ゼミ紹介

国家―ダイナミクスプログラム

【日本社会の成り立ちを考える】 川尻秋生

現在の日本社会がどのように立ち現れてきたのかという点を解明するために、日本社会の特質について検討する。それには日本が置かれた国際環境や地理的条件を考えながら、時代をさかのぼって多様な事象を歴史学的に検証し、変化の原因を突き止めることが必要である。こうした作業は、現代社会に対して、異議申し立てを行う場合の有効な手段になると考える。本ゼミでは、発表と討論を大切にしている。自分で調べた内容を文字化しあるいは言語化すること、そしてそれらを批判的に討論することは、今後の人生にとっても大切な財産になると思う。

【近代アジア社会の形成】柳澤明
 

アジアの伝統社会が「近代的」に再編されていく過程を歴史的に検討する。その際、現在の価値観からみた物語を描くのではなく、同時代の人々の行動・言動に直接向き合う視点を大切にしたい。扱う地域は主に東アジアで、もちろん日本をからめることも可だが、日本の中だけで完結するようなテーマは本ゼミには向かない。新設ゼミなので活動実績はないが、日常の学生発表と討論以外に、一定期間は特定のテーマに関するグループワークを行い、学外実習(博物館参観など)を組み込むことを予定している。

【国際移民とヨーロッパの比較社会分析】 樽本英樹

1990年代以降急速に発展してきた脱国境・超国家的でグローバルな社会現象に対してヨーロッパ社会を中心に社会科学的な分析を行っていく。特に国境を越える人々の移動と、それに伴う社会問題を理解することを到達目標とする。文献購読や自由発表と共に議論の時間を中心に据え、学生の学修意欲を刺激するゼミを目指す。学修の結果、社会科学系の文献を英語で読みこなし議論できる技能を身に付けることができるだろう。

【近現代日本経済史】 森田貴子

今日の日本の社会における経済構造は、どのような歴史的経過を経て現れてきたのか。日本の経済発展の歴史的理解は、現代日本社会の構造を理解する上でも重要な要素である。本ゼミは、日本の社会構造について、経済と歴史の観点から、経済構造、社会構造について研究することをめざす。ゼミ活動を通じて、研究の方法、調査、発表能力を習得する。

【前近代日本の国家・地域・戦争】 久保健一郎

前近代は、ともすれば遠い昔話の世界に見えるかもしれない。しかし、現在は前近代からの積み重ねの上に成り立っているのだから、前近代が、現在にどのような繋がりをもち、またどのような断絶を経ているのかを知ることは、複雑な現在を知り、未来への指針を得るために、たいへん重要である。そこでこうした繋がり・断絶を多角的に追究し、理解を深めるため、このゼミでは日本の前近代について、国家・地域・戦争をキーワードとして検討する。

コミュニティ―創造プログラム

【コミュニティ論】 西城戸誠

フィールドワークを通じて、農業、再生可能エネルギー、福祉などの観点から持続可能な地域社会の創造に向けたさまざまな実践を考えていきます。参加学生が自由に調査テーマを設定し、1年を通して自らが調査を行い、論文としてまとめます(3年生はグループで、4年生は個人で実証研究を実施)。ゼミ合宿では、都市―農村交流を通じた関係人口の担い手になるフィールド経験を通じて、過疎地域におけるまちづくりの実態と実践を学びます。

【歴史実践とコミュニティ】 藤野裕子

「歴史実践」という観点から、おもにオーラル・ヒストリー(聞き取り)の手法を使って、過去の経験を聴く主体・語る主体の相互関係のなかで、歴史をどのように紡ぎ、継承していけばよいかを考えていく。ゼミの目的は、過去を明らかにすることだけではなく、その行為をとおして、現在のコミュニティや人びとに何らか関わりあうことにある。まずは、文献をとおして、オーラル・ヒストリーの手法や「歴史実践」という概念を学ぶ。そのうえで、各自の研究対象を、議論を重ねながら決定して、調査を実施する。

【文化遺産論】 田畑幸嗣

地域・都市の中の文化遺産のあり方について広く考えていく。都市の中の文化財の保存と活用の問題、身近な地域・都市の文化的景観の変遷と保存の問題など地域における文化遺産を取り巻く様々な事象に関してゼミ生と考えていく。早稲田周辺の文化遺産の実態を把握するとともに、その歴史的変遷を考察し、地域の中の文化遺産の保存や活用の具体的問題について具体的な提言プランを作成することを目指す。積極的な提言を実施していくことを目指す。問題点の抽出などを実施していく。また国内外の世界遺産(文化遺産)との比較研究も行う。

【メディアとシステム】 森元孝

Can We Live Together? を基本テーマにして、社会学、経済学、政治学、サイバネティックス、統計学の知識と方法を習得しつつ、参加メンバーがオリジナルの意見、理論を出し合い議論する能力を磨いていく。コンピュータを十分に使いこなすとともに、グループ・ワークを効率的にこなしていく。2年間の4セメスターそれぞれ個別テーマを設定する。過去3年間は、「資本主義」「京都議定書」「日本的経営」「原子力政策と日本の豊かな社会経済生活」「現代日本の民主主義とその将来」であった。新年度は「リーマンショックとEU危機」「ソニーとSONY」を予定している。年2回全員参加の合宿、月1回任意の定例会(懇親会)を行っている。http://www.f.waseda.jp/wienmoto/

グローバル社会―共生プログラム

【優生思想とジェンダー】 豊田真穂

現代社会における共生を考えるためには、わたしたちがふだん疑うことのない「常識」にひそむ矛盾や思いこみに気づき、それらを打ち破っていく必要がある。「適者」と「不適者」を選別する優生思想は20世紀初頭のイデオロギーだが、現代に生きるわたしたちも優生思想を内面化し、ある特定の生き方を強制されたり、「不適者」を排除しているケースがある。本ゼミでは、歴史をひもときながら、ジェンダーの視点から優生思想を考察する。

【自然・社会・サステナビリティ】 野孝子

グローバル社会の共通課題に着目し、構造的な視点からそれらが自身の日常や価値観とどう繋がっているかを理解していきます。自然と社会の共生について文献と討議を交えて考察を深めます。体験、実践的な学びを重視します。サステナビリティとは何か、どのような社会を目指すのか、自分が貢献できることは何かを掘り下げていきます。

【グローバル・アジア研究】 金敬黙

ゼミを通じて、グローバルな視点(日本、アジア圏内に限らず、世界におけるアジア研究の動向把握など)とローカルな視点からアジア(の特殊かつ地球的な課題)を探求します。すなわち、グローバル化時代におけるアジアの発展や変化、アジアの役割と課題などについて地域研究ならびにトランスナショナルな分析枠組みから探求し、私たちが暮らす足元の課題にも着目します。その過程を通じて、卒業研究などの成果に発展させます。

 

 

 

 

トップへ戻る