ネオ・ロジ月例会のご案内とご報告

施設見学会

このページでは施設見学会の報告をします

ニッカウヰスキー宮城峡

2015年6月7日

 仙山線作並駅から国道48号線を1.5㎞ほど仙台方向へ戻ったところに、ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所がある。道路際に赤レンガの建屋が連なり、道路との間に広瀬川が流れている。実際、ここは新川(にっかわ)との合流地点でもあり、緑豊かな自然に囲まれている。敷地は創業当時から18万平米で東京ドーム4つ分だそうだ。
 当日はアサヒビール物流担当山本氏にご同行いただき、蒸留所では鈴木氏(サービス部)がネオロジ会員8名を特別にご案内くださった。梅雨空の天気にも関わらず、蒸留所を訪れるビジターの数は目を見張るものがある。NHK テレビでドラマが流されてから訪問客は倍増し、あわせてニッカウヰスキーは現在は在庫が足らなくて困っているという。
始めに見学者待合室のパネルを使って、モルトウイスキーの作り方を説明いただいた。製麦、乾燥、糖化、発酵、蒸留、貯蔵(熟成)の一連の流れをたどった。それに合わせるように施設見学も乾燥棟、仕込棟、蒸留棟と現場を見せていただいた。中でも、蒸留棟はポットスチルとよばれる蒸留器が8つほど並んでいた。創業者の竹鶴政孝は世界でもまれなカフェ式連続式蒸留機を用いている。導入当時からきわめて旧式とされていたが、原料由来の香りと成分をしっかりと残すため、竹鶴はあえてカフェ式を選んだという。モルト原酒スチームでゆっくりと蒸留して得られるそうだ。ポットスチルにはしめ縄が飾ってあった。
 一連の施設を見たあとは ゲストハウスで試飲、鶴17年、宮城峡12年、アップルワインなど好きなだけ試飲できた。ゲストハウスには竹鶴夫妻(政孝とリタ夫人)のノート、当時のメモなども展示してある。日本で本物のウィスキーをつくるという夢をいだき、単身スコットランドへ渡った。頭のよい日本の青年が、一本の万年筆とノートでウィスキーづくりの秘密を盗んでいったと、英国主相が言ったそうだ。
最後に、鈴木氏が土曜日にもかかわらず、事務所棟の応接室にて質疑応答にお答えくださった。たとえば、宮城峡12年というと最低12年のながい年月貯蔵した原酒をブレンドして作り上げる。したがって、樽の中で原酒は保存され、簡単には現在の製造量を増やすわけにはいかないそうだ。テレビドラマのストーリーが終えた後年、政孝は北海道余市の次に宮城峡をたちあげている。宮城峡の原酒をブレンドして政孝は「違うな」と言ったそうだ。意にそぐわないものができたのか?政孝は「これでいいんだ。余市とは違うものを作りたかった」と答えたという。自分の想いをこめた本物のウィスキーができたのだろう。鈴木氏はClear Blackというウィスキーに宮城峡12年をほんの数的加えて、われわれに香を確かめるよう言われた。まったく香のことなるウィスキーになる。これがブレンドの醍醐味のようだ。

                                                        藤田 精一

仙台空港&ゆりあげ港朝市

2014年6月2日(月曜日)

 仙台駅から空港アクセス線を利用して、ほぼ30分で空港駅に着いた。降車は地上駅で水平にブリッジを渡るとそのまま空港施設2階の出発ロビーに入っていく。本当に目の前に空港施設がある。旅客数は国内線で年間300万人ほどいる。東京へは成田国際空港への運行(日2便)になるので、国際線の乗継ぎの便をはかるのみで旅客数は多くない。大阪へ向かう旅客が約1/3を占めている。2年後には仙台空港運営民営化の予定であるが、需要の拡大が民営化の空港発展の最大要因になりそうだ。
 今回の施設見学の主目的は「被災・復旧状況と津波対策」について、空港の担当者から説明を聞くことにあった。我妻氏が資料をまとめてくださり、きわめて要領よく解説くださった。空港の敷地は海岸から1.2㎞、施設の端までは1.5㎞あった。津波が襲い、この空港施設に避難したのは1700名にのぼった。旅客のみならず、地域の人々、空港施設の従業員、それと介護施設のみなさんもここに避難された。当日、売店には販売用の食料があり、ほぼ3日間、人々はそれらを口にして飢えをしのいだという。ただ、電気や水はすべて止まったために、照明(とくに夜間)やトイレの水の工面は大変だった。空港ビルは基本的には3階まであるが、旅客ターミナル一階が吹き抜けになっている。だから、一階の一部に中二階があってそこに職員用のオフィスが設置されている。出発ゲートはその上の2階になる。震災で大きな被害を受けたのは、一階の部分だった。ほとんどが水没した。水の高さは、海岸から空港へ押し寄せた津波は5mと言われている。施設内は3.2mの水位になり、現在でも柱にその位置がマークしてある。
 復旧には40 億円近い費用がかかった。瓦礫の撤去などはアメリカ軍の援助もあって、大きな重機が運び込まれて効率よく行われ、その分、避難している人々もかなり安心されたようだ。窓ガラスは割れなかった、ただ、大屋根を支える支柱が破損した。それと地下の機械室の水没が致命傷だったようだ。これで電気、水道がすべて止まってしまったからだ。復旧には、そうした地下設備の水からの防御、それと保安セキュリティーシステムに注意を注いで、いざいうときも対応が可能になるよう工事が進められた。空港が被災した年(H23 年3月11日)の10月1日だった。

