
私が体育教師を志すようになったのは、中学2年生のときにひとりの体育教師に出会ったことがきっかけでした。それまでは、体育の授業がとくに好きだったわけではなく、小学生の頃から続けていたサッカーだけは夢中になって取り組んでいました。中学ではJリーグのクラブチームに所属し、過酷なトレーニングをくり返す毎日でしたが、全国大会で優勝したことで、目標を達成することの喜びや感動を味わうことができました。しかし、サッカー以外のスポーツでは喜びや感動を味わった経験はほとんどありませんでした。ところが、私が出会った先生は、体育の授業を通して、さまざまなスポーツの面白さや目標を達成することの喜びを経験させてくれました。陸上競技でタイムが伸びたときや、器械運動で難しい技ができるようになったときの感動は今でも忘れません。そのときの感動が今の私自身を支えてくれていることから、「今度は自分が教師になって、スポーツで得られる感動を生徒たちに伝えたい」という思いで体育教師を志すようになりました。

早稲田大学へ入学後は、講義やゼミはもちろんのこと、学外での教育活動にも積極的に参加してきました。1年次は、新宿区内の中学校に教育ボランティアとして参加し、ティーム・ティーチングで体育授業のサポートを行いました。2年次は、キャンパスに近い小学校の体育サポーターに参加し、授業や休み時間のスポーツ活動の支援を行いました。
3年次には、ゼミ合宿の一環として群馬県で開催された体育授業研究会へ参加し、ワークショップや学校現場の先生方との交流を通して、教材開発や指導技術など多くのことを学びました。また、中野区の体育向上アシスタントにも登録し、中学校の体育授業において体力向上への取り組みも経験しました。これらの経験を通して、体育授業を行うための実践的力量を高める一方、子どもたちの学習意欲の低下やコミュニケーションスキルの欠如などといった学校教育にかかわる問題への対応の難しさを痛感しました。

私は、体育の授業を通して、友達同士が積極的にコミュニケーションを取り合う機会を提供したり、挑戦意欲がわくような教材を設定したりして、目標達成の喜びや感動を子どもたちに味わわせたいと思います。中学生という時期は、子供が大人になるための階段を手探りで上がろうとしている成長段階にあります。人間形成という意味ではきわめて重要な時期にあるからこそ、子どもたちが階段を踏み外さないようにしっかりと支え、楽しいこともつらいことも共有しながら、彼らの人間形成に貢献していきたいと考えています。私が中学のときの体育教師との出会いによって明確な目標を持って人生を歩むことができたように、今度は私が生徒から「三富先生に出会えてよかった!」と言ってもらえるような教師になることを目標に、これからも多くのことを学んでいきたいと思います。
2009.05.15 update