早稲田大学整数論セミナー    Number Theory Seminar at WASEDA Univ.

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2002 年度の内容  (コメントは講演者に書いて頂いております.)

2003 年 2 月 7 日 ( 金 )
講演者: 山内 卓也 ( 広島大学理学研究科 )
タイトル: J_0(N) の Q-simple factor について
アブストラクト: modular curve X_0(N) のヤコビ多様体 J_0(N) の Q-simple factor がすべて一次元すなわち楕円曲線となる level N をすべて決定した.
2003 年 1 月 31 日 ( 金 )
講演者: 金山 直樹 ( 早大理工 )
タイトル: 2 次元 Jacobi 多様体における等分多項式と乗法公式について
アブストラクト: 楕円曲線論における有名な結果の一つに「等分多項式を用いた乗法公式」がある. 複素数体上の楕円曲線の点は楕円関数で表現できるので, 楕円関数の乗法公式を構成する事で(複素数体の場合の)証明が可能である.
1990年に D.Grant が Y^2=(Xの5次式) 型の種数2の超楕円曲線の Jacobi 多様体の定義方程式・加法公式を明確に書き下したが, そこでは楕円関数の拡張に当たる超楕円関数を用いている. 本講演では超楕円関数の乗法公式を構成することによってGrantのモデルにおける等分多項式や乗法公式を具体的に与え, その応用についても触れる予定である.
2003 年 1 月 24 日 ( 金 )
講演者: 小松 亨 ( 東京都立大学 )
タイトル: 生成的多項式の分岐群について
アブストラクト: 生成的多項式の特殊化に付随する幾つかの問題を提起し, 橋本先生と三宅先生の結果のある改良として得られている陸名氏の巡回的多項式の場合についてその解を与える. 講演では, 分岐問題 (特殊化で構成される拡大の分岐群の計算) について詳しく述べる.
2003 年 1 月 17 日 ( 金 )
講演者: 坂田 裕 ( 早稲田大学高等学院 )
タイトル: On Kohnen-Zagier's Formula in Higher Multiplicity cases
アブストラクト: レベルが square-free とは限らない場合の Kohnen-Zagier の公式 (=“半整数ウエイトの保形形式のFourier係数の2乗と対応する整数ウエイトの保形L関数のcentral valueとの具体的な関係式”) について述べます. 特に, レベルの変化によって公式がどのように変化していくのかを, 重点的に説明する予定です. また, 時間が余れば, Jacobi形式への拡張についても説明したいと考えております.
2003 年 1 月 10 日 ( 金 )
講演者: 小松 啓一 ( 早稲田大学理工学部 )
タイトル: 実 2 次体の $Z_2$-拡大の $\lambda$-不変量について
2002 年 12 月 20 日 ( 金 )
講演者: 尾崎 学 ( 島根大学 )
タイトル: 非アーベル岩澤類数公式
アブストラクト: 非アーベル岩澤理論は代数体の最大不分岐p-拡大をZ_p-拡大を通じて理解 しようとするもので、最大不分岐アーベルp-拡大を扱う古典的岩澤理論の 拡張を目標としている。 岩澤類数公式は、古典的岩澤理論におけるひとつの大きな成果で、Z_p-拡大 K/kのn-th layer k_n上の最大不分岐アーベルp-拡大のガロワ群の位数の 挙動を、K上の最大不分岐アーベルp-拡大のガロワ群の不変量(岩澤不変量) を用いて表わすものであった。非アーベル岩澤理論においてもこの公式 の類似、即ち、k_n上の最大不分岐p-拡大のガロワ群G_nの降中心列商 X_n^{(i)}=C_i(G_n)/C_{i+1}(G_n) (C_1(G_n)=G_n, C_{i+1}(G_n)= [G,C_i(G_n)]) の位数をK上の最大不分岐p-拡大のガロワ群の不変量(高次岩澤不変量)で 表わす公式が成立するものと期待される。今までのところいくつかの特別 なZ_p-拡大と小さなiについて類数公式が示されてはいたが、一般性の 高い結果は得られていなかった。 今回、漸近公式 #X_n^{(i)}=p^(λ^{(i)}n+O(1)) (n→∞) λ^{(i)}:i次岩澤λ-不変量$ O(1):nに関して有界な量 がμ-不変量が0であるようなすべてのZ_p-拡大とi>=1に対して成立すること が示せたので、これについて解説する。
2002 年 12 月 13 日 ( 金 )
講演者: 陸名 雄一 ( 早稲田大学 )
タイトル: Constructive aspects of inverse Galois problem
アブストラクト: 博士論文公聴会として上記タイトルの博士論文について説明いたします. 内容は主に, 線型ネーター問題の肯定解から生じる“生成的多項式”の構成に関するものです.
