公的な研究資金
科学研究費補助金
1. 概要
科学研究費補助金(科研費)は、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的資金」であり、ピア・レビュー(専門分野の近い複数の研究者による審査)により、独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものです。
表1 政府による研究推進の分類と「科研費」の位置づけ
- ※平成22年度における科研費(2,000億円)は、政府全体の競争的研究資金(4,613億円)の約43%を占めています。
- ※科研費予算等の推移については、日本学術振興会ホームページにおいて確認いただけます。
日本学術振興会ホームページ(科研費データ)
http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/27_kdata/index.html
※平成23年度より「基盤研究(C)」「若手研究(B)」「挑戦的萌芽研究」の新規採択分について、複数年にわたる研究費の使用を可能とする
「基金化」が予定されています。詳細は別途ご案内いたします。
2. 研究種目
研究目的、内容、組織等によって次の研究種目に分かれています。応募時に種目を選定するにあたっては、研究種目の目的・性格と研究計画の内容が合致するように留意してください。
表1 研究種目
| 研究種目等 | 研究種目の目的・内容 |
|---|---|
| 科学研究費 | |
| 特別推進研究 | 国際的に高い評価を得ている研究であって、格段に優れた研究成果をもたらす可能性のある研究(期間3~5年、1課題5億円程度を目安とするが、制限は設けない) |
| 特定領域研究 | 我が国の学術研究分野の水準向上・強化につながる研究領域、地球規模での取組が必要な研究領域、社会的要請の特に強い研究領域を特定して機動的かつ効果的に研究の推進を図る。 (期間3~6年、単年度当たりの目安1領域 2,000万円~6億円程度) |
| 新学術領域研究 | 【研究領域提案型】 研究者又は研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成等の取り組みを通じて発展させる。 (期間5年、単年度当たりの目安1領域 1,000万円~3億円程度) 【研究課題提案型】 ※平成23年度新規応募 停止 確実な研究成果が見込めるとは限らないものの、当該研究課題が進展することにより、学術研究のブレークスルーをもたらす可能性のある、革新的・挑戦的な研究 (期間3年、単年度当たり 1,000万円程度) |
| 基盤研究 | (S):1人又は比較的少人数の研究者が行う独創的・先駆的な研究 (期間5年) 1課題 5,000万円以上 2億円程度まで (A)、(B)、(C):1人又は複数の研究者が共同して行う独創的・先駆的な研究 (期間3~5年、応募総額によりA・B・Cに区分) (A) 2,000万円以上 5,000万円以下 (B) 500万円以上 2,000万円以下 (C) 500万円以下 |
| 挑戦的萌芽研究 | 独創的な発想に基づく、挑戦的で高い目標設定を掲げた芽生え期の研究 (期間1~3年、1課題 500万円以下) |
| 若手研究 | (S):42歳以下の研究者が1人で行う研究 ※平成23年度新規応募 停止 (期間5年) 概ね3,000万円以上総額1億円程度まで (A)、(B):39歳以下の研究者が一人で行う研究 (期間2~4年、応募総額によりA・Bに区分) (A)500万円以上 3,000万円以下 (B) 500万円以下 |
| 研究活動スタート支援 | 研究機関に採用されたばかりの研究者等や育児休業等から復帰する研究者等が1人で行う研究 (期間2年以内、単年度当たり150万円以下) |
| 奨励研究 | 教育・研究機関の職員、企業の職員又はこれら以外の者で科学研究を行っている者が1人で行う研究 |
| 特別研究促進費 | 緊急かつ重要な研究課題の助成、研究助成に関する実験的試行 |
| 研究成果公開促進費 | |
| 学術図書 | 個人又は研究者グループ等が、学術研究の成果を公開するために刊行する学術図書の助成 |
| データベース | 個人又は研究者グループ等が作成するデータベースで、公開利用を目的とするものの助成 |
| 特別研究員奨励費 | 日本学術振興会の特別研究員(外国人特別研究員を含む)が行う研究の助成 (期間3年以内) |
