運動と脳、こころを眠りから科学する

お知らせ / Information

研究 / Research


概要

「睡眠負債」、すなわち慢性的な睡眠不足は、高血圧や糖尿病など生活習慣病、うつ病や認知症などのリスクを上げることがわかっています。日本はあらゆる調査においても、睡眠時間が世界で最短を争う「睡眠負債大国」でもあります。
 健康そうに見えるアスリートも、例外ではありません。睡眠不足による日中の眠気は、注意集中力を要する技能のパフォーマンスの低下だけでなく、練習中のケガなど事故の危険性が高まることも実証されています。またアスリート特有のメンタル・睡眠の問題も科学的な実証はまだまだで、現場も試行錯誤で困っているという話も聞きます。
 
 食事、運動、それに睡眠は、健康の三要素です。この三要素は、健康なメンタルを保つうえで欠かせません。その意味からも、国民の健康増進、アスリートのコンディショニング・パフォーマンスを考えた場合、身体運動と睡眠・メンタルの関連を研究していくことは重要だと考えられます。
 
 わたしは精神科医として、うつ病や睡眠障害などの治療を、主に大学病院で行ってきました。治療していくなかで、睡眠薬だけでなく生活習慣、なかでも運動の実践が、こころの病気の治療や予防だけでなく、人間が元気に過ごすうえで大切ということがわかってきました。これまで研究・実践してきた睡眠の知識と経験を、スポーツというフィールドで社会に還元していける研究を目指しています。
 
 現在検討中も含めて、研究プロジェクトは次の通りです

 
  • 睡眠負債が運動に関連する脳機能(注意機能)におよぼす影響についての研究
  • アスリートの睡眠障害(不眠、ジェットラグ、睡眠時無呼吸症候群など)の実態調査とその対策
  • ケガなどで離脱した選手の復帰及びメンタルサポートの確立
  • 発達障害(注意欠如・多動症)傾向が睡眠障害(日中の眠気)に与える影響の研究
  • 脳震とうによる睡眠障害・精神障害の調査
  • 疲労回復に役立つ睡眠環境の整備についての研究

メンバー / Member

 

准教授 西多 昌規 / Masaki Nishida, M.D., Ph.D.

 
略歴
1970年 石川県羽咋市に生まれる
1989年 金沢大学教育学部附属高校卒業
1996年 東京医科歯科大学医学部卒業
1998年 国立精神神経センター武蔵病院(現 国立精神神経医療研究センター病院)レジデント
2000年 茨城県立友部病院(現 茨城県立こころの医療センター)
2002年 東京都精神医学総合研究所(現 東京都医学総合研究所)研究員(内田直先生 2005年3月まで)
2005年 ハーバード大学精神科睡眠認知センター 客員研究員(Matthew P Walker先生)
2008年 東京医科歯科大学大学院 精神行動医科学 助教
2011年 自治医科大学精神医学教室 講師
2015年 スタンフォード大学医学部 睡眠生体リズム研究所 客員講師(西野精治先生)
2017年 早稲田大学スポーツ科学学術院 准教授
 
 
日本精神神経学会 精神科専門医・指導医
日本睡眠学会 睡眠医療認定医
日本臨床神経生理学会認定医(脳波部門)
日本老年精神医学会専門医
日本医師会認定産業医
日本体育協会 スポーツドクター
 
所属学会
日本精神神経学会
日本睡眠学会
日本スポーツ精神医学会
日本臨床スポーツ医学会
日本臨床神経生理学会
日本老年精神医学会
日本産業精神保健学会
American Academy of Sleep Medicine
Society for Neuroscience
 
研究以外のプロフィールは、精神科医・西多昌規 Official Websiteをご覧ください。


助教

塩田 耕平
 

修士課程

上田 尚徳(M2) 
村田 優介(M1)


学部

市瀬 敦士 今村 亮太 片岡 拓海 戸澤 壮一 (4年)
石川 諒 岩佐 美理香 衣川 紗菜 須山 崇太郎 立花 慶人 豊田 啓太 松本 将大 吉田 妃菜 千葉 大士 山本 慶(3年)

業績 / Publications

 

