早稲田大学
人間科学総合研究
センター
シンポジウム

気候変動•気象変化に対してヒトは
どう生きていけば良いのか

本シンポジウムの目的

地球温暖化やヒートアイランド現象などの影響で、われわれの生活域での温熱環境も大きく変化しつつあります。また、この変化に起因する健康問題の増加も懸念されています。今回、気候変動・気象変化に関係する研究や活動を展開しておられる様々な分野の専門家をお招きして、学際的なシンポジウムを企画しました。学問を楽しみながら、われわれがすべきことを考える機会としていただければ幸いです。2021年12月

プロローグ

  • 気候変動•気象変化に対してヒトはどう生きていけば良いのか
    永島 計早稲田大学 教授
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    気候変動•気象変化に対してヒトはどう生きていけば良いのか
    • プロフィール 1985年京都府立医科大学卒。Yale大学ピアス研究所などを経て、早稲田大学教授。博士(医学)。専門は体温・体液の調節機構の解明。
      著書『40°C超えの日本列島でヒトは生きていけるのか 体温の科学から学ぶ猛暑のサバイバル術』化学同人。『体温の「なぜ?」がわかる生理学』杏林書院。
    • 概要 本シンポジウムのねらい、スピーカーの紹介を行います。

セッション 1地球温暖化、ヒートアイランド現象、生活環境における気象変化について

  • 1-1

    二つの温暖化
    山口 隆子法政大学 准教授
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    二つの温暖化
    • プロフィール 1995年 お茶の水女子大学文教育学部地理学科卒業
      1996年 東京都入都(造園職)
      2017年 法政大学文学部地理学科着任
      専門は気候学・生気象学
    • 概要 大雨や猛暑といった自然災害が起きるたびに、「気候変動」がクローズアップされますが、気候変動とはなんでしょう。今回は地球温暖化とヒートアイランドという二つの温暖化についてご紹介します。
  • 1-2

    生活環境・住環境の視点から
    暑熱にどう対応すべきか
    渡邊 慎一大同大学 教授
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    生活環境・住環境の視点から暑熱にどう対応すべきか
    • プロフィール 1991年に名古屋工業大学を卒業、建設会社での建築設計の実務を経て、1999年に名古屋工業大学大学院を修了。現在、大同大学 教授・副学長。博士(工学)、一級建築士。生活・建築・都市の視点から暑さ寒さの研究を行っている。
    • 概要 熱中症を防ぐための住宅デザインや生活の工夫について、これからの住宅に求められる省エネについて、そして暑熱を緩和するための日陰が連続する街づくりについて解説します。

セッション 2環境変化に対する分子の応答

  • 2-1

    極限環境に生きる生物から学ぶ
    赤沼 哲史早稲田大学 教授
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    極限環境に生きる生物から学ぶ
    • プロフィール 早稲田大学人間科学学術院人間環境科学科教授
      1998年東京工業大学大学院生命理工学研究科博士課程修了(博士(理学))
      同年理化学研究所基礎科学特別研究員
      2001年ケルン大学博士研究員(Alexander von Humboldtフェロー)
      2003年科学技術振興機構研究員
      2005年食品総合研究所特別研究員
      2006年東京薬科大学生命科学部助手(2007年より助教)
      2015年早稲田大学人間科学学術院准教授
      2020年より現職
    • 概要 極限環境生物学とは、文字通り極限環境に生息する生物についての学問です。地球上には、海底熱水地帯や陸上の温泉などの高温環境、極地や山岳地帯などの低温環境の他にも様々な極限環境があります。極限環境に生息する生物を調べることで、生物の環境への適応の仕組みが少しずつ明らかになってきました。この動画では生物の高温適応の分子機構を中心とした極限環境への適応の仕組みと、最後には地球環境の変遷と生物進化についても話しています。
  • 2-2

    暑熱環境に対する分子の応答
    杉本 直俊金沢大学 准教授
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    暑熱環境に対する分子の応答
    • プロフィール 所属する金沢大学では、医学類生、保健学類生、学校教育学類生などへ、生理学、薬理学、栄養学、人間発達学、発達病態学(小児科学)、救急医学などの広範囲の講義を担当しています。でも、研究テーマは一貫して「環境と生体応答」です。私たちを取り巻く環境は常に変化しますが、私たちはその環境の変化へ概ね順応していきます。そのメカニズムを探求しています。
    • 概要 動画は、暑熱環境を感知する分子としての「2021年度のノーベル医学生理学賞」受賞理由となったTRPチャネルの紹介から始まります。次に、私たちの研究データから暑熱刺激により減少する分子、増加する分子についてそれぞれ仮説も含めて考察します。最後にまとめとして、過酷な暑熱環境下で私たちが生き抜く上で、暑さに対する忍耐力と鈍感力の双方を獲得することの合理性について考えたいと思います。

