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 ここにいう「交域」(interregional)とは、「学際」や「比較」とは異なりながら同時にそれらをも含む包括的概念であり、他領域に発見的に関わりつつ視野を広げ、理論的、実践的な諸問題への解答を模索する哲学的営みを示唆している。それは同時に、哲学に本来的に含まれる現実への作用力を明るみに出す試みである。

今日、大学での哲学研究は他の研究分野と同様に個別の専門研究に専念して閉じた世界を形成しているように思われる。しかし哲学は他領域から、また社会から孤立して成り立ちうるものではなく、そもそも外部との積極的な関係のうちにしか成り立ちえないはずである。

社会における哲学への関心と期待は大きい。それに応えることが哲学研究者に求められている。われわれはこのような理念のもとに、理論的、歴史的な哲学研究と、いわゆる応用的な思考との区別がなくなる地点に立って、哲学的「交差=越境」と現実の諸問題への提言との様々な可能性を探ってゆく。