 施設見学では、その後、同じ空港敷地にある仙台エアカーゴターミナル(SACT)を視察した。こちらの施設は貨物の受け入れのため、震災時には停電でドックヤードのシャッターが閉じず、外部にあった車(空港の駐車場とか民家の車)が多く倉庫内に流入してしまった。それらの車が浮遊して、なおかつ発火したのだ。それで全棟が火災になってしまった。車特性の意外な面かもしれないが、車から火柱があがるという。それだけならまだしも、浮遊しているので、その火柱が施設の天井に届いてしまったのだ。
現在、施設は第三セクターが運用しており、宮城県、周辺の市、航空会社などが出資して業務を展開している。ただ貨物量がまだ十分ではない。東北産品をいかに仙台空港を通して、国内さらには国外に運ぶのかが問われている。特に国際貨物は、あまりにも量が少ない。仙台空港が受け入れる国際線に数にもよるが、現在は7路線、週16往復である。空港の努力のみでは発展は難しそうだ。国、地方公共団体をはじめとして、貨物に関連する物流業者、商社の知恵を絞る段階のように見えた。
国際貨物に比べて、国内貨物はかなり量が確保できているように見えた。また、国際空港通関の機能(税関、検疫、植物防疫、相物検疫、出入国管理など)は整っている。設備も倉庫はむろのこと、保税蔵置場、テント倉庫、燻蒸庫、冷蔵庫、冷凍庫、計量器、爆発物・麻薬同時微量検知器なども常設されている。

津波で家を失い、家族や親類、友人を亡くし、心痛んだ人々に元気を与えたい。バラバラになってしまった近所の懐かしい 顔、お茶飲みしていた親しい人たちが気軽に集まれる場所を作りたいという思いで、ゆりあげ港朝市が始まった。カナダからの支援があったので、メイプル館といわれる友好の建物が印象的だ。
ゆりあげ港朝市協同組合理事長の櫻井広行氏  (早大商学部出身)、若山陽子氏のご案内で、震災の様子をお話しいただいた。
 メイプル館には震災当日の記録映像があり、この施設を訪れる人々は自由に閲覧できる。また震災前後の街の航空写真もあって、被災の様子も手にとるように理解できた。櫻井氏の講話(というより、わたしたちの問いかけに答えていたく形だった)は、彼の熱意が伝わり、深刻さを超越した何か「たくましさ」を感じる話し方で感銘を受けた。「なるようにしかならない。頑張るしかない。多くのみなさんのお世話になった。でもしっかりと生き抜いてみせる」という思いが伝わってくる。

感想
「いま頃になって」と言われるかもしれないが、小生が東北被災地を訪れるのは初めてのことだった。将来またいつか津波が来るのかもしれない。一番大事なことは早く高台へ逃げることだ。今回は、それをしなかった人々が余りにもたくさんいたことが問題だった。被災の教訓が風化しないように、映像も残しておきたい。考えてみれば、もっともなことだ。いま、我が家の近くで関東大震災級の地震が起きたとしたら、自分は適切に対処できるのだろうか?「君は関東大震災の事を覚えていないのか」と言われても、正直何も知らない。実家の川向うに (墨田区)震災記念堂があって、子供の頃、慰霊祭の日に出かけては、壁にかかった悲惨な絵画を眺めては、「まさか、こんなことが自分の生涯に起こることはないだろう」程度にしか考えていなかった。今回のゆりあげ訪問は自然災害の認識を新たにする機会になった。理事長の櫻井氏がこの春に綴ったメモ「命を守るために」というA4三枚組のメッセージがある。3月11日に何が起きたか、なぜ被害が広がったのか、こん後の対策、避難所での生活が具体例とともに残されている。ここにあるメモの内容は一読に値する。一番大切なことは、一人一人の危機意識、感性を磨くことだ。緊急時には、自分の行動は自分が決めることだ。天災時には、他人の生命に責任を取れる人は誰もいない。深く心に刻みつけておきたい。櫻井氏の熱意に感謝する。

                                                       藤田 精一

 

TOTO株式会社千葉物流部見学記

2013年9月17日(火曜日)

 TOTO株式会社千葉物流センター(千葉DC)は、京成線勝田台駅(あるいは東葉勝田台駅)の北2kmほどにある上高野工業団地内に位置する。タクシーで10分、800円ほどで到着する。TOTOがもつ国内4つの物流拠点の一つで、この1年少しの間におおがかりな物流改革が実施されてきた。年初のネオロジ講演で執行役員の加藤正幸氏にご講演をいただているので、千葉DCの物流改革の内容はある程度把握していたが、聞くと見るでは大違いで、実際のオペレーションを見ると何がどう改善されてきたのかよく理解できた。

 構内にはTOTOの社員は33名ほど働いておられ、あとは構内請負の方々で、総勢300人が働いている。敷地面積12,430坪、建屋の大きさから見ると少し手狭になってきた感じがした。倉庫は、長方形の長い辺の北側に一棟、中央に一棟、南側に一棟あって、さらに西側には立体自動倉庫がある。立体倉庫は現在製品、部材の一次保管に利用されているという。配送エリアは東北、関東甲信越が中心である。

 倉庫の生産性を高めるために、物流リードタイムの短縮化がはかられた。物流リードタイムは、出荷お届けする品が倉庫の棚から取り出されて〕から客先に届けられるまでの時間を指している。改革に取り組む前までは物流リードタイムは平均3.9日かかっていたものが、現在は平均2日までに縮まっている。この2年間におけるおペーレーションの変化は、午前入荷・午後出荷の体制を整えてDC作業を効率化したこと、搬送ラインを撤去したこと、徹底した見える化をはかっていること、中継ターミナルを廃止したこと(工場から物流センターへの一括輸送)があげられる。こうした改善の効果は15億円にのぼるという。

 大切なことは、変化に対する気持ちと行動力だとおっしゃられた。大変、情報がおおい視察で、学べることが多い時間だった。ネオロジ会員16名が参加した。

 

味の素物流見学記

2013年4月23日(火曜日)

