ま と め
この報告書は、2002年5、6月に実施した第21回学生生活調査の結果を分析しまとめたものです。
学生生活調査は前年度から、それまでの郵送方式によって隔年でなされていたアンケート調査を改めて、Web上の画面において毎年度アンケート調査を実施することになりました。今年度はアンケート項目を集約するなどの工夫をしたこともあって、回答してくれた学生は2,326人に増えました。今回の調査では、記述による自由回答を求める質問を最後にまとめて設けていますが、学生の大半はそうした質問にも積極的に答えてくれており、全体として回答内容は質の高いものになっています。この報告書の内容はまさに、現時点での早稲田大学の学生の姿と、それを取り巻く大学の状況を示しています。
言うまでもなく、学生にとって大学は何よりも、まず勉学・研究の場であり、9割を超える学生が大学の授業に興味があると答えています(1章2)。そして、8割近くの学生が、大学での勉強・研究は将来の進路に役立つと考えています(1章7)。具体的には、自分の進路のために現在必要とされている能力として、まず「学術的な専門知識」、「語学」を挙げており(4章4)、将来の進路のために現在している準備として、まず「学問・研究に励む」、「語学習得」、「資格試験対策」が挙げられています(4章2)。
学生にとっての不安・悩みの中心もやはり「進路・就職」であり、それが全体の3割近くを占めています(2章3)。不安・悩みの相談相手として「家族」よりもまず「友人」が挙げられており(2章4)、将来の進路についての相談相手にも同じ傾向が見られます(4章3)。実際、交友関係が充実していると感じている学生は8割近くに達しており(5章7)、やはり8割近くの学生が課外活動に参加しているか、または参加した経験をもっています(3章1)。課外活動が充実していると答えた学生は7割に近く(5章5)、さらに、大学生活において自由を満喫していると答えた学生は8割以上に及んでいます(5章6)。
もっとも、大学の授業に対する学生の満足度という点では、ほぼ満足と答えている学生は全体の3割強にすぎず、あまり高い結果は得られていません(1章2)。授業に対する期待がそれだけ高いことをこれは示しているとも見ることができるように思われます。実際、学生は大学に対して、何よりも「専門教育の充実」、「語学教育の充実」を期待しているのです(4章5)。授業内容あるいは授業方法についての教員の問題も指摘されています(6章4)。また、威圧感、不快感など、事務職員の学生に対する接し方の問題点も述べられています(6章1)。とはいえ、9割以上の学生が大学への愛着を示しており(5章1)、それだけに、ここでなされている指摘に大学は真剣に対応しなければならないでしょう。
いわゆるバブル経済の崩壊後、大学生も含めた就職難がいわれており、そうした状況は今後も続くと思われます。そのことは、しかし、大学を卒業していく者には、大学で何をして得たのかがますます問われるようになっていることを意味してもいます。そうした状況にあるからこそ、大学で勉強し生活することの意味はそれだけ重要になっているのです。大学自体も、そうした状況に真摯に対応することがますます求められています。
今回の学生生活調査では、そうした状況の中で、充実した交友関係を築き自由な大学生活を満喫しながらも、将来を切り開くために真剣に勉学に取り組む学生諸君の姿が浮き彫りにされています。そして、早稲田大学は、そうした状況の中でその本来の使命を果たすべくさらに変貌を遂げることがますます求められています。本報告書には、そうした大学にとって貴重な示唆となる事柄が随所にちりばめられています。
この報告書が、学生諸君にとっては自からが置かれている状況を確認する手段として、大学にとっては取り組むべき課題を摘示するものとして、充分に活用されることを願ってやみません。