2002 年 11 月 29 日 ( 金 )
講演者: 橋本喜一朗 ( 早稲田大学理工学部 )
タイトル: 楕円曲線の等分点と Q 上の二面体型方程式族
アブストラクト: 前半では方程式の(構成的)ガロアの逆問題と保型関数の 関連について述べる(この部分は, 10/18 の角皆宏氏の話の補足です). 後半で特に, 二面体群をガロア群にもつ Q 上の方程式族の構成についての結果を 話す.ここで用いる方法は, すでに Mestre が 80年代に実行して D_5 の(2 助変数) 生成的方程式族を得ており, また同じ手法で Washington, Lecacheux 等が 巡回方程式族の構成をしているので新しいものでないが, n=7,9,10,12 の場合に 比較的簡明な D_n 方程式族(生成的ではない)が得られたので報告する. 時間があれば, 楕円曲線の 5 等分点から ガロア閉包が X(5)/Q の関数体となる Q(j)上の超simple な 5 次方程式(ガロア群は PGL(2,5)=S_5)を導出した広瀬行夫氏 の結果('94年)についても触れたい.
2002 年 11 月 22 日 ( 金 )
講演者: 土屋 和由 ( 中央大学 )
タイトル: ある離散付値環上のスキームの $p^2$ 次不分岐巡回被覆の具体的記述について
アブストラクト: ある離散付値環上のスキームの $\mathbb{Z}/p^n \mathbb{Z}$-torsor, すなわち $p^n$ 次不分岐巡回被覆は Kummer-Artin-Schreier-Witt 理論 からcohomology 理論を用いて記述することが出来る. 現在,関口-諏訪によって一般の $n$ に関してKummer-Artin-Schreier-Witt 理論が定式化されているが,特に我々は $n=2$ の場合について $p^2$ 次 不分岐巡回被覆の具体的記述を与えた. また,$\mu_{p^2}$-torsor は line bundleと関係して幾何学的に重要な 対象であるが,我々は $\mu_{p^2}$-torsor からN\'{e}ron blow-up を 用いることによって$p^2$ 次不分岐巡回被覆の記述を与えた. 本講演では上に述べた結果に関する解説を行う予定である.
2002 年 11 月 8 日 ( 金 )
講演者: 椎名 建仁 (東北大学理学部)
タイトル: Regular Inverse Galois Problem for PSL_2(p^2)
アブストラクト: 非可解群, 特に非可換単純群に対するGaloisの逆問題は近年目覚ましい 進展を遂げている. 特に Braid Orbit Theorem (Matzat, 1991) は P^1 の分岐Galois被覆から得られるGalois拡大の定義体を, 群論的な 計算だけから求める方法を与えており, 様々な応用が期待されている. 本講演ではこの方法を用いて mod p で 2 または 3 が平方剰余でない 場合に PSL_2(p^2) が Q(t) の正則拡大のGalois群として実現できる ことを紹介する. なお, この結果はごく最近Dettweiler氏によって PSp_2n(p^2) の場合に拡張されている.
2002 年 11 月 1 日 ( 金 )
講演者: Manfred Peter (Freiburg 大学)
タイトル: Applications of Class Numbers
アブストラクト: In the first part of the talk I will review the distribution of class numbers of binary quadratic forms. The second part is devoted to the statistical behaviour of the eigenvalues of the Laplacian on hyperbolic surfaces of constant negative curvature. One fundamental conjecture in this field is that for surfaces generated by arithmetical groups the statistical behaviour is Poissonian. In the third part I will show how part of this conjecture can be proved with tools from classical analytic number theory.