 味の素の工場は京浜急行大師線鈴木町駅の前にある。駅の改札口と川崎事業所とは離接している。今回見学した物流センターは事業所の敷地内にあり、味の素物流の敷地面積は27,360m2 (8277坪) の広大な施設で、原材料の搬入および製品の国内出荷を主として行っている。一言でいえばほぼ自動化された倉庫で、隣接する工場(製造課)で作られた製品を格納する機能をも果たしている。高さ30m、12基のスタッカークレーンをもつ常温パレット自動倉庫は2002年に構築された。長方形の施設の東側と北側にバースが位置し、自動倉庫は入庫保管、仕分け後の一時保管、それと出庫の機能をもっている。一見して、作業者の数は少なく、おそらくフォークリフトの運転などに携わる10数名の陣容だと思う(3シフトなので、全体ではその3倍程度の作業者がいる)。作業者が少ない反面、多数の有軌道台車が走っていて、自動倉庫への入出庫を行っている。
 倉庫以外の主要な機能として、デパレタイザーでパレットにつまれたケースを小分けにし、それをロボットがあらためあてケースをパレットに積みあげている工程があった。そしてここで作られたパレットが再度自動倉庫へ格納される。見学したこの施設は補充元拠点とよばれ、近隣の得意先への直接配送もおこなっているが、基本的には全国の配送拠点への出荷元になっている。
 施設見学では、先の2011年の東日本大震災でどのような被害があったか、現場で説明いただいた。そのトータル機能を回復するまでに2か月半を要したという。震度5の揺れで大量の製品が落下し、全国への在庫供給が滞ってしまった。それ以来、在庫の分散化、配送ルートの複線化が図られてきた。

 

見学にはネオロジでご講演いただいた田辺多聞氏をはじめ、味の素物流企画部の阿部氏、石津氏にご案内いただいた。ネオロジ会員参加者は15名であった。 

 

 

公共CREロジスクエア見学記

2013年6月11日(火曜日)

 ネオ・ロジ会員である公共CRE(㈱)社は、2010年株式会社コマーシャル・アールイー社が物流施設を中心として事業系不動産の管理および開発事業を展開してきた。2011年には株式会社天幸総建と合併して、社名を現在のように変更した。
 今回は、合併後、最新の開発物件である埼玉県草加市青柳にある草加の施設(ロジスクエア草加とよぶ)を竣工直前に拝見させていただいた。東武伊勢崎線の草加駅から5kmほど東にある位置で、周辺はまさに倉庫群である。目の前には三井倉庫が以前所有していた三井倉庫三郷ロジスティクスセンターの大きな倉庫があり、ロジスクエア草加は、それと8m通りを挟んだ向かいの位置にある4階建ての倉庫である。敷地面積4,500坪、延べ床面積9,000坪で、建物の中には倉庫と事務所がある。ただテナントの意向により、ある程度内装が変更できるように設計されており、その柔軟性はまさにこのビジネスの要になっている。テナントが入る前の倉庫施設は、どちらかといえばガランドウで、ネオ・ロジ会員6名がご担当者の案内のもと、施設の全体を歩いて見学した。一階の北面はトラックバースが34台分あり、すべての荷物はそこから搬入することになる。したがって、テナントはその荷物を垂直搬送機を使って上階へ運ぶことになる。テナントは上下に倉庫を賃借することになりそうだ。垂直搬送機はすでに6台設置され、あとから2台分を増設する余裕があった。
 この倉庫のアピールポイントがいくつかある。東西各階に女性トイレが充実している。とくに内部に小物入れの棚がある。屋上には太陽光は発電システムが全面に張ってあり、そこで発電した電気は売電をという形をとる。液状化への調査、揺れにくい構造、洪水による電源停止を配慮した計画など、災害対策・BCP対策も万全だった。
 建屋全体を隅から隅までご紹介いただいた。各階ごとにパネルの色をかえて、またそのパネルの上には見やすいサイン(たとえば、許容床荷重、有効高、照度など)計画が施されていた。普段は、見学ができない倉庫の竣工前の姿を拝見できた。

 

タカラトミーロジスティクス見学記

2012年11月20日(火曜日)

 タカラトミーロジスティクスは、東西線妙典駅からバスで10分ほど走ったところにある。プロロジスの倉庫の2Fから5Fの階を使って配送オペレーションが行われている。プロロジスの倉庫は京葉線の脇に位置しているので、この線を利用する人たちは毎日、この倉庫の全景を見ているはずだ。本年9月よりタカラトミー・マーケティングという会社がセンターに保管されている在庫資産を保有し、その配送業務をタカラトミーロジスティクスが実施している。ただ現在は、クリスマス商戦を目前に控え、以前の組織(9月以前)形態のままオペレーションが行われており、来年早々には倉庫の概要は大きく様変わりするはずだ。
 玩具の業界の大きな課題は、需要予測が難しいことだ。リピータという概念がない。食品ならば消費者が気に入ったものがあれば、その商品を何度も買い続けるが、玩具は気に入ったからといって、その玩具を何度も買うことはない。それゆえ、在庫管理が難しい。だから在庫品の半分は新製品だという。限られたスペースを使って、どのように在庫を管理していくかはこれからの課題でもある。
倉庫の半分程度は玩具の在庫品(カートン詰め)で埋まっている。在庫品はカートン出荷とバラ出荷を組み合わせて行っている。そして4Fから5Fでは、バラ製品を処理するためにソーター2機が設置され、方面別に仕分けをしている。出荷能力は一日35万ピース(5F部部のみで)である。在庫品は2万アイテム強、建屋は約17,500坪と大きい。
 お客様の夢をのせた商品を届けるために、倉庫の内部には演出があって、保管棚番号を表示する人形のキャラクターの絵や保管エリアを案内する看板が目立つ。また環境面では長距離用大型CNG(天然ガス)トラックを利用してパナソニックと共同配送で実施している。「夢を形に魅せるロジスティクスで将来を切り拓きます」というスローガンのもと、200名余りの社員が働く労働環境もしっかりしていた。 9名のネオロジ会員が視察に参加した。

