TOP > ネオ・ロジ研究会の活動とイベント > 分科会活動
ロジ討議
2011年度から、ネオ・ロジ研究会は今までの分科会を廃止し、毎月の月例会の2つの講演後に講演者を交えて、一つのテーマについて語り合うロジ討議をおこなっております。ここでは、会員同士の意見交換のために約一時間にわたる茶話会をおこなっています。議論のテーマは月例会前に設定され、事前に会員にお知らせします。進行役は会員の発言を促し、会員各人に想いを語っていただきます。自社の課題を発言するもよし、自社の事例を紹介するもよし、あるべき姿について語るもよし、過去の事例を述べるもよし、会員相互の情報交換や情報提供の場を提供いたします。
以下に過去のロジ討議の様子を掲載いたします。ロジ討議に当日出席した教員や会員の方に、自分の意見を含めて記述いただいたものです。紙面の都合上からこのページにはその中の御一人のレポートを掲載いたします。年度末に作成して、会員の皆さんに配布している年次報告書にはすべてのレポートを掲載する予定です。
5月度ロジ討議 『 大成建設倉林様と話そう 』 2012年5月17日
今回は、ゲストスピーカーのお二人とも参加頂くことができ盛況であった。討議の前に行われたお二人の講演は大変内容が濃く、話題が絞りきれない程多方面に言及されることになった。
カプスゲル社については段取りのリードタイムやラインの配列(バイプライン処理の有無等)の質疑の中で、①3交替24時間溶炉を稼動し続けている理由は一旦溶炉を止めると安定運転までに長いリードタイムを要するという制約から、現在の生産体制が維持されている、②消費期限があり、米、仏より輸入している原料のゼラチンは3年、カプセル自体は5年であること、③偽造カプセル防止や患者が呑んだか否かのトレーサビリティーの確立については、胃では溶けず腸に到達した段階で溶けるカプセル成分の開発、などカプセルメーカーのSCMにも課題が多いことが特徴的だった。
一方数々の成功事例を発表された倉林氏には、その先見性と実行力の源泉について大成建設DNAを感じるお話しを頂き、低迷経済下だからといって利益優先のコアビジネスにしがみ付いてばかりでなく、コアビジネスから派生したノン・コア分野への挑戦なくしては生き残ることは難しくなると説明された。海水プラントや野菜ファクトリーなど積極的に未知の分野に飛び込み、幾多のハードルを乗り越えながら結果を出す徹底した挑戦は、マネの出来ない技術力やサービス品質となっている。筆者は研究員当時倉林氏の先見力と実行力を目の当りにした経験がある。2005年に改正薬事法が施行され、製造承認から販売承認へと緩和されたことによって、医薬品のサプライチェーンは劇的に変化した。その3年前にこの制度改正を見越した医薬品共同物流に関する氏の研究レポートを拝見した。その後著名な製薬会社16社が参加する共同物流運営会社を設立され、現在も執行機能の中枢となっている。制度、インフラなどの要因と相まって日本の医薬品流通コストは欧米の4倍近くとなっているところにメスを入れた流通改革の旗手となっている。さらにPFIや街づくりなどの新たな挑戦も始まっており、次々に打ち出される戦略モデルの実現に向けたエンジニアリング本部の躍進には目を見張るものがある。
両氏の共通点は「医薬品」であり、既にビジネス接点を持っていることら、来る超高齢化社会をSCMの側面から力強くサポートして頂けるのではないかと確信した。<文責:森和彦>
3月度ロジ討議 『 AEO制度について 』 2012年3月22日
蓑田氏をお招きしてAEO制度に関する議論を展開した。味の素のような大企業だから認証を取得できるのか。中小企業では認証取得は難しいのではないかという質問をしてみた。味の素の課題は製品の種類が多かったことも申請に手間暇がかかったらしい。もし製品の種類が限られた数のものであれば、申請はそれほど面倒ではないという。企業の規模よりもその方が大きな要因になるようだ。実際味の素でも、この分野での管理体制は2名だという。
税関の手続きが簡素化されるというのは大きなメリットである。人は待つことに苛立ちを覚えるが、AEO認証保持の会社は税関の窓口が異なるそうだ。長い待行列を尻めに税関手続きがスムーズに進むのは気持ちいい。そのためには、自社のセキュリティーとコンプライアンスが税関が認めるレベルになければいけないというのが、認証取得の前提条件になるわけだ。
人は生まれながらにして善人であるという日本的考え方に比して、米国では性悪説のようで、かれらの同じ様なシステム(C-TPAT)ではチェック項目が厳しいらしい。特に、アメリカでは認証審査が厳しくて、そのために日本企業を訪問してチェックをかけることもあるらしい。<文責:藤田精一>
