研究概要・内容・メンバー

原子力ガバナンス・福島復興政策研究
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研究代表者:松岡 俊二
 (早稲田大学アジア太平洋研究科教授)

研究概要

 2011年3月11日の東日本大震災・福島原発事故を契機として、2012年9月に原子力規制委員会(NRA)が設置されるなど、原子力発電に対する社会的規制(安全規制)のあり方が大きく変化した。しかし、オンサイトの規制においても、オフサイトの安全対策においても、さらには核燃料サイクルのあり方やバックエンド問題などの原子力政策全般にわたり、「フクシマの教訓」を踏まえ日本社会が解決すべき課題は多く残っている。また、原子力災害からの福島復興そのものが明確なビジョンを欠いたまま、方向性を喪失し、混迷化しつつある。今後の日本社会における原子力発電の位置づけや福島復興の道筋も不透明なまま、原子力ガバナンスの再編成も不十分な状態で原発の再稼働が進んでいる。
 私たちは、再度、幅広い観点から「フクシマの教訓」とは何かを検討し、原子力政策のあり方や原子力ガバナンスの改革が必要であり、福島復興の再検討が必要であると考えている。本研究プロジェクトは、社会科学と自然科学(工学、生態学)との学際的共同研究によって、今後の日本社会と原子力との関係や福島復興について調査研究する。欧米やアジアの事例などとの国際比較研究も加え、今後の原子力政策、原子力ガバナンスや福島復興について考える。

研究内容

本研究プロジェクトは、東日本大震災・福島第1原子力発電所事故を踏まえた「フクシマの教訓」を後世に継承し、原子力政策と福島復興政策への政策提言をおこなう事を主な目的としている。本研究は、大震災直後から計画され、2011年5月に早稲田大学重点領域研究機構・東日本大震災復興研究拠点「複合巨大クライシスの原因・影響・対策・復興に関する研究:原子力災害とリスク・ガバナンス」として開始された。プロジェクトでは、東日本大震災の被災地である気仙沼市・仙台市・南相馬市の現地調査を実施し、2012年3月には第1回原子力安全規制・福島復興シンポジウムを開催し、2012年8月に早稲田大学出版部より『フクシマ原発の失敗』を刊行した。
 2012年8月には、文部科学省・原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ「原子力産業への社会的規制とリスク・ガバナンスに関する研究」が採択され、第2回(2013年)、第3回(2014年)、第4回(2015年)の原子力安全規制・福島復興シンポジウムし、2013年末には『原子力規制委員会の社会的評価』、『フクシマから日本の未来を創る』(早稲田大学出版部)を刊行した。また、再稼動を控えた九州電力・川内原発の現地調査やアメリカの原子力政策の現地調査を行い、フランス・パリにおけるおうしゅうの原子力安全規制に関する国際ワークショップを開催した。
 本研究プロジェクトは、原子力災害の「原因」・「影響」・「対策」・「復興」という4局面と、①政治・行政・経営システム、②原子力エネルギー・技術システム、③持続可なエネルギー・技術システム、④地域復興システムという4つの研究クラスターからなる「4 x 4」のマトリクス構造を特色としている。こうした「4 x 4」のマトリクス研究構造は、同時並行性ならびに相互関連性を持った総合的リスク・ガバナンス研究を可能とする。また復興研究では、従来の環境政策統合(EPI)研究を発展させるものである。具体的には、防災計画(リスクマネジメント)、土地利用計画、エネルギー政策、産業・農業・漁業政策、福祉政策、環境政策などの様々な復興政策を、持続可能な地域形成に向けてどのような手段・方法で「政策統合」を行うのかを検討し、こうした政策統合の効果的実施を可能とするガバナンスのあり方を明らかにすることを意図している。

プロジェクト関連資料

1. 実施プロジェクトの概要・計画書・報告書

1.1 重点領域報告書

1.2 文部科学省
 文部科学省 国家課題対応型研究開発推進事業 原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ
 平成24年度 「原子力産業への社会的規制と リスク・ガバナンスに関する研究」成果報告書(2013年3月)
 平成25年度 「原子力産業への社会的規制と リスク・ガバナンスに関する研究」成果報告書(2014年3月)

1.3 科学研究費
・【実施中】 基盤研究(B)「可逆性アプローチによる高レベル放射性廃棄物(HLW)管理政策と世代間公平性」
  (研究代表者:松岡俊二、2019年度〜2021年度)
     研究概要
・基盤研究(B)「高レベル放射性廃棄物(HLW)処理・処分施設の社会的受容性に関する研究」
 「高レベル放射性廃棄物(HLW)処理・処分施設の社会的受容性に関する研究」研究計画書
・挑戦的萌芽研究「原子力災害被災地におけるコミュニティ・レジリエンスの創造」
 「原子力災害被災地におけるコミュニティ・レジリエンスの創造」研究計画書

