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今年度は、以下の各テーマについて共同研究を行ない、その成果を生かしつつ、各研究員の執筆するコラム・小論を順次発表していきます。

テーマ1:働く
 私たちは働くことに喜びを見いだしているでしょうか。それとも、何か他の目的を実現するためにだけ、私たちは働いているのでしょうか。かつて、労働は私たちの生活の中心を占めていました。職場は生活の糧を得るための場所であるとともに、自己実現の場所でもありました。しかし現在では、これは決して自明なことではありません。産業構造が変化し、ライフスタイルが多様化するなか、私たちの労働との関係、私たちの労働観はかつてと同じでありうるでしょうか。労働の形態が変容し、他の人間活動との境界が曖昧になっている今、働くことの意味についてもう一度考えてみたいと思います。
・第一回 「他人のために」?──働くことと金銭、そして他人(2005/9) 田口 茂
・第二回 働くことと「価値」(2005/10) 増田 靖彦
・第三回 労働は人生の手段? それとも目的?(2005/11) 河合 孝昭
・第四回 働くことの両義性(2005/12) 佐藤 真理人
・第五回 新しい労働(2006/1) 澤里 岳史
・番外編 「働くこと」と「生きること」の迷い(2006/1) 田口 茂
テーマ2:歳をとる, 齢を重ねる
 私たちは生まれ落ちた瞬間から死に至るまで確実に年齢を重ねていきます。この「歳をとる, 齢を重ねる」という問題に向き合っているのは高齢者だけではないはずです。ここではこのありふれた(しかし何人たりとも逃れられない)生の営みについて様々な角度から考察していきます。
・第一回 歳をとる、齢を重ねる(2006/2) 佐藤 真理人
・第二回 何人も逃れられないもの(2006/3) 河合 孝昭
・第三回 老境の静謐について(2006/4) 澤里 岳史
・第四回 限定されることの喜び(2006/5) 田口 茂
・第五回 加齢と哲学(2006/6) 増田 靖彦
テーマ3:金と経済
 現代社会で生きていくためには貨幣の保有が欠かせません。貨幣は言語と同様に、いや場合によってはそれ以上に、人間同士のコミュニケーションを支える重要な手段となっています(例えば私たちが何らかの理由でアメリカに滞在する際、もし英語を喋れなくてもドルさえ持っていれば衣食住の欲望をほぼ満たせます)。人間関係は金や経済的側面にのみ依拠するわけでないと誰もが知りながら、それを過度に重視するグローバリゼーションの波に押し流されている今日、私たちは行動の指針をどこに求めればよいのでしょうか。
・第一回 貨幣化しきれない残余――資本制貨幣経済の外部――(2006/8) 野内 聡
・第二回 守銭奴の欲望(2006/9) 河合 孝昭
・第三回 貨幣の探究(2006/10) 増田 靖彦
・第四回 「貨幣」と「正義」が孕む矛盾について(2006/11) 田口 茂
テーマ4:他人(ひと)と関わる・コミュニケーション
 人間は、生まれ落ちるやいなや、他人の助けなしには生きることさえできません。他人と関わることは、われわれにとってどうしても避けることのできないことですが、だからこそ最大の悩みにもなりえます。機械的なマニュアルや、場当たり的な解決策が、あまり助けにならないということを、われわれが身にしみて知っているのも、この「他人に関わる」という事柄に関してです。「哲学的に」考えることの必要性がとりわけ差し迫っているテーマであるといえるのではないでしょうか。
・第一回 親密さ――関係の新たなオルタナティヴは可能か―(2007/2) 野内 聡
・第二回 他者に対する二つの志向(2007/3) 河合 孝昭
・第三回 ポテンシャルとしてのコミュニケーション(2007/4) 増田 靖彦