2月度ロジ討議 『 小規模自律分散生産システムの試み 』 2012年2月16日
ここでは小規模生産が論じられたが、乗用車の組立を1分のピッチで流せば8時間で480台となり、タイヤは1台4本で1920本/日 要することになり、このケースで定めた2000本/日は少しも小規模でない、という発言があり、むしろ、売れるだけ作る最適規模モジュール生産という言葉の方が説得力があるのではないかということになった。
確かにこれは市場を規定し、その販売をサポートをする規模の工場というイメージである。市場をどう区分するかという問題が生ずるが、一つの工場でサービスできる市場という範囲は新しい輸送のコストモデルで解決できるだろう。これは生産拠点の最適分散と裏腹の問題だ。その際、最適規模モジュール生産を支える生産技術の重要性を認めた上で、着々とこの技術の蓄積を増やし、それを新しい市場領域をターゲットにして、徐々に吐き出すということだろうか。そうではないと、やはり大量生産の特徴はこのモジュールにいつまでもついてまわり、設備費の削減は得られずコスト削減効果は得られない。
小規模生産を最適規模モジュール生産といいかえてみたが、これなら従来の量産型の工場でもここに包含できる。そして小規模の場合はこれを支える設備をこれにふさわしく改良することが大切だ。分散化された工場は互いに協調して全体最適のために情報を交換して行動することはもちろんである。<文責:高橋輝男>
1月度ロジ討議 『 食品業界のロジスティクス 』 2012年1月19日
食品の賞味期限問題について意見交換をした。我々の「もったいない」という考えからすれば、賞味期限切れの食品を廃棄するほどもったいないことはない。賞味期限の定義にもよろうが、廃棄している商品が賞味期限切れだからといって、食べることができないかといえばそうでもない。かと言って消費者はできるだけ新しい商品を買おうとする。さまざまな矛盾の中で、この期限の問題が論ぜられるのが一般的だ。ちなみに大学の講義の内容にも賞味期限をつけたら、どうなるのであろうか。誰かオピニオンリーダーが声高らかに、この賞味期限問題を改善しようと叫ぶべきなのかもしれない。これが緩和されると、物流コストは大幅に削減できることは間違いないのだから。
ロジ討議の席に、食品・飲料メーカーが参加されたので、共同配送の問題を検討してみた。かれらは共同配送をしているが、どうも積極的に推進したようには思えない。自然発生的に、はじまったようだ。アサヒビールとカゴメの間には資本提携があり、両社にとってメリットがあるならやってみようというスタンスで始まったようだ。<文責:藤田精一>
12月度ロジ討議 『 グローバルロジスティクスの展開 』 2011年12月15日
正木氏、濱崎氏を交えロジ討議をおこなった。講演の中で感じた様々な質問に回答いただくとともに、意見交換を行った。物流子会社が機能を発揮するためには、多くの物流企業では、外販比率を高めるように動いている。他社のように外販比率が8割近いところもある。東芝ロジは約3割程度のようだ。濱崎氏が指摘するように、ロジ分社化のメリットはある。ロジ分社では当然、ロジがコアコンピタンスであるから、そのマネジメントにはロジの知見が要求される。昇進の機会もあるだろうし、昇給機会も多いはずだ。
自分は、ロジが生産と一体化する方向がいいと思っている。9月ネオ・ロジ月例会では日産の事例が、10月列例会ではクリナップロジの事例が示された。ロジスティクスが設計に運びやすい製品設計を提案する。設計の段階から運びやすい方法を織り込んでいくのだ。あるいはロジスティクスが生産に近づき、生産がロジに引っ張られる形で事業展開される。そういった活動事例がもっとあって欲しいと願っている。
米国における商習慣は日本ではまだ遠慮がちにおこなわれる。米国では返品制度とか、日本では消費者のわがままとも受け取れる行為が認められている点を濱崎氏は指摘された。文化の違いと言えばそれまでだが、日本もいずれそうなっていくのかと思った。<文責:藤田精一>
11月度ロジ討議 『 物流共同化を超えて ~社会システムの開発をどう進めるか?~ 』 2011年11月17日
第二講演者の津久井氏をお迎えして「物流共同化を超えた社会システムの構築」というご講演を一部踏襲したテーマでロジ討議が行われた。はじめに津久井氏が七期就任されていた「プラネット物流」の成功事例が紹介された。プラネット物流は、日雑業界の共同物流を意図してライオン他日雑メーカーが共同出資し組織されたが、発足当時からライオンの小林社長は「卸中抜き」が目的ではなく、むしろ優秀な卸を活かしたいという方針であったと説明され、T11型パレットの採用、包装表示の統一、全品バーコード貼付など数々の物流合理化のための標準化に貢献された。
