ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 概要
欧米の社会や文化のあり方の基盤はいうまでもなく、
ヨーロッパの中世とルネサンスの時期に形成されたといってよい。
中世とルネサンスの時期には、古典古代の文化とキリスト教の伝統が融合しつつ、
ヨーロッパ独自の社会構造や行動規範が生まれ、また、ヨーロッパ文化の基層をなす
哲学、文学、芸術が開花した。
本プロジェクト研究所では、ヨーロッパの中世とルネサンスの時期に形成された、
社会や文化の諸相を、ひとつの学問分野からだけではなく、歴史学、美術史、哲学、
文学、西洋古典学、宗教学などの様々な分野から領域横断的に考察することで、
その本質的な特徴を解明していくことを目的とする。
本プロジェクト研究所は、欧米の著名な大学に存在する「中世・ルネサンス研究所」
をモデルとしつつ(たとえばアメリカのUCLAにある「中世・ルネサンス研究所」など)、
西洋文化圏ではなく東洋文化圏に属する日本ならではの、独自のヨーロッパ中世・
ルネサンス研究を行う研究所として、その結果を日本のみならず世界に発信して
いくことを目指したい。
本プロジェクト研究所では、そのような欧米にある「中世・ルネサンス研究所」の
活動に着想をえながら、具体的な活動として、多様な専門分野の研究者による
共同研究の遂行、定期的な研究会やシンポジウムの開催、また外国人研究者を交えた
国際的なコロキウム、紀要などの定期刊行物の公刊、論文集の刊行などを考えている。
とくに、本プロジェクト研究所の重要な使命は、ヨーロッパ中世・ルネサンス関係の
問題を専門とする、早稲田大学に在籍する大学院生などの若手研究者を育成し、
その研究活動を支援していくことである。研究会やシンポジウムにおいて、
若手研究者が自身の研究成果を発表できる場を数多く作り、また、その成果を
公表できる紀要や論文集を積極的に刊行していきたい。
このような活動により本プロジェクト研究所は、早稲田大学でのヨーロッパ文化研究のひとつの拠点となることを目指すとともに、欧米の大学の「中世・ルネサンス研究所」とも密接に交流しながら、日本におけるヨーロッパ中世・ルネサンス研究の拠点となることも目指したい。
ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 所長
甚野 尚志 (早稲田大学文学学術院教授)
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