2002 年 10 月 25 日 ( 金 )
講演者: 古庄 英和 (京都大学数理解析研究所)
タイトル: p進クリスタリン多重ゼータ値
アブストラクト: まずは、複素数体上の場合と同様にp進多重ポリログを 全平面にp進解析接続することから始める。このとき、p進多重ポリログには 無限個(連続濃度も)ブランチが派生してしまうのだが、特異点(s=1)での 極限値はブランチに依らない値になっている。これがp進(クリスタリン)多重ゼータ値 の定義である。これについていくつかいえたこと及び考えていることを報告する。 話の終盤では、この値が射影直線引く3点のp進クリスタリン基本亜群から やってきていることを解説する予定。
2002 年 10 月 18 日 ( 金 )
講演者: 角皆 宏 (上智大理工)
タイトル: 5次可移群に対するQ上の2助変数生成的多項式の構成
アブストラクト: S_5 の全ての可移部分群 C_5,D_5,F_{20},A_5 に対し、 P^1 上の 5 点配置への作用に基づいた統一的な方法で、 有理数体上 の 2-parameter generic polynomial を構成した。 このような性質を満たす多項式は個々の場合には知られているが、 同じ道具立てで全ての場合が簡明に得られること、 幾つかの場合で従来のものより遥かに簡潔な多項式が得られ、 今後の応用が期待できること、などの利点があると思われる。 (橋本喜一朗氏(早大理工)との共同研究を含む。) (草津数論小研究集会でも講演予定)
2002 年 10 月 18 日 ( 金 )
講演者: 角皆 宏 (上智大理工)
タイトル: 5次可移群に対するQ上の2助変数生成的多項式の構成
アブストラクト: S_5 の全ての可移部分群 C_5,D_5,F_{20},A_5 に対し、 P^1 上の 5 点配置への作用に基づいた統一的な方法で、 有理数体上 の 2-parameter generic polynomial を構成した。 このような性質を満たす多項式は個々の場合には知られているが、 同じ道具立てで全ての場合が簡明に得られること、 幾つかの場合で従来のものより遥かに簡潔な多項式が得られ、 今後の応用が期待できること、などの利点があると思われる。 (橋本喜一朗氏(早大理工)との共同研究を含む。) (草津数論小研究集会でも講演予定)
2002 年 10 月 11 日 ( 金 ) 【 大学院講演会 】
講演者: Manfred Knebusch (Regensburg Univ.)
タイトル: Generic splitting of quadratic forms
2002 年 10 月 4 日 ( 金 )
講演者: 星 明考 (早稲田大学理工学部)
タイトル: Multiplicative quadratic forms on algebraic varieties
アブストラクト: ベクトル空間上での乗法的二次形式の研究は Hurwitzに始まり, Pfister の研究(1960 年代)において体の level の概念や Hilbert の 第17問題などと結びつけられて発展を遂げた. 当講演では二次形式を 代数多様体 V⊂K^n 上で考察して「代数多様体上の乗法的二次形式」 という新しい概念を定義し, ベクトル空間上では非乗法的な二次形式が 代数多様体上では乗法性を持つ, という例を実際に構成する.
2002 年 7 月 19 日 ( 金 )
講演者: 山本 現 (早稲田大学理工学部)
タイトル: ある実2次体の岩澤λ_2-不変量と岩澤ベキ級数について
アブストラクト: pが奇素数のとき、分岐素点が1つのp次巡回体の 岩澤λ_p‐不変量が0になるための様々な十分条件が、 尾崎学氏との共同研究(p=3のとき)や栗原将人氏などにより得られている。 p=2の場合にも同様な方法を用いて、単数群と岩澤ベキ級数を用いた λ_2=0となるための十分条件を与えることができた。 証明の方法と共に、いくつかの計算例を紹介したい。
2002 年 7 月 5 日 ( 金 )
講演者: 金山 直樹 (早稲田大学理工学部)
タイトル: 種数2の超楕円曲線のJacobi多様体における等分多項式とその応用について
(内山成憲氏(NTT)との共同研究)
アブストラクト: 講演者が2000年5月26日に話した内容の続きとして,まず,前回の講演後に新たにわかった事などの前回話せなかった事から話す.次にこの等分多項式の応用例として,R.Schoofのアルゴリズムの2次元への拡張について話す.