しかし、流通合理化の波は、やがて「卸中抜き論」となり、生き残りを掛けた統廃合が展開された。その結果医療品関連では二大卸の寡占状態になっており、さらにエンドユーザーである病院等への直納ニーズも高まっている。こうした現象を生んでいる原因として「企業競争原理」が根底にあるのではないか、という問題提起がなされた。これついて従来の競争原理は相手を倒す「ボクシング」型であったが、次世代に必要な競争原理は「いかに顧客ニーズに対応できるか」という価値を売り込む対象を明確にしたソーシャルシステムの構築にあるのではないかという結論が導き出された。そのためには物流共同化は、自社利益を極大化したいという1つの企業エゴを乗り越えて、真に顧客ニーズに対応するための「協働化」があるべき姿になるであろうという提言がなされた。
東日本大震災、タイの大洪水などによる自然災害によってサプライチェーンが分断され生活物資の供給難、メーカー生産停止などの被害を受け、日常生活や景気の低迷に大きく影響を及ぼした。このことは物流が国内のみならず国際間においてもライフラインと同等の「社会システム」であることを明確に示している。企業がその立場を乗り越えて協働化することが重要であると同時に、国策として物流の社会的地位を高めていく国の働きかけはさらに不可欠になるであろう。<文責:森和彦>
10月度ロジ討議 『 クリナップグループが目指すサプライチェーンマネジメント 』 2011年10月20日
討議はクリナップロジスティクスの大竹氏を交え、氏の講演内容の話題で種々の意見が交わされた。話題の1つが共同配送についてであった。共同配送の相方を選定する基準について大竹氏から意見をいただいた。答えとしては、特にそのようなものはないが、例えば食品との共配は、匂いが移るという点でふさわしくないということであった。また、共配するときに、他社との立地関係はもちろんであるが、納品時間にずれがあった方が良い、という点はなるほどと思われた。また、競合他社はやはり避けるべきとの考えもお聞きした。
筆者はかつて東京都区内のカメラの共同配送実現のプロジェクトに参加した。入札を物流企業5社にて行ったが、中に通常の宅配に乗せるという提案があり、種々雑多な宅配に交じる食料品の「匂い」が移るという点が落選した理由の一つであった。また、競合6社の呉越同舟であるので、値段の載った伝票が見えるのではないか、という懸念があったが、これはEDI化などでクリアーした。この共同配送のカメラの届け先であるお店の最大のメリットは、カメラ6社からの納品対応が同時完了するという点であった。クリナップの異業種共同配送は、荷姿の大小などにばらつきがあっても、逆に納品時間差があることが多く、かえって共配メリットがでる。その他大竹氏の言外にもいくつかのノウハウが実践の過程で蓄積されていると想像できた。今後も着実に参加企業を増やしていかれれば、理想的な共配のモデルが完成すると期待できる。
また、話題の1つに「機会損失」があった。大竹氏は、機会損失の実態は分らない、分からないから気にする必要はない、という内容を言われる。日本のメーカーでは、在庫削減を推進しようとしたとき、営業側が金科玉条のように「機会損失は絶対あってはならない」を振りかざし、大反対勢力となった。その結果、膨大な在庫を抱え、多大な廃棄をしてきた企業が多い。しかし、極論すれば「機会損失がゼロ」という企業は存在しない。また、大竹氏が言われるように、「機会損失」のKPIを把握しようとしても、信頼性のあるデータは得られないと思われる。クリナップでは「機会損失」という実体のない亡霊を無視し、在庫責任を持たない営業部門を一蹴して「中間在庫ゼロ」を達成されたことは、実に理にかなっており素晴らしい英断だったと思われる。<文責:酒井路朗>
9月度ロジ討議 『 震災を体験してSCに求められること 』 2011年9月15日
大震災を契機としてSCの重要性が再認識されている。今回は、国際連合大学の菊地先生(社会人類学)にも御参加いただき活発な討議が行なわれた。
参加者の多くから提起された問題として、「部品の共通化」ということが求められるのではないかという指摘があった。それと同時に、供給網(SC)のフレキシビリティも求められていることにも話が及んだ。可視化された在庫を持つためのシステム投資が重要であるとの提言もあった。ダイフクでは調達先が被災することはなかったが、複数調達先を持つ必要性は実感したと言う。部品共通化のメリットは工場・サプライヤーロケーションに影響する。ただ、現実の部品共通化は部品メーカーが強くならないと実現することは難しいであろうとの指摘があった。完成品メーカーに独自規格へのこだわりを捨てることを求めることの難しさを、多くの討議参加者が感じていたようであったのが印象に残った。