*Featured Articles

  1. Nishida M, Kikuchi S, Miwakeichi F, Suda S. Night Duty and Decreased Brain Activity of Medical Residents:  a Wearable Optical Topography Study. Medical Education Online, 2017;22(1):1379345.
  2. Nishida M, Kikuchi S, Nisijima K, Suda S. Actigraphy in patients with in major depressive disorder undergoing repetitive transcranial magnetic stimulation: an open label pilot study. J ECT. 2017;33(1):36-42.
  3. Nishida M, Kikuchi S, Matsumoto K, Yamauchi Y, Saito H, Suda S. Sleep complaints are associated with reduced left prefrontal activation during a verbal fluency task in patients with major depression: A multi-channel near-infrared spectroscopy study. J Affect Disord. 2017;207:102-109.
  4. Yoshiike T, Nishida M, Yagishita K, Nariai T, Ishii K, Nishikawa T. Altered Sleep Spindle in Delayed Encephalopathy after Acute Carbon Monoxide Poisoning.J Clin Sleep Med. J Clin Sleep Med. 2016;12(6):913-5.
  5. Nishida M, Nakashima Y, Nishikawa T. Slow sleep spindle and procedural memory consolidation in patients with major depressive disorder. Nat Sci Sleep. 2016; 28;8:63-72.
  6. Nishida M, Kikuchi S, Fukuda K, Kato S. Jogging therapy for hikikomori social withdrawal and increased cerebral hemodynamics: a case report. Clinical Practice & Epidemiology in Mental Health. 2016, 12: 38-42.
  7. Makiguchi A, Nishida M, Shioda K, Suda S, Nisijima K, Kato S. Mirtazapine-induced restless legs syndrome treated with pramipexole. J Neuropsychiatry Clin Neurosci. 2015;27(1): e76.
  8. Nishida M, Nakashima Y, Nishikawa T. Topographical distribution of fast and slow sleep spindles in medicated depressive patients. J Clin Neurophysiol. 2014 ;31(5):402-8.
  9. Nishiyori Y, Nishida M, Shioda K, Suda S Kato S. Unilateral hippocampal infarction associated with an attempted suicide: a case report. J Med Case Rep. 2014 23;8:219.
  10. Yamauchi Y, Kikuchi S, Miwakeichi F, Matsumoto K, Nishida M, Ishiguro M, Watanabe E, Kato S. Relation between parametric change of the workload and prefrontal cortex activity during a modified version of the 'rock, paper, scissors' task. Neuropsychobiology. 2013;68(1):24-33.
  11. Ozaki A, Nishida M, Koyama K, Ishikawa K, Nishikawa T. Donepezil-induced sleep spindle in a patient with dementia with Lewy bodies: A case report. Psychogeriatics. 2012;12(4):255-8.
  12. Nishida M, Nariai T, Hiura M, Ishii K, Nishikawa T. Memory deficits due to brain injury: Unique PET findings and dream alterations. BMJ Case Reports 2011; doi:10.1136/bcr.09.2011.4845.
  13. van del Helm E, Nishida M, Walker MP. Sleep-dependent facilitation of episodic memory details. PLoS One. 2011;6(11):e27421.
  14. Gujar N, McDonald S, Nishida M, and Walker MP. A role for REM sleep in recalibrating the sensitivity of the human brain to specific emotions. Cereb Cortex. 2011 Jan;21(1):115-23.
  15. Uchida S, Nishida M, Shioda K, Morita Y. Understanding human biological rhythm. Therapeutic principles of bright light and melatonin for sleep disorders of circadian rhythm. Indian J Sleep Med 2010; 5.1, 8-12.
  16. Nishida M, Pearsall J, Buckner RL, Walker MP. REM sleep, prefrontal theta and the consolidation of human emotional memory. Cereb Cortex. 2009 May;19(5):1158-66.
  17. Nishida M, Walker MP. Daytime naps, motor memory consolidation and regionally specific sleep spindles. PLoS One. 2007 Apr 4;2(4):e341.
  18. Nishida M, Nakamura Y, Aosaki N. Prevalence and characteristics of depression in a Japanese leprosarium: from the viewpoints of social stigmas and aging; a preliminary report. Lepr Rev. 2006 Sep;77(3):203-9.
  19. Nishida M, Uchida S, Hirai N, Miwakeichi F, Maehara T, Kawai K, Shimizu H, Kato S. High frequency activities in the human orbitofrontal cortex in sleep-wake cycle; Neuroscience Letters 2005 379 : 110-115.
  20. Nishida M, Hirai N, Miwakeichi F, Maehara T, Kawai K, Shimizu H, Uchida S : Theta Oscillation in the Human Anterior Cingulate Cortex During All-Night Sleep; An Electrocorticographic Study. Neuroscience Research 2004 50(3) : 331-341.
  21. Miwakeichi F, Galka A, Uchida S, Arakaki H, Hirai N, Nishida M, et al. Impulse response function based on multivariate AR model can differentiate focal hemisphere in temporal lobe epilepsy : Epilepsy research 2004 61(1-3) : 73-87.
  22. Nishida M, Nakamura M : Use of Perospirone on obesity and diabetes mellitus in patients with schizophrenia: Three case reports. International Clinical Psychopharmacology 2004 19: 41-43.
  23. Nishida M, Kato M, Uchida S, Onuma T : Benign Adult Familial Myoclonus Epilepsy with Depressive State ; A Case Report. Neurology Psychiatry and Brain Research 2001 9: 37-40.
  24. Uchida S, Nishida M, Hirai N et al.: Does hippocampal theta exist in the human brain? Neurobiology of Sleep Wakefulness Cycle 2001 1: 1-8.