| 学術創成研究費 | 科学研究費補助金等による研究のうち特に優れた研究分野に着目し、当該分野の研究を推進する上で特に重要な研究課題を選定し、創造性豊かな学術研究の一層の推進を図る。(推薦制 期間5年) |
表2 文部科学省と日本学術振興会における応募・審査・交付業務の切り分け
| 研究種目 | 応募・審査 (公募要領の作成主体、 応募書類の提出先) |
交付 (交付内定・決定通知を行う主体、交付申請書・各種手続書類等の提出先) |
|
|---|---|---|---|
| 第1種科研費 | |||
| 特定領域研究、新学術領域研究、 特別研究促進費、研究成果公開促進費(研究成果公開発表(B・C)) |
文部科学省 | 文部科学省 | |
| 第2種科研費 | |||
| 特別推進研究、若手研究(A・B) | 日本学術振興会 | 文部科学省 | |
| 第3種科研費 | |||
| 基盤研究、挑戦的萌芽研究、 若手研究(S)、研究活動スタート支援、奨励研究、 研究成果公開促進費(学術定期刊行物、 学術図書、データベース)、 特別研究員奨励費、学術創成研究費 |
日本学術振興会 | 日本学術振興会 | |
3. 年間スケジュールおよび概要
1. 年間スケジュール
1つの研究の申請から終了までの流れを、研究を実施する年度を中心にまとめました。
| 事項 | 例年の実施時期 | ||
|---|---|---|---|
| ※研究活動スタート支援の場合 | 研究者が作成するもの | ||
| 1 公募から採択まで (1)公募開始 (2)公募要領等説明会実施 (3)申請(「研究計画調書」)学内締切 (4)電子申請締切 (5)交付内定の通知 (6)「交付申請書」締切 |
前年 9月上旬 前年 9月中旬 前年10月中旬 前年11月上旬 4月初旬~7月 5月上旬 |
前年 2月下旬 5月中旬 8月下旬~ 9月中旬~ |
「研究計画調書」 「研究分担者承諾書」 「交付申請書」 「交付請求書」 「誓約書」 |
| 2 研究の実施 (1)交付決定の通知→支出開始 (2)科研費の支出終了 |
6月下旬~9月 翌年 3月下旬 |
10月上旬~11月中旬 翌年 3月下旬 |
|
| 3 研究終了後 (1)「実績報告書」締切 |
翌年 5月下旬 |
翌年 5月下旬 |
「実績報告書」 |
2. 「公募から採択まで」について
- 1. 電子申請および科学研究費補助金研究者名簿への登録
「研究成果公開促進費」・「奨励研究」・「特別研究員奨励費」を除く全ての種目において、応募はe-rad連携電子申請システムを経由して行います。
※電子申請システムホームページ(日本学術振興会)
日本学術振興会の電子申請システムを利用するには、文部科学省による「科学研究費補助金研究者名簿」に登録される必要があります。また、その前提として、℮-Rad(府省共通研究開発管理システム)へ所属事務所を通して登録することが必要となります。
科研費応募時期に間に合うよう、℮-Radへの登録を完了する必要がありますので、登録されていない場合は、早めに所属事務所までお申し出ください。 - 2. 学内における申請支援
日本学術振興会への電子申請に先立ち、作成された「研究計画調書」に不備等がないかの事前チェックを所属事務所および研究推進部にて実施します。そのため、電子申請システムによる最終締切以前に「研究計画調書」の学内提出をお願いすることになりますので、ご協力ください。
また、申請に向けて先生方に参考となる情報をお伝えするため、公募説明会の実施や、前年度採択課題のモデル調書公開等のサービスを実施しますので、ご利用ください。
なお、これらのサービスや必要情報については「科研費申請等支援サイト」を通してお知らせします。
科研費申請等支援サイト(ご参考:学内LAN限定)
- ※公募時に応募ルール等が変更になることがあります。その際は、改めて周知します。
- ※研究種目によって公募時期、応募書類の提出方法が異なりますので、公募要領や申請に必要な研究計画調書等の様式については、文部科学省及び日本学術振興会(JSPS)のホームページをご覧ください。
3. 研究実施について
交付された科研費を正しく使用していただくための、学内支出説明会を6月~7月に行います。その際に、文科省で定められたルールを反映した支出要領をお配りしますので、それに従い、正しく使用してください。
また、使用にあたって必要となる様式類は以下の様式集から利用いただけます。
4. 研究終了後について
実績報告書を提出いただくことになりますが、これについてはWaseda-portalからログインし作成いただくことが可能です。