1.4 三菱総合研究所(MRI)プロジェクト研究
・「平成30年度・31年度地層処分に係る社会的側面に関する研究」 プロジェクト 「高レベル放射性
    廃棄物(HLW)の地層処分をめぐる社会的受容性と可逆性」(研究代表者:松岡俊二、2018年12月~2019年7月 )
    研究概要第1回市民アゴラ開催報告
・本研究プロジェクトは、高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分政策をめぐる効果的な社会的討議の方法を検討
   するため、市民と専門家による市民会議を実施し、市民の地層処分政策選好の規定要因を明らかにした。具体的な分
   析手法や研究成果は以下の成果報告書と成果報告発表資料にまとめました。ぜひご一読ください。
   研究成果報告書研究成果発表資料

2. 科研バックエンド問題研究会ワークショップ(WS)

 ・(科研)基盤研究(B)「高レベル放射性廃棄物(HLW)処理・処分施設の社会的受容性に関する研究」
 第1回(キックオフ)研究会:2016年4月22日    研究会資料研究会メモ
 第2回研究会:2016年6月24日    次第報告資料(青森県六ヶ所村調査報告)今後の予定議事録
 第3回研究会:2016年7月15日    次第報告資料1報告資料2コメント今後の予定議事録
 第4回研究会:2016年10月4日    次第報告資料(第1部)報告資料(第2部)今後の予定議事録
 第5回研究会:2016年12月20日  次第報告資料1報告資料2(MNF東海工場調査報告書参照)報告資料3
                                             報告資料4報告資料5議事録
 第6回研究会:2017年1月24日    次第報告資料1報告資料2報告資料3報告資料4議事録
 第7回研究会:2017年2月20日    開催案内報告資料議事録
 第8回研究会:2017年6月1日      開催案内報告資料議事録
 第9回研究会:2017年7月25日    開催案内報告資料議事録
 第10回研究会:2017年11月20日   開催案内報告資料議事録
 第11回研究会:2018年7月25日   開催案内報告資料議事録
 第12回研究会:2018年12月18日   開催案内報告資料議事録


第13回研究会:2019年7月19日 開催案内報告資料議事録

3. 科研バックエンド問題研究会   *元 社会的受容性分析モデル開発タスクフォース(TF)
 第1回TF:2017年4月27日    メモ議事録
 第2回TF:2017年5月22日    メモ議事録
 第3回TF:2017年7月4日    メモ議事録
 第4回TF:2017年10月16日   メモ議事録
 第5回TF:2017年12月18日   メモ議事録
 第6回TF:2018年2月27日   メモ議事録
 第7回TF:2018年4月23日   次第議事録
 第8回TF:2018年5月21日   次第議事録
 第9回TF:2018年6月13日   次第議事録
 第10回TF:2018年10月2日   次第議事録
 第11回TF:2018年11月27日   次第議事録
 第12回TF:2019年1月15日   次第議事録
 第13回TF:2019年3月1日   次第議事録
 第14回バックエンド問題研究会(TFから改名)
                 2019年4月19日 開催案内議事録
第15回バックエンド問題研究会:2019年6月28日  開催案内議事録
第16回バックエンド問題研究会:2019年9月9日  開催案内議事録

4. 調査報告書

4.1 国内
気仙沼調査報告書(2011年11月)
宮城・福島現地調査報告書(2011年11月)
いわき訪問調査報告書(2013年1月)
いわき(4月)調査報告書(2013年5月)
いわき市富岡町震災復興調査報告書(2013年10月)
九州電力川内原子力発電所の再稼動に関する調査報告書(2015年2月)
青森県六ヶ所村・核燃料サイクル関連施設の社会的受容性に関する調査報告書(2016年7月)
函館市・燃料備蓄センター・大間原子力発電所調査報告書(2016年8月)
幌延深地層研究センター調査報告書(2016年9月)
三菱原子燃料株式会社(MNF)東海工場調査報告書(2016年11月)
土岐・瑞浪調査報告書(2017年2月)
高知県東洋町調査報告書(2017年10月)
福島第一原子力発電所調査報告書(2017年10月)
岐阜県瑞浪超深地層研究所調査報告書(2019年10月) ←NEW!
   【 瑞浪超深地層研究所地下施設視察の様子】

4.2 海外
アメリカ調査報告書(2014年11月)
フィンランド・フランス調査報告書(2018年2月)
フランス・イギリス調査報告書(2019年3月)


5. ワークショップおよびシンポジウム

5.1 ワークショップ

5.2 原子力安全規制・福島復興シンポジウム
・第1回シンポジウム:2012年3月8日    ポスター発表資料当日発表資料
・第2回シンポジウム:2013年3月8日    ポスター発表資料開催報告書(H24年度成果報告書 pp. 90-159参照)
・第3回シンポジウム:2014年3月7日    ポスター概要開催報告書(H25年度成果報告書 pp. 71-76参照)
・第4回シンポジウム:2015年3月11日    ポスター概要開催報告書
・第5回シンポジウム:2016年3月7日     ポスター概要発表資料当日発表資料開催報告書
・第6回シンポジウム:2017年3月7日     ポスター概要発表資料開催報告書
・第7回シンポジウム:2018年3月7日     ポスター概要発表資料開催報告書
・第8回シンポジウム:2019年3月7日     ポスター概要発表資料開催報告書
 【第8回シンポジウムの様子】

