舞台 映像を 未来へ | 舞台芸術・芸能関係映像のデジタル保存・活用に関する調査研究事業 | 早稲田大学演劇博物館

早稲田大学演劇博物館

舞台芸術・芸能関係映像の
デジタル保存・活用に関する
調査研究事業

研究会・シンポジウム 実施報告

公開研究会「舞台映像の継承のために」

日時:2015年11月4日(水)14:00〜17:00
会場:早稲田大学 早稲田キャンパス6号館 3F レクチャールーム
登壇者:三浦和己氏(国立近代美術館フィルムセンター)、高野明彦氏(国立情報学研究所)、福井健策氏(弁護士)

 「映像記録保存媒体の特性」「デジタル・アーカイブの現状」「舞台映像の著作権」の三点について、それぞれ専門家を招聘しお話しを伺った。舞台芸術・芸能関係映像資料の保存とデジタル化に関する研究会を公開で実施することで、資料を次代へと継承していくための理念や基礎知識を広く共有することを目的として実施した。


シンポジウム「舞台芸術のアーカイブをめぐって」

日時:2015年12月7日(月)13:00〜18:00
会場:早稲田大学 小野記念講堂

13:00〜15:00 第一部 アーカイブと実践
登壇者:小沢 康夫氏(一般社団法人 日本パフォーマンス/アート研究所)、久野 敦子氏(セゾン文化財団)、森下 隆氏(土方巽アーカイヴ)

15:30〜18:00 第二部 劇場とアーカイブ
登壇者:神山 彰氏(明治大学・元国立劇場)、中島 豊氏(新国立劇場)、佐藤 まいみ氏(彩の国さいたま芸術劇場)

聞き手:岡室 美奈子(演劇博物館館長)、児玉 竜一(演劇博物館副館長)

 舞台芸術にさまざまな立場で関わる方々を招聘し、舞台芸術のアーカイブの現状を多用な角度から検証した。上演、保存、継承、発展。舞台芸術のアーカイブには様々な段階があり、それぞれに異なる場所や人が関わっている。本シンポジウムでは舞台芸術に様々な立場で関わる方々を招聘し、舞台芸術のアーカイブの現状をいくつかの異なる角度から検証した。
 第一部「アーカイブと実践」では上演・研究という二つの「実践」と密接に結びついたアーカイブ活動についての事例をご報告いただいた。上演からアーカイブまでを一つのサイクルとして実践するTokyo Experimental Performance Archiveと、ダンスの実践として「アーカイブ」のあり方を試行する「ダンス・アーカイブの手法」、そして研究の実践の場としての土方巽アーカイヴ。三つの実践を通してアーカイブの可能性を探った。

 第二部「劇場とアーカイブ」では劇場内にライブラリーを併設する三つの劇場に関係する方々をお招きし、舞台映像や周辺資料の保存と活用・デジタル化についての現状と課題についてお話をうかがった。来たるべくデジタル・アーカイブの時代を見据え、劇場が果たすべき役割を検討する場となった。


成果報告会 『夏芝居ホワイト・コメディ』上映会&トーク

日時:2016年1月25日(月)14:00~16:30(開場13:30)
会場:早稲田大学小野記念講堂
トークゲスト:渡辺美佐子氏(俳優)、白石加代子氏(俳優)、大笹吉雄氏(演劇評論家)
司会進行:岡室美奈子(演劇博物館館長)

※映像素材についての解説(演劇博物館助手 木原圭翔)

早稲田大学演劇博物館では2015(平成27)年度、渡辺美佐子氏より複数の貴重な舞台映像資料をご寄贈いただいた。寄贈いただいた映像資料の多くは、現在では再生機器が入手困難な1/2インチVTRに保存されたものであり、演劇博物館では今回、媒体の劣化による映像資料の喪失の危険性と資料そのものの貴重性に鑑み、映像資料の一般への公開を視野に入れたデジタル化をおこなった。
本上映会では、渡辺美佐子氏より演劇博物館へとご寄贈いただいた貴重な舞台映像資料の中から『夏芝居ホワイト・コメディ』の舞台記録映像を上映。『夏芝居ホワイト・コメディ』は鶴屋南北を原作に鈴木忠志氏が演出を手がけ、早稲田小劇場のメンバーと渡辺美佐子氏、観世榮夫氏、白石加代子氏、吉行和子氏らが共演した作品で、これまでに公開で上演記録映像が上映されたことはなく、今回の上映は大変貴重な機会となった。作品の上映後には、渡辺美佐子氏と白石加代子氏をお招きし、演劇評論家の大笹吉雄氏とともに当時を振り返るトークを開催した。

『夏芝居ホワイト・コメディ』(1970、アートシアター新宿文化)
原作:鶴屋南北
演出:鈴木忠志
美術:高田一郎/音楽:阿部公甫/照明:浅沼貢/効果:サウンド・クラフト/舞台監督:大野泰/演出助手:手塚俊一/制作:岩渕佐津夫
出演:岡村春彦、小野碩、観世栄夫、高橋辰夫、辻本勝義、蔦森皓祐、浜村純、林昭夫、深尾誼、白石加代子、吉行和子、渡辺美佐子、他

<トークゲスト プロフィール>
渡辺 美佐子
1932年10月23日生まれ。東京都港区出身、AB型、東京都在住。俳優座養成所3期生。

『ひめゆりの塔』(1953/今井正監督)で映画デビュー。 第9回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞した『果てしなき欲望』(1958/今村昌平監督))など多くの日活作品に出演。 1982年から2010年の28年間で通算648回、一人芝居「化粧」・「化粧 二幕」を上演。 1997年に紫綬褒章、2004年には旭日小綬章を受章。映画出演は100本以上。2015年 菊田一夫演劇賞特別賞受賞。

大笹 吉雄
演劇評論家。1941年大阪府生まれ。今治市で育つ。早稲田大学文学卒。出版社を退社後、演劇評論活動を始める。著書に85年『日本現代演劇史』全8巻(サントリー学芸賞)、91年『花顔の人 花柳章太郎伝』(大沸次郎賞)、2007年『女優二代 鈴木光枝と佐々木愛』(読売文学賞)、2010年『新日本現代演劇史』全5巻(河竹賞)、2013年『最後の岸田國士論』(芸術選奨文部科学大臣賞)など多数。