R.Schoofのアルゴリズム(1985年)とは有限体$F_q$上の楕円曲線$E$について$E$の$F_q$有理点の個数を計算するものである.このアルゴリズムを高次元Abel多様体に拡張できることはPilaが示し同時に計算量の評価も与えた(90年).高次元への拡張に関しては,その後もAdleman-Huang(92年)等による幾つかの結果が知られている.また実装方面に関してはGaudry-Harley(2000年)による2次元の場合の結果がある.
本講演では,D.Grantが与えたJacobi多様体のモデル(90年)を利用して2次元の場合のSchoofのアルゴリズムを具体的に書く予定である.
2002 年 6 月 28 日 ( 金 )
講演者: 鍬田 政人 (神奈川工科大学)
タイトル: 楕円曲線の Mordell-Weil 群とその拡大体での変化
アブストラクト: 有理数体上の楕円曲線を一つ固定し、何らかの代数体の族を 考える。この族に属する体の上での楕円曲線の Mordell-Weil 群が どのような振る舞いをするかを問題にする。たとえば、代数体の族 としてすべての二次体をとると、Mordell-Weil 群が有限群になる 場合と無限群になる場合が半々になることが予想される。また、 ある種の巡回拡大のタワーをとると、ある段より先 Mordell-Weil 群 は一定になるといった予想もある。この講演では、二次体の代わ りに、三次、四次、五次の巡回体の場合についての結果について述べる。
2002 年 6 月 21 日 ( 金 )
講演者: 小澤 信太郎(中央大学数学専攻)
タイトル: Modular curve X_{split}(p) の有理点について
アブストラクト: いくつかの素数pに対してX_{split}(p)の有理点が存在しないことを 中央大学百瀬文之氏の結果と判定法を使用して証明することができた。 その際、使用したBrandt行列を使った計算例を紹介したい。
2002 年 6 月 14 日 ( 金 )
講演者: 小林 真一 (東大数理)
タイトル: Supersingular reduction をもつ楕円曲線の岩澤理論
アブストラクト: 楕円曲線の岩沢理論は、通常還元をもつ素点においては、1970年代にMazurに よりSelmer群とp-進L関数を結びつけるという形で定式化されていた。 しかし超特異還元をもつ素点においては、本質的に異なる現象が起きており、 Mazur流の定式化は知られていなかった。ここでは超特異な素点においても 楕円曲線の岩澤理論をMazur流に定式化できることを紹介する。 またこの定式化で重要な役割を果たす超特異な素点に おける($\Lambda$-valuedな)Coleman写像についても解説したい。
2002 年 6 月 7 日 ( 金 )
講演者: 伊藤 剛司(早稲田大学理工学部)
タイトル: ある4次体の岩澤不変量の計算について
アブストラクト: 有理数体上ガロア拡大でないような ある種の4次の代数体に対し、その円分的$Z_p$拡大の 岩澤$\mu$不変量が0となるための十分条件を紹介し、これを 用いたいくつかの計算例も述べる。 これは、Kraft氏とSchoof氏による実2次体のGreenberg予想の判定法 から着想を得たものであり、Kraft-Schoofの方法で用いられていた 円単数の代わりにStark-Shintaniの単数が用いられる。
2002 年 5 月 31 日 ( 金 )
講演者: 八森 祥隆 (学習院大学・学振)
タイトル: 2 次元 p 進 Lie 拡大体上のセルマー群の構造について.