横浜タイヤ三島工場見学記

2012年9月21日(金曜日)

 横浜ゴム株式会社三島工場は、三島市南二日町(ふつかまち)にある。伊豆箱根鉄道の三島二日町駅で降りると、三島工場は線路の対岸に位置している。電車が二日町駅に近づくと、車窓からタイヤ工場のシンボルであるカーボンタワーが2機見える。一つはサイロと同じような寸胴型で、もう一つはカーボンファイバーの種類別に6本の筒を束ねた型で、その高さは工場建屋の3倍くらいあるように見えた。三島工場は1946年に操業をスタートした。敷地面積は112千平方メートル(34,000坪)、敷地内の中央通からは真正面に富士山を眺めることができる。視察の当日は快晴とまではいかなかったが、富士の山頂を見ることができた。
 視察は川上の工程から川下に、工場敷地の北から南へと順に歩いて回った。かなり現場近くまで近づき、各工程の機械の稼動の様子を拝見することができた。タイヤの製造工程は混合工程から始まる。それからタイヤを構成するパーツを作る材料加工工程、それらのパーツを一つのタイヤに組み上げる成形工程が続く。そこでできたタイヤをグリーンタイヤ(生タイヤ)というが、それを加熱加圧する加硫工程が圧巻だった。早い話は今川焼きを焼くような感じなのだが、すべての作業が自動化されていた。最後は検査工程で、検査を終えたタイヤが物流倉庫へと送られる仕組みになっている。現在の生産量は日量で40,000本、24時間操業なので、ほぼ2秒に一つのタイヤが生産されることになる。
 質疑応答は会社から5名の方の参加をいただき、活発な議論がなされた。とくに最終製品をトラックに荷積みする物流の部門での作業に関心が集まった。一部で手積み作業を見たこともあり、それの自動化に対する議論や、輸送のためにレース積みといって2個のタイヤを編み物のレースのように積み上げていく方式なども議論した。またタイヤにバーコードが貼られ、トレーサビリティーが可能になっていることも認識させていただいた。
 大変見ごたえのある視察であり、特に工場の環境保全に多くの努力がなされている様子が見られた。敷地に木を植える運動が盛んで、すでに1万7000本の植樹がなされていることや、気持ちよく働ける環境を作り上げていきたいという思いを工場の随所にみることができた。今回は12名のネオロジ会員が視察に参加した。

株式会社 小松製作所・茨城工場(茨城県ひたちなか市)

2012年7月24日(火曜日)

 コマツの茨城工場は、ひたちなか港に隣接した海浜地帯にある。一昨年の震災では 海から玄関先まで海水が届いたというほど、海に近い距離にある。敷地面積35万平米におよぶ広大な敷地の中に、組立、溶接そして開発・試験センターがあり、見学はバスで移動して行われた。さらに敷地の拡大計画があり、性能テストなどの新たな区画が整備されていた。コマツの工場はもともと真岡工場が中心であったが、分工場としてここの茨城工場が建てられ、2009年に茨城工場と統合して、現在は茨城工場がマザー工場になっている。
 ラジエターやホースは別工場で製造され、この茨城工場ではそれらの部品を集約する溶接と組立が中心だ。年間2600台ほどの生産量で量的には多くはないが、何といっても製品の規模が大きい。毎日10数台の製品がひたちなか港のヤードに運ばれて、定期船の到着を待つ。リジッドダンプトラック、アーティキュレートダンプトラック それとホイールローダがラインの上に並んでいる。色は黄色と黒のいわゆるコマツカラーだが、シンプルで美しく見える。
 小型自動車と違い、超特大のダンプトラックになると、製造の位置を決めてそこで組み立てるのだそうだ。その他はかなりの大きさでもライン上を動いている。でもかなりスローなスピードである。塗装も下降気流の流れがある部屋のなかで、人力でおこなわれていた。
 これだけの規模でいて、資材の在庫倉庫はない。一日の生産に必要な資材がその日のうちに搬入されると聞いた。協力会社のみなさんがある程度の加工をして、定時納入しているようだ。管理能力の高さを表している。生産の方は平準化の必要性から、ある程度計画に依存し、完成品は港のヤードの一部を倉庫とし活用しているようにも見えた。
 とにかく素晴らしい工場だ。製造された完成品のうち80%以上が海外輸出されるため、ひたちなか港の整備が急がれる。視察では港を訪れ、コマツ物流の倉庫で、流通加工の様子をも拝見させていただいた。

UDトラックス株式会社 本社・上尾工場 (埼玉県上尾市)

2012年2月17日(金曜日)

