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私の横顔−中医学について

cho張 弘 (Zhang Hong)

早稲田大学生命医療工学インスティテュート
講師/医学博士

1991.04  中華人民共和国 河南医科大学 卒業
1991.08  中華人民共和国 鄭州第四人民医院 内科医師
1997.11  千葉大学 大学院医学研究科病理系遺伝生物学 入学
2001.03  千葉大学 大学院医学研究科病理敬意電子生物学 卒業 医学博士
2001.04  千葉大学部 非常勤講師
2002.04  国立国際医療センター研究所 流動研究員
2004.08  財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 流動研究員
2005.04- 早稲田大学 生命医療工学インスティテュート 講師



中国では、医学部学生はドイツの流れを汲む医学を学ぶ。中医学を大学の医学教育の中で学ぶことはない。しかし、日本では入手できないような漢方薬もたくさんあり、漢方医の処方によればとてもよく効く。学生の頃の私は、よく漢方医のところに学びにいったものである。

早速、中医学の一端を以下にご紹介しよう。きっと気に入っていただけると思う。

「黄帝内経」(「こうていだいけい」もしくは「こうていないけい」)という名著がある。これは、黄帝と、その師の岐伯との問答の形で中医学の思想、養生のことを語った古典名著である。

最近は、さまざまなわかりやすい解説書が出てきた。<東洋医学>の書棚にあるので、是非一度読まれることをお薦めする。

さて、風邪ということについて、「黄帝内経」の中では「風論」ということで、語られている。今はなんでもかんでも風邪という一言で片付けられるが、その風邪がなぜ万病のもとと言われるか、以下に文章を引用してみよう。

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☆ ☆ ☆  ☆  ☆ ☆  ☆
風、暑、湿、寒、燥の刺激は病気を起こすが、ここでは特に風(ふう)の病気について語る。
 
風が皮膚に進入したとき、皮下にこもり、気の内外交流を阻止する
 
風の特徴は、変化が早いことである
 
風邪(ふうじゃ)に侵されると毛孔が開いたときには、ぞくぞくと寒気がする
 
毛孔が閉じたときは、むんむんと熱くなる
 
寒気が続くと、食欲がなくなってしまう
 
発熱が続くと痩せこけてしまう
風邪が陽明経の胃経(身体に12ある経絡のひとつ)に進入したときには、さらに経脉(経絡のみちすじ)に沿って目頭にのぼる
 
肥えた人では、風は熱に変わる。内熱が多くなると目が黄色くなる
 
痩せた人では、風は陽気(陰気に対する気)を連れて外へでるので寒く感じて涙が出る
風邪が衛気(身体を守る気のひとつ)にぶつかるとき、経脉(経絡のみちすじ)の流れが止まり、腫れ物ができる
 
そして、衛気の詰まるところで筋肉と皮膚が麻痺してしまう
 
長引くと栄気(身体を守る気のひとつ)にも熱が生じ、血が汚れて潰瘍が発生する
 
風が経脈に入って、なかなか退かないものを「癘風(れきふう)」という。
風が五臓に侵入したときは、季節によって病む五臓は違う
 
春は「肝風」となる
 
夏は「心風」となる
 
夏の土用は、「脾風」となる
 
秋は、「肺風」となる
 
冬は、「腎風」となる
風が五臓六腑のツボに侵入したら、ツボを通して奥に入り臓腑を傷める。 すると、五臓六腑の風になる
 
風が虚をついて片方のツボに入ったら、片麻痺の「偏風」となる

陰陽の 属性

五味
五色
五化
五気
五臓
五腑
五官
五声
形体
五行
情志
陰中の陽
陽中の陽
小腸
湿
陽中の陰
大腸
皮毛
陰中の陰
膀胱
 
風が風府(ふうふ)というツボを通して脳に侵入したら「脳風」となる
 
目の周りに侵入すると「目風」となる
 
酒を飲んだあとで風にあたったら、「漏風(ろうふう)」となる
 
髪がぬれたまま風にあたったら、「首風」となる
 
風邪が皮膚を通して腸に入ると「腸風」となる
 
風が皮膚と筋肉の間にこもると「泄風」となる
 
風は変化が早いので風の病はほおっておけば、さらに別の病気に変わっていく。(風は万病のもと)
次に、五臓の風病の診断法について
 
肺風は、ときどき咳をして息が短く夜には症状がひどくなる。しかし、昼間はあまり症状が現れない。見るところは、眉の上。色が白い。
 
心風は、唇の皮が乾燥し、怒りっぽい。ひどいときは声が濁る。見るところは口。色が赤い
 
肝風は、気分が沈み、悲観がちである。ときどき怒り、異性を嫌う。見るところは、目の下。色が青い
 
脾風は、身体が重たくて食欲はない。見るところは、鼻の上。色が黄色い
 
腎風は、顔がむくみ、腰が痛く、排尿が渋い。見るところは、顔全体。色が黒い
 
胃風は、首によく汗をかく。食欲がなく痩せるのに腹部が脹らむ。冷たいものを食べるとすぐ下痢をする。冷えにあたると、症状がひどくなる
 
首風は、風の吹く前の日に激しい頭痛がするが次の日によくなる
 
漏風は、全身にいつも汗をかく。よく喘息し、喉が渇き、体力はない
 
泄風は、口の中が乾くが皮膚は常に湿っている。労働すると身体が痛くなり、寒気がする
☆ ☆ ☆  ☆  ☆ ☆  ☆
いかがだろう?
風邪ひとつとってもこのような多様な分類がなされる。当然、治療法はそれぞれに対して異なる。だから、的確な治療が可能なのである。

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参考図書: 
「新編・中医学 基礎編」 張瓏英[著] 源草社