日本独特のメディアである紙芝居は、戦前・戦後の子どもたちに絶大な人気を博した。そのメディアの誕生から消滅までの歴史を、「街角のメディア」という視覚から分析。とくに占領軍が残した関連資料を精査し、検閲や条例規制がその奔放な発想を殺ぎ、新しく登場したテレビに短期間に敗北したことを解明した。しかし双方向性をもつ紙芝居は21世紀のデジタル時代に復権する可能性があることを示唆する。