 2006年日産ディーゼルにボルボが資本参加し、2010年社名がUDトラックス株式会社に変更となった。当然のことながら、マーケットは世界規模に広がり、従来の国内トラック主要4社の競争から、いまやグローバルマーケットを視野にいれた製造販売戦略を立てるようになった。
 UDトラックスでは大型・中型・小型トラックと主要ディーゼルエンジンを組み立てている。部品は世界から調達し、ボルボ規格にもとづいて生産される。今回はトラックとエンジンの製造工程を見学の機会を与えていただいた。トラックはシャーシを納入し、それにさまざまな装備品を取り付けていくのであるが、乗用車の組立に比べると、工程は短く整然としている。初めの工程ではシャーシをコンベアーで流して、足回りの組立を行う。車のイメージでいうと車の底の方から見る感じだ。それを工程の途中でひっくり返して、今度は運転台を取り付けていく。
 ボルボの指導では、Ergonomicsの観点からの指導が強いという。作業者の姿勢は作業のしやすさをきわめて念頭においてデザインされている。組立工程がそれに適したように動くのである。たとえばエンジンの組立工程では、AGVが組み立て中のエンジンとドッキングしていて、作業者が作業しやすいように仕掛品の角度を微妙に調整している姿が見られた。作業環境も抜群で、トラックの組立ラインに隣接するエンジン組立ラインはまるで別世界の感じがした。空調もはいり、工場には清潔感があった。
 M&Aが単に親会社の規模拡大策で、マージされた企業は指示に従えばよいというのではなく、M&Aによってこれまで国内規模での競争であったのが、グローバル規模への競争となり、マーケットが世界規模になっていく姿は、これからの日本企業の生きる道とも考えられなくもない。すばらしい見学であった。UDトラックスのみなさんが誇りを持って仕事に取り組んでいる様子を拝見でき、有意義な見学であった。

クリナップロジスティクス株式会社 いわき営業所 (福島県いわき市)

2011年11月15日(火曜日)

 クリナップロジスティクス

 常磐線湯本駅から車で10分程度走った常磐鹿島工業団地にあるクリナップの鹿島システム工場を視察した。先月ネオ・ロジ月例会でクリナップロジスティクスの大竹重雄社長のご講演を伺い、ほぼ直後の視察だっただけに、ご講演の内容をまさに裏付ける内容の視察であった。ロジスティクス機能と生産機能が直結しているのである。ロジ部門が製品を現場に納入すると、それに引っ張られる形で生産部門が製品を作っていく、まさにJITの基本概念にそった作り方である。それだけに在庫が極めて少なく、実に効率がいい。
 この工場は、木製、ステンレス製のシステムキッチンを製造している。敷地面積は77,000平方メートルで、昭和59年に創業を開始した。見学した建屋はいまから10年ほど前に建てられた新しい棟で、素材の加工、部品組立ての流れ生産になっていた。佐藤靖生氏(工場責任者)のご案内のもと、生産管理部、生産ライン、出荷場を見学させていただいた。工場には通常で一日2,100キャビネットを作る能力があるが、見学当日は繁忙期のためにそれを上回る量のキャビネットを生産していた。印象としては、見てとても分かりやすい仕組みだ。お客様からの受注から、生産、配送、現場配送にいたるプロセスのつながりが瞬時にして理解できる。
 クリナップの工場は、このいわき市に7箇所ある。あとは岡山に2つの工場を要している。配送拠点は全国69箇所のプラットフォーム(そこまでは幹線輸送)で、そのあとは支線ルートで顧客の元に運ばれる。工場の現場を拝見すると、トラックの配送時間も大きなパネルにまとめられていて、鹿島システム工場を中心とした流通経路が実に整然としている。大変意義深い視察であった。

株式会社ヤクルト本社 富士裾野工場 (静岡県裾野市)

2011年9月7日(水曜日)

 ヤクルト本社

  JR御殿場線岩波駅からタクシーで10分少し、204,500平方米(神宮球場の15倍)の緑に囲まれた敷地に、工場や物流施設が建設されている。工場は創設以来26年を経て、ヤクルト本社では一番規模の大きな工場である。生産するのはヤクルトの原液、ジョア、ソフール、ミルミルなどで、ヤクルトそのものは協力工場で生産している。
 工場の一日の生産は140万本で、266名の作業者が働いている。視察では始めに、工場概要とヤクルトの知識を伺った。シロタ株と呼ばれる菌を培養し、生きた乳酸菌の腸まで送り込む話を聞き、シロタ菌に愛着を覚えた。その晩自分はヤクルトを買いに近くのスーパーへ走った。工場には見学者用の見学ルートが用意されていて、そこからは147本のタンク(培養や調合のタンク)が整然と並んでいる様子が見える。見学通路からはさらに、充填機、液漏れや容器検査、ストローの貼付、パッキングなどの一連の工程が見渡せる。
 生産ラインの末端は冷蔵設備の整った自動倉庫であり、そこに出荷用トラックドッグが設置されていて、製品は順次出荷されていた。自動倉庫はあくまでも一時保管であり、保管型の倉庫ではない。運送トラックにも温度管理がなされ、ヤクルト菌の培養以降、製品が販売店に届けられるまでの温度管理には万全の体制としいている感じが見て取れた。
 震災で、岩手と福島の工場が稼動停止となり、富士裾野工場など他の工場は増産体制に入ったようだ。さらに電力需給の逼迫から生産は深夜から開始したという。しかし、見学時点では、体制は震災前の状態に戻っていた。工場の背後に富士山がそびえ立ち、工場を取り巻く環境は抜群にいい。14名が見学に参加した。

ブックオフロジスティクス株式会社 東名横浜ロジスティクスセンター (神奈川県横浜市瀬谷区)

2011年7月14日(木曜日)

 ブックオフロジスティクス

  ブックオフのロジスティクスセンターは南町田駅と瀬谷駅の中間の倉庫街の一角にある。4階建ての倉庫を4層にわたって、延べ約4500坪を賃借している。1階から3階まではブックオフロジスティクスが、そして4階はブックオフオンラインが操業している。2つの会社は兄弟会社で、前者が中古書籍やソフト類などのBtoBビジネスを、ブックオフオンラインはBtoCビジネスを展開している。1階から宅本便商品が入荷すると、同じフロアーで買取り査定・仕分けが行われ、受け入れた本はブックオフロジとオンラインの2社に分かれていく。この段階でリジェクトされた書籍は送り手が希望すれば手元に戻され、送り手が拒否すれば古紙回収業者へと送られていく。3階の書籍倉庫は広い床の上の書架に本が整然と並んでいて、まるで日本一広大な書店のように見えた。4階は同じようにブックオフオンラインの書架があり、コーナーにカスタマーサービスの部屋がある。月の書籍類の処理量は5万箱、約200万点にのぼる。
 書籍の管理やピッキングにはかなりの工夫が見えるが、その運搬にはコンベアーを使うわけでもなく、かなり手作業に頼る部分が多い。中でも驚きを感じたのは、新店への書籍の配送のときに、商品をジャンル別にルールにしたがって書架に並べ、並べ済みの商品はそのままの並びを保ちながら箱詰めされて、新店へ出荷される。その現場は実に見事だ。したがって新しい店が開店する場合、早いと一日で新店内の書籍をすべて並びきるという。
  そのほかにも、ある映画が封切りになって特定の書籍に関心が集まるときは、その書籍を取り置きしたり、店の特性に合わせて本を送ったりするなど、工夫をこらしている。12名の会員が視察に参加した。

