早稲田大学理工学術院

榊原 豊 教授


特別インタビュー

研究に対する思いとは?

世界で唯一持続的に物質が循環している系は生態系のみと考えています。しかし、人間の生活が発達し循環が生態系内で収束せず、自然を破壊するようになってきました。これを改善するためには新しい技術による循環系の創出が必要です。多様な技術が提案され、生態系と同じように互いに競合し(生死が繰り返され)、進化していけばこれが可能になると思います。生き残った良い技術は独自性を有し、互いにメリットのある関係になれば系は安定し、より持続的な状態になると考えます。

このような考えを基に、水循環に焦点をあて三つのポイントについて研究を行っています。

  • 一つ目は、生物保護のためのライフサイクルアセスメント手法の開発。生物のライフサイクルの循環を阻害するストレス因子の解明と管理手法等、循環系をダイレクトに考えます。
  • 二つ目は、水循環系を構築するための技術開発です。水問題克服のため、限られた淡水資源の取水量を減らすことを目的とし、熱帯域の他国でも利用可能な技術を開発している。
  • 最後に、高性能土壌修復技術の開発です。難分解性や高蓄積性、長距離移動性を持つ残留性有機汚染物質(POPs)等を分解・無害化し物質循環系に組み込むため、ファイトフェントン法を適用し検証しています。

以上の研究を行い、サステイナブルな社会の構築を目指しています。

研究室の運営について

学生にはそれぞれに研究を頑張ってもらい、その成果を外部に発信し多くの人と意見を交わしてもらいたい。そのための場の提供や助言、出資をすることが私の役目です。

学生に期待することとは?

どのようなことに対してもチャレンジする心を持ってほしい。なぜなら、たくさんディスカッションしてたくさん失敗してこそ、良い成果は得られると思うからです。またそこにオリジナリティを持たせるとなおいいですね。


経歴

1982 群馬大学 助手

1990 群馬大学 講師

1993 群馬大学 助教授

2001 早稲田大学 教授

著書・特許など

「環境工学公式・モデル・数値集」土木学会、Method for removing phosphorus from water to be treated using an electric field (US Patent)

社会的活動

「水環境の復元・再生研究所」所長、Associate Editor (Water Research)、水環境学会・編集査読部会幹事、土木学会・環境工学委員会委員等を歴任。日本水環境学会電気化学的技術研究委員会幹事