研究テーマ
1. 修辞法理論と応用: 社会心理レトリック; レトリックの認識; 視覚のレトリック; 伝達のレトリック; ジャーナリズム修辞法; 言語の倫理学; 外国人のための中国語レトリック; 第二外国語としての中国語教授法。
2. コミュニケーション理論と応用: スピーチ・コミュニケーション; コミュニケーション倫理学; ジャーナリズム倫理学; 広告倫理学; インターネット倫理学; 視覚コミュニケーション; コミュニケーション研究の歴史
主な研究活動
講義:
1. 視覚のレトリック研究 (早稲田大学文学研究科中国語中国文学専攻、2005年11月12日)
2. 中国語の言語数と発声法の迷信と異文化間コミュニケーションにおける中国語の価値 (早稲田大学言語学
研究会、2005年11月17日)
3. 視覚的修辞学における言語学学習法。 日本現代中国語協会(東洋大学、2006年6月25日)
4. 聴衆のコミュニケーション倫理学。(早稻田大学情報教育研究所、2006年6月28日)
5. 異文化間コミュニケーション: 中国語アプローチ。 (拓殖大学、2006年7月4日)
早稲田での研究生活について
 早稲田大学講義風景 砂岡和子教授(政治経済学部)による通訳 |
私は10年以上にわたって修辞学を研究し教鞭をとっています。 その間、『社会心理レトリック入門』、『レトリックの認識』、『コミュニケーションの倫理』など6冊の修辞学に関する書籍を出版し50以上の学術論文を発表しました。『社会心理レトリック』や『レトリックの認識』、『言語倫理』、『コミュニケーション倫理』などの著作に代表されるように修辞学と言語学を体系的に統合し、新しい学問の領域を切り拓いてきました。さらに最近では世界のレトリック史やコミュニケーション修辞法まで研究の範囲を広げています。 その中で特に、孔子の修辞学的な教えと西洋古典修辞法についての作品を読み解き、研究を進めていますが、 この二つには共通点があり修辞学および会話のレトリックの倫理性を強調していることに気付きました。早稲田大学で日本語のレトリックに関する研究を始めたために、私の研究プロジェクトがさらに幅をもってきたのです。
中国における多くの修辞学者の間では、卓越した修辞学の研究と同様に様々な学術活動の点からも、早稲田大学は知られています。 私は来日する前、20世紀始めの日本修辞学、とりわけ早稲田大学での修辞学研究が、現代中国修辞法の確立期において果たした重要な役割があるということを学びました。中国修辞学は五十嵐力(東京専門学校(早稲田大学の前身)文学科3期生)の研究によって大きく影響をうけ、新しい美の修辞学に関する島村抱月(東京専門学校(早稲田大学の前身)文学科2期生)の研究が影響を与えました。著名なシンガポールで活躍する中国系修辞学者、Zheng Ziyuは早稲田大学で中国修辞法についての教鞭をとり、中国修辞法の歴史の本を出版しました。彼の活躍は日本で中国修辞学を広めることに大きな影響を与えました。中国修辞学研究者として、私はこの中国修辞学の歴史を詳細に研究する必要があると感じています。 それが早稲田大学での研究を決めた大きな理由です。 早稲田大学の活発な学術的研究の雰囲気や著名な研究者、豊富な研究情報や整備された居住環境という要素もまた、私が早稲田大学に決めた別の理由として挙げられます。 また、早稲田大学と北京大学の長い友好関係もこの選択に影響を与えました。 1年間の研究を終える今、私の選択は正しかったと感じています。 ここでの研究活動は在外研究制度を終了し、日本の文化を理解する機会となっただけでなく、日本人修辞学者およびコミュニケーション学者と交流することができました。
主に、早稲田大学でコミュニケーション倫理学、特に聴衆者の体系的倫理について研究を行っています。同時に、「視覚のレトリック」「中国語の言語数と発声法の迷信および異文化間コミュニケーションにおける中国語の価値」といった他の研究課題にもついても取り組みました。同時に、日本、中国そして西洋の修辞法における比較研究も行いました。20世紀始めに日本修辞法は中国修辞法に影響を与え、一方で現代中国修辞法は現代日本修辞学に影響を与えていると証明できました。この研究は現代中国修辞学の発展において日本修辞学、西洋修辞学の意義を解明することになったのです。今後、私の研究テーマの一つに現代修辞法の歴史を取り上げたいと思います。
研究期間終了後の予定
 2年毎に開催される第15回 International Society for the History of Rhetoric (ISHR) で研究発表(2005年7月、南カルフォルニア大学, CA)
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来学期から、北京大学に戻り教育・研究活動を続けますが、同時に早稲田大学で取り組んでいる研究を継続していきます。 まず始めに、「コミュニケーション倫理の要素」という新刊図書の執筆を終え、次に日本修辞法および中国修辞法の比較研究と現代修辞史も研究活動に取り入れる予定です。 また北京に戻った後、中国修辞学会の事務局長として、2年に1度開催される、第13回中国修辞学会を2006年11月に予定しており開催に向けて動きださなければなりません。また、2006年韓国で開催の修辞学会の国際会議と2007年フランスで行われる第16回修辞学史国際大会で発表する予定の「中国宗教のレトリックについて」と「孔子からアリストテレスに見る古代中国と古代ギリシャの修辞的思考の比較について」の発表準備も始めていきます。これらの研究活動のベースとなるものは早稲田大学で築かれました。もちろん、今後は北京大学で中国修辞法やコミュニケーション倫理などの講義も担当していきますが、早稲田大学で得た研究成果を講義に十分還元していくつもりです。 そうすることで北京大学の学生は早稲田大学で得た研究成果を共に享受することができるようになると思います。
早稲田大学で構築したネットワーク
学術的研究には学者間の交流が不可欠です。早稲田大学での研究期間、早稲田大学教員を中心とする多くの日本人学者と知り合いました。 第36回日本コミュニケーション学会年次総会などの会議や授業に参加し、学術的意見や指導方法について研究者たちと交流を深めました。 そのうち、ある研究者は「視覚的レトリックの研究」、「中国語の言語数と発声法の迷信と異文化間コミュニケーションにおける中国語の価値」、「聴衆のコミュニケーション倫理学」、「文化間コミュニケーション: 中国語アプローチ」などの講義に招いてくださりました。
また私は早稲田大学教授を中心とする日本人研究者を中国人研究者および中国の大学へ紹介するという橋渡し役も担ってきました。中国の大学にある委員会や学会のメンバーとなるために紹介をしたり、中国で講義を行えるように推薦をしてきました。この活動は日本人研究者と中国人研究者の交流を活性することができたと信じています。もちろん北京大学に戻った後もこうした交流を続けていきたいと思います。

法学部教授 原田康也先生、他教員、外国人研究員と
出版物(学術論文)
1. An Introduction to Socio-psychological Rhetoric. Beijing, Peking University Press, Jun. 1999.
2. Chinese Rhetoric for Foreigners. Nanning: Guangxi Educational Publishing House, Jan. 2000.
3. Cognitive Rhetoric. Guangzhou: Guangdong Educational Publishing House, Oct. 2001.
4. The Ethics of Language. Beijing: Peking University Press, Oct. 2001.
5. The Contemporary Rhetoric of Chinese. Beijing: Peking University Press, 2004.
6. Ethics of Communication. Beijing: Peking University Press, 2006.
7. Collection of Rhetoric Papers(Volume 8). edited by Chen Rudong, Beijing: Peking University Press, 2005.
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