当日は、550名の参加がございました。産と学双方のトップから「人材像」「産学連携の持続可能性」「教育」などについての見解が聴けたという点において大変有意義であったとのご意見を多数頂きました。また、「官」の立場からの参加を期待する、ディスカッションテーマを絞るべき、日本IBMと早大との共同の取り組みについてもっと聞きたい、などの貴重なご意見も頂きましたので、今後の活動の参考とさせていただきたいと考えております。
今後も、企業だけ、大学だけではできないような技術開発・社会貢献を実現するための仕組みづくりを発信して参ります。

挨拶:深澤 良彰(早稲田大学研究推進部長)
「IBM Day」と特定企業名のついたイベントを早稲田大学で行うのは初めてであり、大学が産学連携に対してよりいっそう精力的な取り組みを行ってゆきたいという姿勢の表れである、との言葉で始まりました。日本IBMにもご協力頂いているDCC(デジタル・キャンパス・コンソーシアム)における、情報ネットワークを活用して産学の垣根を無くすことで協働して実践的な教育を行っているプロジェクトが例として紹介されました。このように、産学連携の新しい試みによって人材育成を促進し、サステナビリティの実現へと繋げる流れが作っていきましょう、との意見が述べられました。
(画像クリックで動画がご覧になれます:wmv形式/9MB/7分)

挨拶:坂上 好功(日本IBM執行役員)
「社会にとって重要なテーマについて大学と企業で協働して考える」ことがIBM Dayの目的であり、産学それぞれの立場からの意見交流が、今回の議題である持続可能な社会および産学連携の進展のきっかけとなることを期待する、と述べられました。また、環境や経済等の諸課題に対して、ITを活用し地球を「より賢く、スマート化」する、IBMの「Smarter Planet」について紹介されました。 またこの場にて、顕著な研究成果を挙げた大学教員に贈られる国際的な賞「IBM Faculty Awards」を、本学基幹理工学部情報理工学科の山名早人教授が受賞したことを発表されました。
(画像クリックで動画がご覧になれます:wmv形式/10MB/8分)

Smarter Planet―先進テクノロジーが拓く社会と企業の未来価値―
久世 和資(日本IBM執行役員)
IBMのコーポレートビジョンである「Smarter Planet」というコンセプトを軸に、交通・電力・医療等における様々な課題を、IT技術の活用により解決する事例を紹介し、産学連携によりIT、ビジネスモデル、政策をうまく組み合わせて、安心・安全・環境・健康の分野でより住みやすい世界の事例を日本発信で作りたいと述べられました。Smarter Planet については、こちらをご覧ください。Smarter Planetについては、こちらをご覧ください。
(画像クリックで動画がご覧になれます:wmv形式/40MB/33分)


第2世紀に入った早大理工―教育・研究の新展開―
橋本 周司(早稲田大学理工学術院長)
持続可能な社会実現のための、理工学におけるモデルを目指す取り組みについて説明されました。社会性・国際性を重視した理工学教育の新展開や、グローバルロボットアカデミアで目指している、実社会の中に根付く新技術を生み出すための体系的な学問原理の構築がキーポイントとの指摘がありました。産業界との協働を通して社会の要請に応え、「孤立しない基礎科学」を実現することが大学に課されていると同時に、夢と現実の間の適正なギャップをつくること、いかに新しい夢を創造してゆくか、という点においても我々の果たせる役割があるのではないか、ということが言及されました。
(画像クリックで動画がご覧になれます:wmv形式/36MB/28分)

持続的発展を目指した環境分野の共創的展開は如何にあるべきか
永田 勝也(早稲田大学環境総合研究センター所長)
ライフ・サイクル・アセスメントにおいて、環境負荷の評価をトータルな視点で行う、すなわち途上国や将来の世代につけを回さずに、環境改善とエネルギー投入のバランスを測る必要性が指摘されました。実現のためには、産学官+民の共創的連携が重要とということで、大学の持つ性質や立場を生かした上で、北九州や本庄等の地域特性に適応した「地産地活(地域で産出し活用する)」の実践を重ね、持続可能な社会を目指している様々な活動事例が紹介されました。
(画像クリックで動画がご覧になれます:wmv形式/53MB/41分)

パネル展示
 

  <日本IBM>
  • DB2教材
  • Innov8
  • PowerUp
  • World Community Grid
  • Smarter Planetご紹介

  <早稲田大学>

  • 大和田研究室
  • 紙屋研究室
  • 草鹿研究室
  • 菅野研究室
  • 高西研究室
  • 永田研究室
  • 藤江研究室
  • 山名研究室 (以上、50音順)
  • 環境総合研究センター
  • NPO環境ロドリゲス
  • 産学官研究推進センター

