。そして、セクシュアル・ハラスメントが起こる背景には社会に根強く残る性別役割意識(いわゆるジェンダー意識)や性差別感が存在する。自分では気がつかないうちにそうした意識にとらわれ、知らず知らずの言動が誰かを傷つけていることも少なくない。仮に相手を傷つけようという意識がなくても、セクシュアル・ハラスメントを受けた者にとっては、精神的・身体的に大きなダメージを受け、学業を断念したり、やむを得ず進路を変えざるを得なくなるという重大な被害が生じることさえある。深刻な問題であることを、認識する必要がある。
 今日を機会に、皆さんも自分自身のセクシュアル・ハラスメントに対する認識やジェンダー意識を改めて自己点検し、このことを自分自身の問題として考えてみてほしい。

「ある授業での取り組み」
情報委員会としての活動とは別に、学内のいろいろな場面でも取り組みがなされている。その内の1つ、教育学部「女性教育論」の授業でセクシュアル・ハラスメントを取り上げた辻智子先生の報告を紹介する。
 漫画やリーフレットを具体的な素材として見解を出しあう授業を行った。漫画では、いわゆる「女らしさ」を利用して単位を取得しようと男性教授に迫る女子学生が登場する。その是非をめぐり実体験を交えながら相対する意見が飛び交った。また、早稲田大学のリーフレット「STOP! セクシュアル・ハラスメント」99/00年版を配布し、他大学のものとも見比べながら気づいた点を挙げてもらった。他大学に比して早大のリーフレットは、コンパクトかつ図柄もシンプルで手に取りやすいと概ね好評だったようだ。大学で起きやすいセクシュアル・ハラスメントの具体例や早稲田大学での対応のあり方についての関心がやはり高かった。他方、リーフレットを初めて手にした、相談窓口を知らなかった、という学生もおり、広報活動の課題も感じた。


もっと知りたい人のために
○『キャンパス・セクシュアル・ハラスメント対応ガイド:あなたにできること、あなたがすべきこと』沼崎一郎著 嵯峨野書院 2001年(キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク東北ブロック代表として、10件の訴訟に関わってきた経験からまとめられた実践的な図書。外国人教員と留学生の章もある)
○『セクシュアル・ハラスメントのない世界へ:理解、対策、解決』東京女性財団編 有斐閣 2000年(マンガ、解説、情報で考える分かりやすい入門書)


気軽に相談窓口へ
 あなた自身が被害を受けたり、友人から相談されたら、気軽に相談窓口に連絡しよう。
 セクシュアル・ハラスメントかどうか分からないけどとりあえず話を聞いてほしい、といったことでも構わない。専門知識のある相談員が、相談者のプライバシー保護に細心の注意を払いながら対応してくれる。手紙、電話、FAX、E-mail、どの方法でも大丈夫。来室前なら匿名も可。
 相談だけで気持ちが落ち着いたり、納得できればそこで終了。相手方との調整を希望する場合は、苦情処理委員会による事実確認・調査、調整に入る。調整が不調に終わった場合、必要がある時には処分勧告手続きに移ることもある。
 これらの手続きの進行は相談者の意志を尊重・確認しながら慎重に行われるので安心して相談してほしい。
 また、大学の取組みに質問や意見がある場合には、手紙、FAX、E-mailで受け付けている。

相談窓口 セクシュアル・ハラスメント情報委員会室
【住所】〒169-8050新宿区戸塚町1―104 早稲田大学24−8号館2階
【開室時間】(月)〜(金)9:00〜17:00、(土)9:00〜14:00
*来室前に必ず電話をすること。
03(5286)9824(留守番電話機能つき)/FAX: 03(5286)9825
【E-mail】harass110@list.waseda.jp
【URL】http://www.waseda.jp/shj/index.html
※学部・大学院等の事務所にも、相談窓口への取り次ぎ役として担当者が置かれてる。専門家ではないので詳細な相談は受けないが、緊急の場合や相談窓口に行けない場合などには利用しよう。

(2001年11月15日掲載)

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