トップ > 第2回 -Papp Zilia
氏名: Papp Zilia(パップ ジリア) 国籍: ハンガリー
所属大学院・研究所 国際情報通信研究科
マルチメディアサイエンス分野(坂井研究室)
本国での所属機関 ニューサウスウェールズ大学メディア専攻
(シドニー・オーストラリア)
早稲田での滞在期間 2006年4月〜2007年4月
研究テーマ
江戸・明治時代の妖怪画が現代アニメーションに与える影響についての考察

これまで
Hungaria_childhood
少年先鋒隊/ピオネール:共産圏の少年団、ディアフイルム:漫画の代わりの社会主義的スライド紙芝居

社会主義時代後期のハンガリーで生まれ育った私は、その時代を過ごす中で早期教育に多大な影響を受けました。 ビロード革命から1年後、3000人を越える申請者の中から州の最初の英語高校へ入学する資格を得て、卒業時には国際バカロレア資格を取得しました。その後、日本の文部省奨学金受給生として東京外国語大学で日本語を学んだ後、九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学研究院)で学士号と修士号を修得しました。同時にニューサウスウェールズ大学/UNSW(オーストラリア・シドニー)メディア専攻より競争率の高いIPRS/UIPA(International Postgraduate Research Scholarships /University International Postgraduate Awards)奨学金を支給され、博士号修得のため招かれました。UNSWがアジア・太平洋地域のトップ大学の1つであり、この機会は大変有難いものでした。さらに幸運なことに、世界でも最も有名なアジア近代美術史学者であるシドニー大学美術史学専攻のジョン・クラーク教授より直接指導をしていただけることになったのです。2006年4月からUNSWと早稲田大学の国際交流協定により、国際情報通信研究科(GITI)マルチメディアサイエンス分野の交換研究員として1年間滞在する予定です。坂井滋和教授の親切な指導の下、研究活動に励んでいます。



早稲田大学での研究活動
Japanese Yokai
左:百鬼夜行絵巻の妖怪画(室町時代) 右:高井鴻山 妖怪図(江戸後期)

私の研究では、現代における最も顕著な芸術表現の1つがアニメーションであるととらえています。特定の現代アニメーションに与える影響と超自然的物体の妖怪のもつ視覚表現についての芸術史から芸術家が影響を受けてきたであろうデザインを研究しています。この理由から、私の研究手法は、考古学、美術史、デザインおよびメディア研究を含む広範囲な分野にまで及んでいます。言うまでもなく、早稲田大学図書館はこの広範囲におよぶ研究を行う上で「究極の場所」です。博士論文執筆にかかる膨大な量の資料を読み上げ、執筆を行っているだけに、図書館で入手できる驚くほどの莫大な情報資料は大きな利益です。豊富で多様なコレクションの数々に出会える日々は嬉しい発見の連続です。そのような環境の下、研究を行なうことができるのは本当に恵まれており、早稲田大学での研究活動は博士論文執筆において無くてはならないものとなるでしょう。

Great Yokai Wars
三池崇史監督・妖怪大戦争(2005年)の撮影現場にて。エキストラとして出演する傍ら、妖怪衣装やマスクデザイン等について研究しました

GITIでの講義や早稲田大学教員、研究グループおよび学生との意見交換は、非常に価値のある経験の一つです。学際的研究者ある私は早稲田大学で行われている数々の研究活動に参加していると同時に、現在はまだあまり知られていない東欧のアニメーションおよびデザインを日本人学生に紹介することにも取り組んでいます。このテーマについて早稲田大学での講義や上映に関れればと考えています。

EU_animation
ハンガリーのアニメーション映像におけるシャーマニズム的表現
The Son of the White Mare (1981, Jankovics) Copyright ©Pannonia Filmstudio, Budapest

GITI坂井研究室の研究は私にとってベスト、かつ最適な場所です。GITIは、技術的なものからビジュアル・デザインとメディアのクリエイティブな側面まで持つ魅力的な研究室です。これら全ての要素が私のバックグラウンドと一致しているのです。坂井研究室では、他大学院生から非常に高度な独創的アイディアを聞け、いつも刺激され奮起されています。 唯一残念なことは、早稲田大学全部を経験・吸収しようとすれば、1年という滞在ではとうてい時間が足りないということです!

将来の計画
来年、博士論文提出後はビジュアル・デザインの分野-アニメーション研究について教鞭をとり、さらに将来の学問のために、それぞれ顕著な文化的背景をもつ3つの大陸―東欧・オーストラリア・日本で得た専門知識と・個人的経験を活かし、学者として活躍したいです。現在、デザインを専攻する日本人学生が東欧のアニメーション・スタジオへ調査旅行するという企画を支援する一方で、オーストラリアと日本の大学・企業間でのデザインプロジェクト等に関っています。つまり、私自身の個人経験を積み上げながら、異なる文化的背景からの学生達を知的かつ創造的に支援することができ、彼らの人生設計に貢献できる学者になりたいと思っています。早稲田大学のような学術的環境でそれが実現できれば素晴らしい夢が叶うこととなるでしょう。

研究発表論文
Papp, Z., Lonseng, L., Nagashima, K.; フォトレジストを用いた密着焼付法によるレインボーホログラム複製 (Rainbow Hologram Reproduction by Glazing Method, Utilizing Photoresist), Conference Proceedings of 2002 Joint Conference of Electrical and Electronics Engineers in Kyushu, Nagasaki University, 406 (2002)

Papp, Z.; ハンガリーの現代アニメ - 文化遺産に基礎付けたデザイン (The Hungarian Animated Film - Building on Heritage), ADADA Asia Digital Art and Design International Forum Proceedings, Kyushu University (2005)

Papp, Z.; The Influence of Edo and Meiji Period Yôkai-ga on Mizuki Shigeru's Gegegeno Kitaro, European Association of Japanese Studies Conference, University of Vienna (2005)

Papp, Z.; Resurrection of Yôkai at the Dawn of the New Millennium, Conference Proceedings of International Conference on Asian Comics, Animation and Gaming, York University, Toronto (2006)
Farewell Party
坂井研究室 研究グループ
最終更新日 2006.5.24
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