

掲載日:2012年1月13日

(左から)森田典正教授(国際教養学部長)、杉野浩史さん、安藤友馬さん、千叡智さん
「留学中はとにかく勉強漬けで大変だった。ただ、かけがえのない経験を得ることができた」。そう語るのは、早稲田大学のダブルディグリー・プログラム(※1)に参加し、シンガポール国立大学での2年間の留学を終えた杉野浩史さん(早稲田大学国際教養学部4年)。その瞳は、グローバルな舞台で経験を積んできた自信に満ち溢れている。
国際教養学部(SILS)の在学生の活躍が目覚ましい。2011年12月22日、こうした学内外で活躍する在学生を集めたディーンズランチ(SILS学部長との昼食・懇親会)が開かれた。先に紹介した杉野さんは、留学先で得た知見をもとに、2011年度「NRI(野村総合研究所)学生小論文コンテスト」に共著論文を投稿し、優秀賞を受賞した。論文タイトルは「『移民送出・受入社会』~多様性と日本人の誇りが共存する強い日本へ~」。約15年後となる2025年の日本を見据え、新しい社会の在り方について提言を行った。
韓国からの留学生である千叡智さん(SILS 4年)は、同じく「NRI学生小論文コンテスト」の留学生の部に、立命館アジア太平洋大学に在学する友人と共著論文を投稿し、佳作に入賞した。先進的な韓国の制度をヒントに、「日本型スマートコミュニケーション社会」の創出を提言。国民の政治参画に先端のコミュニケーション技術を融合させるという、新たな日本の姿を描いた意欲作だ。
もう一人のディーンズランチの参加者、安藤友馬さん(SILS
3年)は、フランス・リール政治学院での留学経験を活かし、公益財団法人日仏会館が主催する「フランス語コンクール大会」に参加し、見事、最優秀賞「フランス大使賞」に輝いた。東日本大震災後、若者の政治意識に変化が生じたことを敏感に察知し、「日本の若者と政治」をテーマに熱弁を振るったという。
三者に共通しているのは、海外に出て初めてわかる「自国の姿」に対する気付きであろう。異文化との接触を通じて、これまで当たり前だと思っていた自国の価値観に、まったく違う一面が見えてくる。あるいは、改めて自国の良さを再認識する。また、外国と比較することにより、自国の変化をより鮮明に捉えることができる――こうした発見力、自らを客観的・複眼的な視点から分析できる力は、多様性の中に身を投じることによって、初めて得ることができる経験知である。SILSの在学生は、こうした価値観念をしなやかに相対化できる知識と経験を、4年間の教育プログラムを通じて体得するのである。
その後もディーンズランチの会話は弾み、話はそれぞれの受賞経験のみならず、日本の経済政策、食糧自給率、多民族社会から韓流ブームに至るまで、話題は多岐に及んだ。政治、経済、歴史、国際関係、文化など、ジャンルを問わず知識を自在に操り、文字通りの「国際教養人」として活き活きと生きる、SILS在学生の実力を垣間見たひとときであった。
※1 早稲田大学ダブルディグリー・プログラムとは、海外校への留学を通じ、卒業時に早稲田大学の学位と相手大学の学位を取得できる教育プログラムのこと。プログラムの基本構成は、本学および相手大学とも、原則として既存の課程(カリキュラム)に基づいている。つまり、参加学生は留学する相手大学で相手大学の正規学生とともに机を並べて科目履修をし、定められている学位授与要件を満たすことが必要となる。