(O. Venjakob 氏との共同)
アブストラクト: 楕円曲線の岩澤理論は, $Z_p$-拡大体上のセルマー群の 構造を調べるものだが, 90年代以来 Coates や他の人々が, 楕円曲線の$p$ 巾分点を全て付加した体上のセルマー群の構造を, 研究し始めている (GL_2 岩澤理論). 今回我々はより簡単な2次元の (非可換) $p$ 進 Lie 拡大を考え, その上の楕円曲線のセルマー群を考察した. 可換な場合には現れ得なかった現象で, GL_2 case ではまだ分かっていない 事実について説明する.
2002 年 5 月 24 日 ( 金 )
講演者: 市原 由美子(早稲田大学理工学研究科・学振)
タイトル: Rankin-Selberg L 関数の zero について
アブストラクト: Dirichlet L 関数の zero-free region や Siegel zero の問題を解説をし、 それらに対する結果の Rankin-Selberg L 関数の拡張について話す。 主に Siegel-Tatuzawa の定理に関する証明を解説したい。 (名古屋大学、松本耕二先生との共同研究)
2002 年 5 月 17 日 ( 金 )
講演者: 星 明考 (早稲田大学理工学研究科)
タイトル: ガウス周期の既約多項式と巡回多項式族の構成
(早稲田大学・橋本喜一朗氏との共同研究)
アブストラクト: ガウス周期の既約多項式については、Lehmer によって 素数 p がある特別な形のときに注目することで、 低次の場合 simple な 1 パラメータの e 次巡回多項式族が得られることが知られていたが、 2001年には Thaine によって次数 e がより一般化された。 ガウス周期に対して、その類似物を関数体上で構成することにより、 このような巡回多項式族が得られるしくみを明らかにし、さらには複数個の パラメータをもつように拡張できることを報告する。 また、ガウス周期と密接な関係を持つヤコビ和、cyclotomic numbers について、及び代数的整数論への応用も紹介したい。
2002 年 5 月 10 日 ( 金 )
講演者: Thomas Geisser (南カリフォルニア大学)
タイトル: Motivic cohomology and values of zeta functions
アブストラクト: We examine the relationship between etale cohomology and a new cohomology theory, recently introduced by Lichtenbaum, called Weil-cohomology. We give some explicit calculations and show how one can express the values of zeta functions of varieties over finite fields at integer values in terms of Weil cohomology (assuming some conjectures in arithmetic geometry).
2002 年 4 月 26 日 ( 金 )
講演者: 水沢 靖 (早稲田大学理工学研究科)
タイトル: 虚2次体の非円分的 Z_2-拡大の岩澤不変量について
(清藤真一氏、伊藤剛司氏との共同研究)
アブストラクト: (主に清藤氏の修士論文の内容紹介です。) 素数 2 が分解する虚2次体 k には、分岐素点が唯一つである ような非円分的 Z_2-拡大が存在する。この Z_2-拡大の岩澤不 変量について考察し、特に \lambda = \mu = 0 であるような 虚2次体 k の無限族を紹介する。
2002 年 4 月 19 日 ( 金 )
講演者: 藤井 俊 (早稲田大学理工学研究科)
タイトル: 岩澤理論の非アーベル類似
アブストラクト: 島根大の尾崎氏による非アーベル岩澤理論についての 私の修士論文の話をする。修士論文では、基本的な完全系列の簡単な証明 をし、二次岩澤加群において、ある条件のもとではp^λ(2)nによる位数の 漸近公式が成り立つことを証明した。証明には尾崎氏による2次類数公式の 証明方法が本質的に使われる。 最後に虚二次体で二次λ-不変量の計算を行ったので、簡単に計算方法 も話そうと思う。
2002 年 4 月 12 日 ( 金 )
講演者: 橋本 喜一朗 (早稲田大学理工学部)
タイトル: 定符号四元数体の一般整数環について: Type number と theta 級数
アブストラクト: 有理数体上の定符号四元数体の整数環(order)について, その Type number と theta 級数 に関する,これまでの結果と新しい結果 および予想について報告する. 詳細は当日の議論に譲るが, 今回の予想が一般に 証明されればモジュラー曲線 X_0(N) の jacobian J_0(N) の Q-rank の殆んど の部分が, 定符号四元数体の一般整数環の theta 級数 の間の linear relation によって control される事が導かれる, という意味で大変興味深い.