 

書籍

スポーツ精神医学 改訂第2版(診断と治療社)

講義 / Lecture

スポーツ精神医学

 スポーツに関連する「精神医学」を学びます。スポーツ精神医学の臨床には、スポーツ選手の精神医学的問題の治療と予防、および精神障害の治療としてのスポーツが含まれます。脳震盪や頭部外傷などによる精神障害にも触れます。精神医学および神経学の基礎について概要について講義し、その後にスポーツに関連した精神医学的、神経学的問題について個別的に学んでいきます。精神科の病気は気持ちが弱いのではなく、身体と同じような病気であることを十分理解し、社会人になって問題に対してより適切な対応ができるような知識を身につけられることが目標です。
 (春学期)

スポーツカウンセリング

 心理カウンセラーを養成するというよりは、スポーツカウンセリングの基本的な知識を学ぶことを目的としています。このような知識は更にカウンセラーとして仕事をしたい人たちへの導入となると同時に、中学高校教師、アスレチックトレーナーやスポーツ指導者の立場でスポーツ現場にいる学生やアスリートの精神的な問題にどのように対処すべきかについて学びます。一般社会人のソーシャルスキルとしても、役立つと考えます。
(秋学期)

演習 脳と心とスポーツ

 脳と心とスポーツは、スポーツに関わるさまざまな精神機能や脳機能やその障害などを扱います。精神機能や脳機能は、気分・集中力、睡眠、生体リズム、注意機能などを扱います。その障害として気分の障害、オーバートレーニング、睡眠リズム障害、発達障害などスポーツに関わる障害についても扱います。
 この中では、コンディショニングにおいて注目を集めてきている睡眠と生体リズムについて重点的に扱います。また、脳科学や心理学、うつ病や発達障害などメンタルヘルスに関心がある学生も歓迎します。このような分野に興味のある学生に是非参加してほしいと思っています。
2年生秋学期 〜 4年生春学期

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アクセス / Access

早稲田大学所沢キャンパス
110号館フロンティアリサーチセンター(B地区研究棟)
1階 101号室

本キャンからはかなり遠いですが・・・自然豊かで静かな場所にあります。
 
 
 

タクシー

西武池袋線狭山ヶ丘駅(西口)で下車してタクシーに乗車、「早稲田大学フロンティアリサーチセンター」と告げてください。
約2000円程度です。

スクールバス 

  • 西武池袋線小手指駅より、スクールバスが運行されています。
  • スクールバスで正門に到着した後は、正門から出ているフロンティアセンター行きのシャトルバスをご利用ください。
  • 正門以外に「南門」からもシャトルバスが出ています。
  • お車で直接お越しになる場合はナビに「〒359-1165埼玉県所沢市堀之内135-1」とご入力ください。