ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 第十七回研究会報告


去る11月8日(土)に早稲田大学において当研究所の第十七回研究会が開催されました。
早稲田大学高等研究所セミナーシリーズ〈新しい世界史像の可能性〉との共催でした。



プログラムおよび報告要旨は以下の通りです。
()内からはPDF版、報告者のお名前からはテキスト版の要旨記事にリンクを張っております。


「「コンスタンティヌスの間」における教皇クレメンス7世の肖像と標章」(PDF版深田麻里亜(日本学術振興会特別研究員)

「森林、河川、紛争解決―帝国都市アウクスブルクの史料から」(PDF版渡邉裕一(日本学術振興会特別研究員)



深田氏は1520〜1524年にかけてヴァティカン宮殿の「コンスタンティヌスの間」の壁画に描かれた歴代教皇像のうち、クレメンス7世を中心に分析され、肖像に添えられた擬人像や中世に遡る象徴的なモティーフに教皇の権威が託されている点を指摘された。


渡邉氏は16世紀アウクスブルクでの木材の供給において、周辺諸侯や周辺都市との政治的な関係、とりわけ河川による運送で問題が頻発していた上流の都市との軋轢の処理の数々を史料によって明らかにされ、これらの密接な交渉が周辺諸侯の森林に関する法制度化にも結びついたという仮説を提示された。



盛況であり、また活発な質疑応答がなされたことも付して感謝申し上げます。
お運びくださった皆様、ありがとうございました。


(文責:毛塚)

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