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■主な研究内容と特徴 |
1995年兵庫県南部地震では多くの土木構造物に極めて甚大な被害が発生し、多数の人命と財産が失われるとともに地震後長期に亘って社会基盤施設の機能麻痺状態に陥った。
地震後、国の防災基本計画が改訂され、「将来、兵庫県南部地震で発生したような強烈な地震動が発生したとしても、構造物を完全に破壊させることなく、 人命・財産を保全する」ことが我国の地震防災の基本方針となった。
本研究室では、これを受けて土木構造物と地盤の塑性領域から破壊に至るまでの研究を行い、新しい耐震設計法と合理的かつ経済的な既存構造物の耐震補強法の開発に取り組んでいる。
この研究課題に関し、科学技術振興調査費による総合研究「構造物の破壊過程解明による生活基盤の地震防災性向上に関する研究」の研究リーダとして国内はもとより海外の研究機関大学との共同研究を推進している。また、「防災・環境と情報技術に関する研究会」を組織し、学際的な共同研究と研究情報の公開を行っている。
主要な研究課題は以下の通りである。
(1)液状化地盤の側方活動に関する研究
米国Multidiciplinary Center of Earthquake Engineering Center (MCEER) と共同で、日米併せて12の既往地震による側方流動事例の分析を行ってきた。この結果、側方流動量には液状化層厚および地表面勾配の大きさが支配的影響を与えることが明らかにされている。一方、同じく既往地震における杭基礎構造および埋設管被害事例の分析を行い、側方流動が地中の構造物に与える外力特性の分析を進めている。米国のMCEERとは2〜3年に一度の割合で「側方流動のライフライン施設の耐震性」に関する日米ワークショップを開催して来ている。
さらに模型地盤を振動台で加振し液状化させることにより側方流動を生じさせ、流動特性および模型構造物に与える外力特性の解明を行っている。
模型実験結果を実地盤へ適用させるための相似律を構築し、実地震における流動事例を解釈して、流動量の予測式の提案を研究の最終目標としている。
一方、液状化した土の液体としての特性を把握するための試験法の開発を行い、これらの試験により液状化土の流体との性質の解明を行っている。
(2)地表地震断層に対する土木構造物の耐震性向上に関する研究
1999年に発生したトルコ・コジャエリ地震および台湾・集々地震では断層が地表面に出現(地表地震断層)し、ダム、橋梁、トンネル等の土木構造物に致命的な損害を与えた。
このため、地表地震断層に対する社会基盤施設の危険性を正しく把握し、必要な対策を講じておくことは社会の地震防災性向上にとって急務の課題である。
このため、1)地表地震断層の出現位置とずれ量の推定に関する実験的、解析的研究、2)ライフライン施設をはじめとする社会基盤施設の地表地震断層に対する耐震性向上に関する研究、を推進している。
(3)研究成果の耐震設計基準等への反映
一連の研究によって得られた側方流動と地表地震断層に関する研究成果を今後の耐震設計基準の中に反映し、実務へ有用な知見と情報を提供することを目標としている。
さらに巨大地震動に対する社会基盤施設の耐震性の在り方、耐震基準の基本理念などについての調査・研究を行っている。