侍を誘ひ其身も背負し包をおろしお茶と指図にあい〱とあいそこぼれて指出す内侍はつく〲見給ひコリヤこなたも子持よの自も連合の忘れ筺を伴ひしに道よりなやみて貯へし薬を残らず飲きらし俄の難義子持た者は相身互嗜あらば所望したしと仰に女房夫はまあいかゐ御難義わたしが子は生れてより腹痛一つおこしませねば何の用意もござりませぬハテそれは氣の毒やイヤ申ほんにそれ〱幸此村の寺の門前に洞呂川の陀羅輔を受売人がござりますればお供の前髪様つい一走りイヤ〱身共は当所不案内太義ながら其方調へてくれまいかヲヽそれもお安い事わたしが調へてきて上ませう善太留主仕や但は行かおれもとしたふ子をつれて器量よければ心まで尊い寺の門前へ薬を買に急行ハテ心よい女中やと内侍は見やりコレ六代爰に大分木の実が有がひろふて遊ぶ氣はないか金吾がひらふが大事ないかといさめの詞に引立られおれもひらをと若君の病もわやく半分の起立給へば内侍もとも〲サア〱ひらをイヤ拙者がと小金吾が廿に近い大前髪おとなげないも若君の機嫌取榧栃の実を拾ひ集る折からに若き男の草卧足是も旅立風呂敷包背負てぶら〱茶店を見付ドリヤ休んで一ぷくと包をどつかり床几におろし御免なりませ火を一つとたばこ吸付コリヤ皆様方は開
侍を誘ひ其身も背負し包をおろしお茶と指図にあい〱とあいそこぼれて指出す内侍はつく〲見給ひコリヤこなたも子持チよの自も連合の忘れ筺を伴ひしに道よりなやみて貯へし薬を残らず飲きらし俄の難義子持ツた者は相身互嗜あらば所望したしと仰に女房夫レはまあいかゐ御難ン義わたしが子は生れてより腹痛一トつおこしませねば何ンの用意もござりませぬハテそれは氣の毒やイヤ申ほんにそれ〱幸イ此村の寺の門ン前に洞呂川の陀羅輔を受ケ売ル人がござりますればお供の前髪様ンつい一ト走りイヤ〱身共は当所不案内太義ながら其方調へてくれまいかヲヽそれもお安い事わたしが調へてきて上ませう善太留主仕や但シは行かおれもとしたふ子をつれて器量よければ心まで尊い寺の門ン前へ薬を買に急キ行ハテ心よい女中やと内侍は見やりコレ六代爰に大分ン木の実が有がひろふて遊ぶ氣はないか金吾がひらふが大事ないかといさめの詞に引立られおれもひらをと若君の病もわやく半分ンの起立給へば内侍もとも〲サア〱ひらをイヤ拙者がと小金吾が廿に近カい大前髪おとなげないも若君の機嫌取榧栃の実を拾ひ集る折からに若き男の草卧足是も旅立チ風呂敷包背負てぶら〱茶店を見付ケドリヤ休んで一ぷくと包をどつかり床几におろし御免ンなりませ火を一トつとたばこ吸付ケコリヤ皆様方は開
ハル:お茶とハル
フシ:あいそフシ
地:内侍は,ハル:内侍は地/ハル
色:見色
詞:コリヤ詞
地色:子,ウ:子地色/ウ
ハル:嗜ハル
色:女色
詞:夫は詞
地色:おれもと,ハル:おれもと地色/ハル
ウ:器量ウ
フシ:薬をフシ
地色:ハテ,ウ:ハテ地色/ウ
色:見やり色
詞:コレ詞
地:いさめの,ウ:いさめの地/ウ
ハル:引立られハル
ウ:おれもウ
ウ:病もウ
ウ:起立ウ
色:サア色
詞:イヤ詞
地:廿に,ハル:廿に地/ハル
ウ:おとなげないもウ
ウ:機嫌ウ
フシ:拾ひ,中:拾ひフシ/中
地色:若き,ウ:若き地色/ウ
小ヲクリ:是も小ヲクリ
ハル:風呂敷包ハル
ウ:背負てウ
ウ:茶店をウ
ウ:休んでウ
ウ:包をウ
中:おろし中
ウ:御免なりませウ
ウ:火をウ
ハル:たばこハル
色:吸付色
詞:コリヤ詞