アジア文庫 2002年上半期
ベストセラーランキング アジア編 期間:2002年1月〜8月
ランキングを一覧してお分かりのように、タイは圧倒的な人気がある。10位までのうち、8点までをタイが占めている。この傾向は、ここ10年ほど変わらない。タイの首都バンコク在住の日本人や、旅行者がそれほど多いということだろう。
- 歩くバンコク ダコ編 ぷれすアルファ 2001年7月 905円
- タイの屋台図鑑 岡本麻里著 情報センター出版局 2002年2月 1,600円
- バンコク直送本 ダコ編集部編 ぷれすアルファ 2002年7月 1,500円
- タイ語のかたち 山田均著 白水社 2002年3月 1,300円
- さわやかタイ読本 クーロン黒沢 他著 太田出版 2002年1月 1,680円
- 旅の指さし会話帳 1 タイ 加川博之著 情報センター出版局 1998年3月 1,200円
- アジアほどほど旅行 下川裕治著 徳間書店 2002年4月 514円
- ばんばんバンコク よねやまゆうこ 他著 光文社 2002年2月 686円
- ウォンビン写真集 ドリーム・イン・ヘブン 青幻舎 2002年2月 2,500円
- タイ様式 前川健一著 講談社 2001年3月 695円
Review
Reviewは本学校友でアジア文庫店長の大野信一さんに書いていただきました。
- 『バンコク直送本』
- バンコクでは、日本人観光客や在タイ邦人向けの日本語雑誌がいくつも発行されている。『DACO(ダコ)』という雑誌もその中の1つ。月2回刊で、タイのインスタント麺を食べ比べたり、タイの携帯電話事情や、お菓子、ビール、薬を紹介したりと、毎回ユニークな特集を組んで、読者を楽しませてくれる。本書はその『DACO』から、主な記事を集めて編集されている。また、ランキング1位の『歩くバンコク』も、ダコの編集。1999年、バンコクに開通したBTS(高架鉄道)の各駅周辺を中心に紹介した、街歩きのためのガイドブックだが、他のガイドを圧倒してよく売れている。日本から取材に行って書かれた本が多い中で、現地発の情報は、より生活に密着していて、密度が濃いということだろう。
- 『アジアほどほど旅行』
- 下川裕治、蔵前仁一、前川健一、この3人の名前を知っている人は、旅と本が好きな人だろう。バックパッカーという言葉が一般的に使われるようになったのは、1990年前後からだろうか。この3人はバックパッカー世代以前から1人旅を続け、多くの旅行記を書いている。アジア文庫でも、彼らの旅行記はよく売れている。90年代以降のバックパッカたちの先駆的な著者たちである。「旅の御三家」と呼ばれるお三方もそろそろ50歳に手が届こうか、という年齢になった。本書は、40代も半ばを超えて、さすがにこれまでの貧乏旅行も辛くなったが、旅は止められない。おじさんにはおじさんなりの旅の楽しみがある、という中年旅行者の「ほどほど」旅行記である。
- 『ウォンビン写真集
ドリーム・イン・ヘブン』
- 人気タレントの写真集がベスト10入りというのは、アジア文庫創業以来の「珍事」である。ウォンビンは、韓国の人気俳優。2002年2月、深田恭子とテレビドラマで共演。放映直後に、アジア文庫のホームページへのアクセスが急上昇した。売上もネット注文が多い。
韓国関係の本は、これまで日韓間の歴史、社会に横たわるさまざまな問題に関わる本が出版されてきた。ところがここ数年、韓国のサブカルチャーに関する本が多く出版されるようになり、日本の中で韓国のポップスや映画に関心を持つ人も増えてきた。一方、韓国でも日本のポップカルチャーに惹かれる人が増えているという。両国間の若い世代で、ポップカルチャーという共通の文化が、過去のわだかまりとは別の所で芽生えているような気もする。「ウォンビン写真集」の好調な売れ行きはそんな流れの中の象徴的な現象のように思える。ただ韓国では、まだ日本の大衆文化は全面的に解禁されていないという現実もある。
(2002年12月16日掲載)
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