5.3 その他の関連シンポジウム
国連大学シンポジウム:2014年5月16日    概要資料まとめページ


6. 学会報告
(1)2018年環境経済・政策学会全国大会 企画セッション
【バックペーパー】
・松岡俊二・井上弦・Choi Yunhee(2018)「バックエンド問題における社会的受容性と可逆性:国際的議論から」『環境経済・政策学会2018年大会』(2018年9月8日〜9日、上智大学)
・黒川晢志・吉田朗(2018)「社会的受容性と可逆性からみた最終処分法の問題点」『環境経済・政策学会2018年大会』(2018年9月8日〜9日、上智大学)
・松本礼史・李洸昊(2018)「日本における高レベル放射性廃棄物の地層処分政策と社会的受容性」『環境経済・政策学会2018年大会』(2018年9月8日〜9日、上智大学)
・竹内真司・師岡愼一・勝田正文(2018)「日本の地層処分研究と技術的受容性」『環境経済・政策学会2018年大会』(2018年9月8日〜9日、上智大学)
【報告用資料】
・報告資料1(松岡他)    ・報告資料2(黒川・吉田)    ・報告資料3(松本・李)    ・報告資料4(竹内他)
【討議用資料】
・コメント1(梅木)    ・コメント2(寿楽)    ・コメント3(森口)
【企画セッションまとめ】
・企画セッション報告書



(2)第26回P2M国際学会春季大会(2019年5月18日、早稲田大学3号館)
・報告1:Yunhee CHOI, Shunji MATSUOKA (2019), Project Management of High-Level Radioactive Waste
   (HLW) Disposal and social acceptance: A Case Study of Participatory Mechanism from the Perspective
   of Deliberative Democracy.
・報告2:山田美香, 松岡俊二, 李洸昊, Yunhee CHOI (2019), 「P2M理論による高レベル放射性廃棄物(HLW)地
   層処分政策の社会的受容性の考察ーー欠如モデルによる市民会議の事例分析」.


(3)2019年環境経済・政策学会全国大会・バックエンド問題企画セッション(2019年9月29日、福島大学)
【報告資料】
・報告資料1松本礼史・竹内真司・師岡愼一・勝田正文・黒川哲志・井上弦「なぜバックエンド問題の社会的合意は難しいのか:社会的受容性、可逆性、世代間公平性をめぐって」
・報告資料2:山田美香・松岡俊二・李洸昊「社会的受容性からみた市民の地層処分政策の選好要因:技術的安全性論だけでは社会的議 論の形成は難しい」
・報告資料3:CHOI Yunhee・松岡俊二「HLW管理政策とフランスのCNDPの国民的討論:熟議民主主義はなぜ社会的合意に「失敗」したのか」
・報告資料4:竹内真司・松本礼史・師岡愼一・勝 田正文・黒川哲志・井上弦「なぜ地層処分の社会的合意は難しいのか:社会的受容性、可逆性、世代間公平性をめぐって」
【報告書】
環境経済・政策学会2019大会・バックエンド問題・企画セッション報告書



7. 出版物
・松岡俊二(2015),「フクシマとレジリエンスとサステイナビリティ」,鎌田薫(監修)『震災後に考える:東日本
   大震災と向きあう92の分析と提言』早稲田大学出版部, pp.460-470.
・松岡俊二・いわきおてんとSUN企業組合(編)(2013),『フクシマから日本の未来を創る:復興のための新しい発
   想』早稲田大学出版部、153pp.
・松岡俊二・師岡愼一・黒川哲志(2013),『原子力規制委員会の社会的評価:3つの基準と3つの要件』早稲田大学
   出版部、131pp.
・松岡俊二(2012),『フクシマ原発の失敗-事故対応過程の検証とこれから』早稲田出版部、95pp.

8. 論文
松岡俊二・井上弦・Yunhee CHOI(2019),「バックエンド問題における社会的受容性と可逆性:国際的議論か
   ら」,『アジア太平洋討究(早稲田大学大学院アジア 太平洋研究科紀要)』36, pp.43-56.

・CHOI, Y. (2018). Trust in Nuclear Companies and Social Acceptance of a Nuclear Waste Repository in
   Finland. Journal of Environmental Information Science, 2018(1), 44-55.
・松岡俊二(2017),「原子力政策におけるバックエンド問題と科学的有望地」,『アジア太平洋討究』(早稲田大学
   大学院アジア太平洋研究科紀要)28, pp. 25-45.

・松岡俊二(2015),「『フクシマの教訓』と原子力リスクガバナンス」,『アジア太平洋討究(早稲田大学大学院
   アジア太平洋研究科紀要)』25, pp.1-13.
・松岡俊二(2015),「(環境論壇)『フクシマの教訓』と原子力リスク・ガバナンス」, 『環境経済・政策研究』
   8(2), pp.31-35.
・松岡俊二(2012),「福島第一原子力発電所事故と今後の原子力安全規制のあり方」,『アジア太平洋討究(早稲田
   大学大学院アジア太平洋研究科紀要)』, 18, pp. 121-142.




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