ナノ構造を有する金は電極材料や、触媒、光学材料などとして有用である。従来、様々な鋳型を用いてナノ構造体が合成されてきたが、生成物の構造は鋳型の構造に対応する1つのみに限られ、構造多様性や形態制御性に課題があった。本研究では、鋳型としてシリカナノ粒子集積体が、金の析出に伴いその構造を変化させることで、凹凸構造を有するナノプレートや、三次元メソ多孔体等のナノ構造制御に有効であることを発見した。
規定された分子構造を有するアルコキシシロキサンオリゴマーはシリカ系材料のメソ構造・機能設計に有用である。しかし従来、合成可能なアルコキシシロキサンオリゴマーは著しく制限されていた。本研究は安定にハンドリング可能なアルコキシシランから一段階で所望のアルコキシシロキサンオリゴマーを合成する新規合成法の提案である。本手法により、従来法では合成が不可能であった特異なアルコキシシロキサンオリゴマーSi[OSi(OR)2]4 (R = Me, Et)の合成に成功した。
アニオン交換性層状物質は薬剤、色素および生体分子などの吸着剤として注目を集めている。しかしながら、アニオン交換サイトの精緻な設計は未達成であった。本研究では層状オクトシリケートの層表面のカチオン交換サイト(SiOH/SiO−基)に対して、イオン液体であるイミダゾリウム塩を固定化することで、量論的にアニオン交換サイトへ変換することに成功した。得られた層状複合体は高いアニオン交換容量(ca. 2 mmol/g)を有するだけでなく、高いアクセスビリティ、容量、および耐酸性を有する薬剤担体への応用の可能性を示した。
メソポーラス金属は触媒、センサー、電極等への応用が期待される重要な材料である。この様な材料に数十nmの均一な大孔径メソ孔を形成することで物質拡散性の向上が期待できるが、同時に表面積が減少することが問題となる。そこで、我々はシリカナノ粒子とブロックコポリマーからなる複合テンプレートを設計した。ブロックコポリマーの作用により金属骨格をナノ粒子の凝集体状に制御することで、大孔径かつ高表面積を有するメソポーラスPtの合成に成功した。
当研究室では、高濃度界面活性剤からなるリオトロピック液晶(LLC)を直接鋳型とする手法を用い、様々な高規則性メソポーラス金属の合成に関する研究を展開してきた。従来研究の課題として、骨格組成の制御による機能性の付与が残っていた。そこで、高磁性密度を発現させるためNi-Co-Fe合金を骨格組成からなる、高規則性メソ構造体合金を合成した。LLC中の金属組成に応じて、メソ構造体の骨格組成の(See also our review article: Yusuke Yamauchi and Kazuyuki Kuroda, Chem. Asian J., 2008, 3, 664-676.)
シロキサンデンドリマーは精緻に設計されたシリカナノ粒子とみなすことができる。我々は二重四員環(D4R)ケイ酸塩のトリエトキシシリル化と、それに続くトリメチルシリル化によって、内部にD4R骨格を有する結晶性球状シロキサンデンドリマーの合成に成功した。本研究ではサイズ・構造・形状・機能がよく規定されたナノ粒子調製の1つの手法を提案した。
Nobuyuki Takahashi and Kazuyuki Kuroda, J. Mater. Chem., 2011, 21, 14336–14353.
Tatsuo Kimura and Kazuyuki Kuroda, Adv. Funct. Mater., 2009, 4, 511-527.
Yusuke Yamauchi and Kazuyuki Kuroda, Chem. Asian J., 2008, 3, 664-676.
Atsushi Shimojima and Kazuyuki Kuroda, Chem. Rec., 2006, 6, 53-63.