セッション 3環境変化に対する生体の応答

  • 3-1

    休眠と環境適応
    〜人工冬眠で低温•低栄養を乗り越える〜
    砂川 玄志郎理化学研究所 上級研究員
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    休眠と環境適応
    〜人工冬眠で低温•低栄養を乗り越える〜
    • プロフィール 1976年、福岡県生まれ。小児科医。大阪赤十字病院、国立成育医療研究センターで医師として勤務。京都大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)。2013年より理研生命システム研究センター研究員。
    • 概要 冬眠は哺乳類が呈する省エネモードで多かれ少なかれ体温が低下します。低下した体温は通常であれば動物の体に障害を与えますが、不思議なことに冬眠中の動物は低温によるダメージを受けません。このような低代謝・低体温を受容できる状態を人間にも作り出したいと思って研究開発を行っております。
  • 3-2

    暑熱順化のメカニズム
    増田 雄太早稲田大学 大学院生
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    暑熱順化のメカニズム
    • プロフィール 2016年 早稲田大学スポーツ科学部卒
      2018年 早稲田大学スポーツ科学研究科 修了
      2019年 国立スポーツ科学センター職員
      日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
      現在は早稲田大学人間科学研究科体温・体液研究室博士後期課程で「暑熱適応のメカニズムの検討」をテーマにヒトおよび動物を対象に研究を行っている。
    • 概要 生物は環境に適応することで、地球上で生命活動を継続してきました。ヒトを始めとする生物は短期的にも「暑さ」に慣れることが知られておりますが、断片的にしかそのメカニズムは明らかにされていません。本動画では新たな観点から「暑さ」に慣れるメカニズムを紹介します。

セッション 4気象病のメカニズムと対策
(日本生気象学会協賛)

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気象病のメカニズムと対策
  • 4-1

    気象病•天気痛の
    理解と解決に向けて
    佐藤 純中部大学 教授
    • プロフィール 1987年 名古屋大学大学院医学系研究科卒
      1987年 ノースカロライナ大学に留学
      1991年 名古屋大学 環境医学研究所助手、同准教授、同大教授を経て
      2018年 中部大学 生命健康科学研究科教授.
      2021年 愛知医科大学 客員教授(兼任)
      日本生気象学会理事、日本疼痛学会理事などを歴任
    • 概要 天気の崩れで慢性の痛みが悪化することは知られており、天気痛と呼ばれています。「天気痛調査2020」でも、多数の人が天気痛保持者であることが明らかとなったが、メカニズムには不明な点が多く治療法も確立されていないため、苦しんでいる人が少なくありません。発表者はこの問題を解決するために研究を続けてきたが、天気の崩れ(気圧の変化)を感知するセンサーが内耳に存在すること、自律神経系が関与していること、さらに、心理変化が病状に影響していることを明らかにしてきました。本発表では、これらの知見の概要と「天気痛対処法」について紹介します。
  • 4-2

    急激な気圧変動と自律神経の
    バランスの関係
    ー性差と活動量の違いに注目してー
    重田 祥範公立鳥取環境大学 准教授
    • プロフィール 2017年 - 現在公立鳥取環境大学 環境学部 准教授
      2015 - 2017年 公立鳥取環境大学 環境学部 講師
      2011 - 2015年 立正大学 地球環境科学部 助教
    • 概要 急速な気圧変化に伴う心拍変動の測定から、環境変化に対する自律神経応答を解析した研究を紹介します。。さらに性差や活動様式に依存する変化についても考察します。
  • 4-3

    運動器の頭痛と天気
    櫻井 博紀常葉大学 准教授
    • プロフィール 2003年 理学療法士免許取得
      2007年 愛知医科大学医学部医学研究科博士課程 修了
      2007年 愛知医科大医学部医学研究科生理学第2講座 助教
      2008年 常葉大学保健医療学部理学療法学科 講師
      2014年 常葉大学保健医療学部理学療法学科 准教授
    • 概要 動きに関連する運動器(骨、筋など)の慢性的な痛みは、日常生活活動や生活の質に大きな支障をきたし、社会的にも大きな問題となっています。このような慢性痛患者の中には天気の変化(雨、台風など)により症状が悪化することを訴える症例がしばしばみられます。そこで今回、運動器の慢性痛の概略と天気との関連をこれまでの知見をふまえて紹介し、また、天気により症状が左右される患者の特徴、および、これらの患者に対する運動療法について紹介します。
  • 4-4

    「気象痛予報」情報サービス
    について
    大塚 靖子ウエザーニュース 気象予報士
    • プロフィール 気象予報士。スマホアプリ「ウェザーニュース」内にある「天気痛予報®」の開発を担当。天気痛を発症しやすい気象パターンの分析を行い、天気痛のリスクを予測するロジックを開発しています。
    • 概要 天気の影響で頭痛などの痛みが起こる“天気痛”を軽減するためには、症状が出始める前に痛み止めを服用するなど事前の対策が効果的です。事前対策をサポートするため、2020年3月から「天気痛予報®」の提供を開始しました。気圧の変動からどのように天気痛のリスクを予測しているかについてご紹介します。