株式会社加藤産業 南港流通センター(大阪府大阪市住之江区)

2011年2月14日(月曜日)

 加藤産業南港流通センターは大阪南港南にある敷地面積7000坪の広大な倉庫である。延べ床面積は11700坪で3層の倉庫になっている。160m×70mの長方形の倉庫で、180mの一面は大阪湾に接している。加藤産業が土地を購入し、施設を作り、ライフコーポレーションの商品(食品、菓子、鮭、衣料、生活関連品など)を扱っている。出荷量は35000個口/日、入荷量は60,000ケースである。入荷は午前中になされ、午前中に特売商品や生活関連品が仕分け処理される。午後は衣料・食品が扱われ、運輸会社のトラックで120店舗あまりのライフの店舗へ配送される。センター内には4200ラックを備えた自動倉庫があり、6基のクレーンで効率よく運営されていた。特に出入りの激しい商品は自動倉庫に保管せず、それ以下の商品を中心に自動倉庫への保管・入出庫管理がなされている。自動倉庫の出荷スピードがそのあとのソータの速度をまかない切れないためである。施設見学では出荷のピーク時に出会い、ソータはフル活動、出荷バースもすべてトラックで埋まっていた。200人以上の作業者が働いている。設備はきわめて近代的で、さまざまな工夫がほどこされていた。ライフとしては業務効率の改善と店舗への定時到着をはかるため、南港流通センターの利用を始めたという。2009年の秋に開設され、まだ創業の日は浅い。
 5名のネオロジ会員が見学に参加した。大変見ごたえのある施設見学であった。

株式会社リコー 御殿場事業所(静岡県御殿場市)

2010年11月11日(木曜日)

 リコー御殿場事業所は御殿場市駒門にあり、後楽園球場2つ分の広大は敷地である。そこに3階建ての白いビルがあり、そのなかに製造ラインがある。製品は比較的大きな複写機である。大きな特色は、この事業所が周辺の自然環境や生態系保護を視野に入れ総合的な環境活動を進めている点である。事業所の会議室の窓からは富士山が見えた(訪問時は残念ながら山頂は見えなかったが、富士裾野はしっかりと見極めることができた)。
 1200人の人たちがこの事業所で働いている。お客様のニーズにダイレクト対応するためにカスタマイズされた製品を作るが、現在これが全製品の3割を占めているという。生産にあたっては、品質はむろんのこと、リードタイムの短縮やエコを考慮にいれた梱包など、さまざまな工夫がほどこされている。5S活動や改善活動が大変さかんで、見学の中でも数々の改善の様子を拝見することができた。GPD(Global Professional Development)と呼ばれる社員研修人材教育についても触れていただいた。
 今回は8名のネオロジ会員が参加した。見学に際しては大変ご親切な案内をいただき、また事後の質疑応答でもかなり専門的なご説明をいただき、有意義な時間を過ごすことができた。

株式会社紀文フレッシュシステム 平和島センター (東京都大田区)
日本貨物鉄道株式会社 東京貨物ターミナル駅 (東京都品川区)

2010年7月23日(金曜日)

 紀文フレッシュシステム    日本貨物鉄道

 今回は紀文フレッシュシステムとJR貨物(JRF)の2つの施設を、午前と午後に分けて見学した。
 東京モノレール・流通センター駅前に広大な流通センターがあり、その中に紀文の平和島センターがある。6月度月例会でご講演をいただいた鈴木徹氏の案内によって、冷蔵倉庫内のカゴ台車に施されたさまざまな工夫について説明いただいた。カゴ台車を利用して紀文の倉庫からスーパーマーケットへ配送するのであるが、以前は台車の数が大きく減って(紛失して)しまった。また回収されたカゴ台車の中には、古い他社のものが含まれていたりして、管理が思うようにいかなかった。そこでカゴ台車にRFIDを取り付けて入出庫管理を整え台車管理を徹底して行おうという構想を立てたのである。鈴木氏は将来的にはカゴ台車管理にレンタルシステムを適用しようと考えている。つまり顧客に渡った台車はそこでの保有時間に応じて、応分の費用負担をしていただこうという考えである。訪問時は入出庫のトラックはほとんどなく(多くは朝と夕方に集中)カゴ台車の動きはなかったが、デモの形で台車をゲート通過させる様子を見せていただくことでその仕掛けを理解することができた。
 午後は同じ流通センター駅の海側にあるJRFのヤードを見学した。エコを考えると鉄道貨物輸送は大きなメリットがある。その上、定時運行で安全に荷物が運べる。ここは東京貨物ターミナル駅で、西の各地へ荷物を送り出す基地になっている。東北・北海道方面への拠点としては隅田川駅がある。当駅は貨物ターミナルではあるが鉄道駅なので駅長が勤務しておられ、その駅長さんみずからがわれわれを施設案内してくださった。構内は横3.6kmにおよぶ操作場がある。そのほんの一部を見学するだけでも目を丸くする。さまざまなコンテナ、荷役機器、26両編成の貨物列車が停車する荷捌き場など、迫力がある。隣接してJR東海の新幹線基地があり、また後方には羽田空港が控えている。将来のいつか、こうした異なった鉄道や飛行機のネットワークがうまく結びついたときに、日本の物流が大きく変わるかもしれないという印象を受けた。
 ネオロジ会員13名が出席した。真夏の暑い日で、紀文では冷蔵庫のように涼しい倉庫内でこごえ、JRFの操作場では灼熱の太陽に照らされたが、非日常的は風景を目の当たりにして感激を覚えた。