1995年の阪神大震災では社会人類学・医療震災学等の研究から住居を安全な所へ移すことが重要とされたそうである。仮設住宅での孤独死も問題となった。阪神大震災からの教訓として東日本大震災では、まちづくり・介護といった人間中心の復興が模索されるべきではないか。SCを考える際にもこれまでのモノのみを対象と捉えたビジネスロジスティクスから感情を持ったヒトも対象と考えるソーシャルロジスティクスという発想が重要になっていくのではないかという指摘がより説得力を持って討議参加者の胸に響いたようである。今後は、SCの評価にもそういう視点が必要になっていくのであろう。<文責:高坂彰>
7月度ロジ討議 『 輸送は需要変動にどう対応すべきか 』 2011年7月21日
本日の講演に対する自由討論であったが、実質的に共同物流のあり方、実現に向けての課題についての議論が中心であった。なかでも、共同物流が複数の参加主体にとって相互にメリットがあると理解されている状況でも、競合企業としての競争意識や企業秘密の流出懸念が実現の大きな壁になっているという意見や、この壁を乗り越えるためには、参加者の中に強力なリーダーシップの推進者が必要ではないか、という意見が数多く聞かれた。また、得られた利益をどのように参加者に公平に配分するかという問題も難しく、大きな壁になっているという指摘があり、結局リーダーとなる企業が推進役として、自らの利益を削って参加者に配分することで成立しているのが実態ではないかという意見もあった。
共同物流の壁としては参加企業間の競争、利益・損失配分のほかに、参加業種・企業範囲や倉庫・輸送・調達・情報など業務範囲枠をどこまで設定するかなどの課題が山積みである。この壁を乗り越えるためには、討論でも指摘された通り、中心となる推進者の強力なリーダーシップが鍵となる。ただし、そのリーダーシップは企業の創業者のようなカリスマ的なものではなく、共通の認識は保有しつつも立場・利害の異なる参加者間の調整と提案を、誠実に対等の立場で忍耐強く繰り返していくような性質のものであろう。
わが国の国際競争力確保・維持の問題も、過剰品質とは異なる、コストとバランスの取れた、人財も含めた品質を高め、あるいは維持していくため、関係者が協同して全体最適を追及していくことが日本経済生き残りの道ではなかろうか。3月の大震災以降の被災地の方々や支援者の誠実な行動を省みるにつけても、このことを痛感する。
なお、今回の月例会の2講演とロジ討論にはいつもに増して一貫性が保たれ、個々の講演から得られる知識以上の統合的な理解が得られ、非常に有意義であったと感じた。特に講師の三村氏、吉田氏とアレンジされた椎野先生に深く感謝いたします。<文責:中澤喜久雄>
6月度ロジ討議 『 協力企業との良好な関係の維持 』 2011年6月16日
今回で3回目になるロジ討議であるが、後半の講演者能智氏をお迎えして「協力会社との良好な関係構築」というテーマについて活発に討議が行われた。折しも3.11大震災に伴うSCM対策においてパートナーとの協調関係がどのように実施されたかという点を中心に討議が展開された。ビールメーカーでは物流子会社との迅速な対応で被災地の拠点が担っていた物流機能を新潟に移管し、正常化を強力に推進した事例が紹介された。さらに一企業で出来る大震災対応策には限界があり、社会的に解決すべき問題も数多く残されているという波及的な議論もなされた。
次にサプライヤー管理に話題が転じ、二社購買体制や協力会社パート社員の戦略化など具体的な管理手法について参加各社で実施されている事例などを交えて討議が進んだ。
総じて協力会社との良好な関係構築は、平常時は勿論のこと、緊急時においてはさらに強力なトップ同士の関与が必須であることを参加者全員が確認したと思われる。今月の参加者は15名であった。<文責:森和彦>
5月度ロジ討議 『 TOCの諸問題について 』 2011年5月26日
この場で話題となったテーマとその概略につき記す。
(1)京セラ・稲盛氏の「アメーバ経営方式」についての議論から入った。これらの理論は世の中に効果のみが強調され、これらの裏にある「協力、強調」という側面が抜け落ちて一人歩きしているのではないか。
(2)ビール工場の製造は流れとしてうまくいっていると思われるのに、在庫が減らない原因は何か?
