頑張れ!体育各部

No.920 Dec.7,2000
第6回 ワンダーフォーゲル部

ワンダーフォーゲル部の本質

 第一文学部2年・山澤 英三郎

 ワンダーフォーゲル部。謎が何重にも包み込んでいる。目立たないながら気づくと野球部やラグビー部と肩を並べる体育各部の一員でありながら、やっている内容のあまりの違いに肩身を狭くしている。何をしているのかが不明であるため、早稲田大学各地に散らばる部員たちはワンダーフォーゲルに関する正しい理解を得られず切ない涙を流していることだろう。ここではその謎を一つ一つほぐしていこう。

 第一の謎。ワンダーフォーゲルとは何か。ワンダーフォーゲルとはドイツ語で渡り鳥という意味である。ちなみに略称はワンフォーでもダーゲルでもなく、ワンゲルである。

 第二の謎。何をしているのか。鳥人間コンテストに出場しているのではない。活動のベースは縦走。山の峰から峰を歩く。三日も四日も山に入り浸り、風呂も入れずに、一日が歩くことと食うことと眠ることと出すことで終わる生活を過ごす。うわっと思うかも知れないが、下界(ほんとにそう呼びたくなってしまうのが驚き)のことをすべて忘れて、生きることだけに集中できる素敵な機会である。沢登り。滝に打たれ、水と戯れながら一気に山を登る。縦走が小説であるとすれば、沢登りは美しい一篇の詩である。自転車ツーリング。少し毛色が変わり、人が普通に生活しているところ(!)をツーリングする。日本の広さを知り、自分の知っている世界の狭さを知る。山スキー。リフトなんか使わない。自力で冬山に登り、そこから自分だけろんな活動を行っている。

 第三の謎。なぜ渡り鳥なのか。ワンゲルは活動内容を見ると、あまたのアウトドアサークルや山岳部、探検部と似通ったものに見えるかもしれない。しかし、それらの集団との最大の違いは名前に隠されている。渡り鳥は群れになり、美しい体系を形作りながら飛んでいく。そこにあるのは一つ一つの個がまとまりあって一つのことを成し遂げる美しさである。ワンゲルはさまざまな活動を通して、この美しさを追求する芸術集団であるのだ。

※写真:(上)北海道日高山脈縦走、(下)自転車ツーリング途中のスナップ