日産自動車株式会社 相模原部品センター(神奈川県相模原市)

2010年6月15日(火曜日)

 日産相模原部品センター(Sagamihara Parts Center)はJR横浜線古淵駅からタクシーで15分の位置にある敷地面積425,000平米の広大な配送拠点である。内製5工場と部品メーカー250社から受け入れる車部品を管理する。それらの部品は国内部品販売会社や海外販売会社へと送られる。一日の出荷件数は10万件を越える。ここ相模原部品センターでは事務機能はむろんのこと、海外指導の役割をもっている。車の選択にとって大きな要因の一つに、サービス部品の良し悪しがあげられる。また、顧客が抱く車に対するサービスのイメージとして、部品在庫のあるなしが大きな要因になっている。それだけにこの部品センターに大きな役割が期待されている。
 今回は敷地内の一般格納倉庫を見学した。第一倉庫には中小部品(ワイパー、ブレーキパッド、ランプ)が格納されている。その納品ドックから出荷ドックへの部品の格納、ピッキングの様子を見てまわった。第二倉庫にはパネル部品が格納されており、第一倉庫に比べると大きなサイズの部品(フード、フェンダー、ドア、ガラス、タイヤ)が多い。また当日は自動倉庫の稼動も見学した。
 見学会へのネオロジ会員参加者は21名で、2グループに分かれて施設を見学した。

楽天認定パートナー 野口倉庫株式会社 戸田倉庫 (埼玉県戸田市)

2010年2月23日(火曜日)

野口倉庫

 戸田市笹目橋のたもとに、8棟の倉庫をかかえる営業倉庫を訪問した。会社創立は昭和43年、本年創立42年を迎える。先代は昔ながらの営業倉庫として会社を設立したが、ここ10年はその業態を大きく変えている。とくに通販物流が売上高の一部を占め始め、その割合がこれからも拡大すると思われる。社員数42名(ほかにパート従業員がその倍の数ほどおられる)、社員平均年齢29歳の活気に満ちた会社である。
 野口倉庫は楽天物流のパートナー企業でもある。通販ビジネスで小規模の店舗が自社物流の限界を感じたときに、外部倉庫に保管輸送のすべてを委ねる。しかし、あくまでも荷主の規模の大きさ(きわめて小さい)と需要の不確実性から、小さな保管場所と出荷業務の必要性が高まってきた。そのような需要を満たすのが野口倉庫である。現在、健康食品、化粧品、アクセサリー、アパレル、雑貨、DVD、カタログなど、さまざまな通販ビジネスのパートナー企業と協業している。
 施設を見学すると、随所に創意工夫が見られる。棚、ラック、それと作用台など、既存の什器をできるだけ活用し、低コストで通販店舗の要求を満たすべく、提案型のビジネスを行っている。その姿は新しい取組みへのチャレンジにも写った。見学参加人数は13名であった。

アサヒビール茨城工場(茨城県守谷市)

2009年11月26日(木曜日)

アサヒビール

 茨城工場は1991年(平成3年)に創設され、敷地面積388,000平方メートルという広大な敷地を有している。敷地内のアイムタワーからその全貌が見渡せる。工場では常時工場見学を受け入れてくださるが、今回は特に併設された物流施設を含めて見学させていただいた。物流領域は茨城、埼玉、千葉、東京23区をカバーし、2008年実績では年間153.4千函の実績がある。ビール以外にも清涼飲料もここで生産・出荷している。見学は物流センターの概要を物流センター長の西田氏に説明していただいた。そのあとビールの自動化倉庫とトラックドックを見学した。20パレットを一度にウィングトラックに積み込むトラックローダーを操作して見せてくださったが、壮観だった。飲料の物流倉庫は入出庫が200mの長さのトラックドックで行われている。センターの操業は主に午前中に行われ、トラックが次々にセンターに横付けされる。とくに年末には一日800台ものトラックが入出庫し、その様相を一度見てみたいと感じた。
 今回の施設見学はアサヒビール社のご好意により実現したが、対応が親切で、施設を見て回るわたくしたちに、現場で働く職員さんたちが常に挨拶をされ、職場の躾も徹底していた。折田氏と島崎氏がツアー全体のまとめ役をしてくださった。今回の会員参加者数は15名だった。

三州製菓株式会社 埼玉工場(埼玉県春日部市)

2009年10月22日(木曜日)

 東武伊勢崎線「せんげん台駅」より車で15分、豊野工業団地の一角に三州製菓の本社がある。従業員220名ほどの中堅企業であるが、徹底した労務管理や従業員が活き活きと働く姿には感銘を受ける。工場の見学のあと、三州製菓の諸活動を従業員さんが紹介くださった。この会社には12の委員会活動があり、本年度その委員長を務める方が活動内容を説明された。環境チェック委員会は主に5S活動を中心に職場の環境改善につとめている。男女共同参画推進委員会では、三州製菓のパワーとなる女性従業員が働きやすいように、常に目を光らせている。後輩社員が職場に出来るだけ早く職場に慣れるような配慮やセクシャルハラスメントに気をくばっている。12の委員会活動とは別に一人一研究活動の説明もいただいた。基本的には改善提案制度に近いが、内容としては業務改善に留まらず、従業員が好きな課題に一年間取り組むことを目指している。こうした委員会活動で提案された案件のほとんどは、これまで社長の決裁がおり実施にうつされている。この日は工場の責任者である斉之平伸一社長、販売の責任者でおられる斉之平隆彦社長にご挨拶いただいた。参加されたネオ・ロジ会員数は8名だった。