ビデオレター
Dr. Jai Menon(IBMフェロー)
大学連携プログラム責任者、IBM技術アカデミー副議長、Jai Menon氏からのビデオメッセージを上映いたしました。

求められる人財像
大歳 卓麻(日本IBM会長)
フラット化、スモール化する世界の中で、少子化や財政の課題を持つ日本の将来に関して付加価値構造の分析からイノベーションの重要性を指摘されました。また、IBMによる「Global CEO Study」の調査結果、環境・コンプライアンス等のCSR、融資の審査に環境対応も含める銀行の事例を紹介され、日本では多様な風土を尊重するグローバルな“人財”が求められることや出る杭を伸ばす/優れた点を伸ばす重要性について言及されました。


早稲田大学が行っている人材育成
白井 克彦(早稲田大学総長)
「人類を持続可能にする」ことの意味を問うとき、ものづくり・技術革新だけでなく社会システムの改変を迫られている中で、大学の役割も変化しつつあり、概念を教えるだけの場所ではなくなってきています。社会貢献やボランティアという言葉だけを聞くと一方的な感がありますが、学内だけでは得られない実体験を通して社会から教えてもらうという姿勢を持つことが重要であり、地球環境の当事者として根本的改革に取り組み、既存のシステムに収まらない多様な方向性の模索をも行ってゆく必要があると指摘されました。早稲田大学の中で精力的に行われているボランティア活動や近年推進してきている国際化、産学連携活動の紹介と共に、企業や海外等の多様な環境に自身を投じ可能性を磨いてほしい、という学生に対するメッセージが発せられました。
(画像クリックで動画がご覧になれます:wmv形式/44MB/33分)

パネルディスカッション
パネリスト:
   大歳 卓麻(日本IBM会長)
    白井 克彦(早稲田大学総長)
    草鹿 仁(早稲田大学理工学術院教授)
    塩田 真吾(早稲田大学環境・エネルギー専攻 博士課程3年)
    ヤップ・フェイ・イー(早稲田大学物理及応用物理学専攻 修士課程2年)
    高橋 明寛(早稲田大学地球・環境資源理工学専攻 修士1年)

モデレーター:
    丸山 宏(日本IBM執行役員)

まず、環境教育によって持続可能性の考え方を根付かせてゆくためには、大学や企業の中でどのように取り組むべきかが議論されました。また、環境問題の解決策を得る方法について、学問・技術・社会など様々な観点から話し合われました。「モノ」だけでなく「コト」「ヒト」が関わってくる複合的な問題であるため、理系だけ、社会だけといった単一的なとらえ方でなく包括的な視点が必要となってくる、等の意見が出ました。主体的に学びイノベーションを実現する、「出る杭」人材育成のためには、身近な生活において役立つ知識だけでなく、夢の創造につながる部分を大事にすることや、欧米の研究環境のように活発な議論を可能にするフラットな雰囲気が有益ではないか、との指摘がありました。この実現には、異なるバックグラウンドを持つ人間が集まって多彩な環境をつくること、自分の意見をロジカルに表現する技術を身につけること、一つの物事に好奇心を持ち集中して取り組み、自らの価値を引き上げることなどが必要となるとの意見が出ました。また、ボランティア活動に積極的に取りくむ学生たちについての話題から、一人ひとりが社会を作ってゆく活動を義務と捉え自然に関わってゆくあり方の重要性が指摘され、トップから実践してゆくことが近道、との意見も出されました。パネリストだけでなく、会場の参加者からの質問や意見も随時紹介され、活発な議論が行われました。

動画がご覧になれます:wmv形式
長いため、4つのファイルに分けて掲載しております。
その1:40MB/31分
その2:46MB/36分
その3:27MB/20分
その4 :31MB /23分


閉会挨拶
堀越 佳治(早稲田大学常任理事)
本日の講演やディスカッションを通じて言及された「モノではなくヒト・サービスの重視」や「出る杭は伸ばす」というキーワードが、IBMの世界戦略に反映されていることに改めて気付かされた、との感想が述べられました。また、今後のグローバルな産学連携の在り方として、大学そのものが環境となり社会活動全般に関与してゆく方向性をとる必要があるのではないかとの意見を頂きました。サスティナビリティという解決すべきテーマが非常に重く我々に突き付けられましたが、本日の議論が参加された皆様の研究・仕事・生活の糧となることを期待する、との言葉でシンポジウムが締めくくられました。
(画像クリックで動画がご覧になれます:wmv形式/6MB/4分)

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