(3)生産段階では無在庫経営といわれるトヨタが販売会社段階では製品在庫を抱えている。
(4)トヨタのすばらしさは、豊田英二氏と大野耐一氏のコンビネーションにあった。
(5)OPTとTOCのつながりは?
(6)日用品雑貨業界における問屋の新機能の開発=在庫回転率UP→取引先の余白スペースに自社商品拡大→小売業・卸売業の利益拡大(銀行に金利を払うより、仕入れで売上をUPしたほうが有利だろう=これはTATAの戦略と共通)
(7)TOC理論を地方に展開するよい方法はないものか?→地方に広めるのであれば、単なる概念ではなく、実証を踏まえて、より分かりやすい形での普及が重要。→インストラクター養成の方向か?
コメント(第2講演・討議をあわせて):何が出てくるのかと思っていたら、タイトルの人物の実践と理論をベースにした、経営の中における「パラダイムシフト」についての実証的裏づけのある講演であった。当方は、流通・マーケテイングを専門にしており、これらの中で、在庫問題をかなり掘り下げ、具体的に実効性あるシステム・モデルを作ってきているが、今日の講演は、これらへの理論付けと同時に違った角度からの説得であった。ただ、全体として説得性があるのだが、ストーリーと話の展開としては、これら理論を世の中への啓蒙という形で行おうとしたときには、いまひとつ実践へ向けてのロジックの整理と平易な翻訳と工夫が必要と思った。今のままだと、言葉も実践もほんの一部の人たちだけの所有物に終わってしまいそうな気がした。SCMということが急速にビジネスの表舞台に出てきているが、結局のところ、今日のようなセオリーの視点と実践なしでは、単に一気通貫の概念に終わってしまうと思われる。この意味で、今日のTOC理論をより分かりやすい形でSCMに関係付けて広く社会に強力に普及させていくことが必要と思った。<文責:吉岡洋一>
4月度ロジ討議 『 RFIDについて 』 2011年4月14日
バーコードよりRFIDが優れた機能は、大記憶容量、見通し外通信(物陰に隠れていても通信できる)、耐偽造性、書き込み機能、汚れにくいといった点がある。白石氏(サトー)はそれに「読みやすさ」をいう機能を追加された。病院の患者にRFIDのタブを巻きつけておけば、服の上から患者の認識ができる。私たちは積極的にRFIDの適用範囲を見出す必要がある。討議の中では組み合わせ技術によって、RFIDを組み込んだ新製品が作り出され、それが牽引になってRFIDが普及するという意見もあった。
新技術が爆発的に普及しないというのは、歴史的にも多くの事例がある。真空管がトランジスターに置き換わったときも、かなりの年数がかかっている。実際、最高の真空管が作られたのはこの時期だったといわれている。バーコードとRFIDがよく比較されるが、RFIDという技術がバーコードの進展を促進させることも大いにある。ニューヨークのハドソン川に帆船が使われていたころ、蒸気船が現れた。人々は笑いを浮かべてこの蒸気船をみていた。こんなものが、交通機関になりうるはずがないというのだ。歴史的には蒸気船が帆船を凌駕していくのだが、それに50年余りが費やされているのである。<文責:藤田精一>