エム・オー・マリンコンサルティング(東京都港区)

2009年6月3日(水曜日)

エム・オー・マリンコンサルティング

 芝浦にあるエム・オー・マリンコンサルティングには超大型のシミュレーション施設がある。今回の施設見学では実際にそこでどのような訓練が行われているのか、会員みずからが操舵室に入って疑似体験を試みた。操舵室の前方には大型円筒形スクリーンがおかれ、横浜大黒埠頭が再現されている。そこを離岸する船の動きを目の前にみながら、しかも周辺の船に注意をしながら横浜港を進行する様子を、大西船長の指示のもと、会員が制御装置をコントロールしながら前進する。大迫力である。こうしたシミュレーションを通して安全性の訓練をしたり、周囲の気象条件や、波の影響をいかに舵取りに反映させるかを学んでいく。視察の最後に避航操作の実例を見せてくださった。前方を横切る船をどのように避けるかの訓練である。こうしたシミュレーションでの操船訓練は、仮想海域でのトレーニングとはいいながら、操船技術の向上に欠かせぬ訓練であることが身をもって体験できる。シミュレーションには3名のご専門家が指導してくださり、実際の船舶用語を用いながら進行した。参加しているだけで、心が動揺するほどの感激を覚えた。今回は13名のネオ・ロジ会員が参加した。

東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)

2009年3月12日(木曜日)

 新宿から小田急線急行に乗り小田原方面に向かって一時間ほどすると、右手車窓に丹沢を背景に大きな白い建築物が見える。東海大学医学部付属病院である。2005年9月に新棟が建設され、2006年1月にそこでの外来診療が開始された。病床数804、7万平米、地上14階の建物である。東海大学医学部付属病院は神奈川県西部の中核病院であり、1次~3次の救急を有し、災害拠点病院として知られている。今回は総務課の今野氏に施設をご案内いただいた。物品物流センター、検査室、特別病棟、救命センターのICU病棟、1~3次救急センターなどの見学および解説をいただいた。見学者は病院の効率のすばらしさに目を見張った。新棟での活動は多くの改善を生み出している。平均在院日数の短縮、病床数の削減、アウトソーシングによる人件費の圧縮、診療コストの圧縮など、実際にその事例を紹介いただいた。たとえば、採血は40分で結果が判明し、患者は採血と診療を同じ日に済ませることができる。今野氏は病院の細部の現場見学まで許可くださった。手術室など他の病院では患者でなければ入れないのが普通だが、その近くの廊下を見学者に見せてくださったり、あるいは診療各科から血液検査室へのモノの移動をするエアーシュータの解説まで、見学者が目を丸くする場面が何度かあった。病院といえば、どちらかといえば暗いイメージだが、この病院は明るく、さまざまな試みをする新しい病院である。「創造する病院」とよばれている。今回の参加者数は22名だった。

トーヨーカネツソリューションズ HP RFID Noisyラボ・ジャパン(千葉県木更津市築地)

2008年12月4日(木曜日)

トーヨーカネツソリューションズ

広大な新日本製鐵の敷地の中にトーヨーカネツの工場(6万坪の敷地)がある。工場敷地内のため「電波的ノイズが多く発生する環境」 を実現した実証実験施設である。 "Start small, but Start now !(最初は小さく、しかし今始めよう)"をコンセプトに、2005年12月にスタートした。この施設はRFIDの実証実験を試みたい企業にその場を提供している。見学では始めに三宅信一郎氏(BFCコンサルティング)よりRFIDの講演をいただいた。RFIDの実務的応用をテーマに大変造詣の深い話で、ドイツメトロの例ほかを紹介いただいた。メトロでは商品の入出庫管理にRFIDが多用されている。その後Noisyラボを見学した。UHF帯での入荷一括読取りのデモンストレーションが行われた。また通い箱管理システムもデモを通して、その仕組みをみることができた。さらに、ペットボトルがパックされたダンボール箱にRFIDが装着され、そのRFIDの装着位置によって読取り率がどの程度変化するかを、実際に目の前で実験した。特に最後の実験は、RFIDの装着位置により読取り率が顕著に変化し、RFIDと水との相性の悪さを知ることができ興味深い。ネオ・ロジ会員参加者は18名であった。

積水ハウス 関東工場 資源循環センター(茨城県古河市北利根)

2008年10月21日(火曜日)

ここは、建設現場や建材生産工場から集められた建設廃棄物を処理するセンターである。いま、この文章で、“集められた”と表現したが、これは誤解される恐れがある。現場や工場で廃棄物を分別し、それをそれぞれの袋に入れ、その袋を“集める”のだ。つまり、“分別済み”の袋を集める。そしてこのセンターでは、それらの袋の中の廃棄物をさらに分別する。現場や工場では26種類に分別するのだが、このセンターではさらに分別して約60種類くらいまで分別する。これはすごい。そして重要なことは、その場で分別することだと担当の同社環境推進部の上川路氏はいう。たとえば、現場に送られてきた建材を開梱したら、その場で廃棄すべき梱包材を分別してしまう。従来は、あとでまとめて梱包材や廃材を集めていた(その結果、それらは分別されず混合されてしまっていた)。“その場で即座に”分別するほうが、“あとでまとめて”分別するより、結局能率的になるという。これからの「工程設計」では、「加工」や「組立」作業の設計と一緒に、廃棄物の「分別」作業の設計も同時に行う必要がある、と感じた次第である。