■ 研究報告

 ■ 2008年度研究報告


 「ヨーロッパ社会におけるエリート支配と政治文 化」との関係を、各研究員・客員研究員が、それぞれの研究分担課題について、ひきつづき史料文献の収集と研究史の把握に努め、報告や議論をとおして、再検 討を行なった。具体的には、2008年7月に早稲田大学西洋史研究会と共催で研究会を開催し、個々の報告の質疑・応答をとおして、それぞれの時代における エリート層の実態を議論した。あわせて研究所2008年度総会を開催し、今後の研究計画や共同研究書の刊行について検討した。さらに、11月には甚野研究 員の科研グループとの共催シンポジウム「王権と教会」、12月には、早稲田大学地中海研究所・早稲田大学西洋史研究会との共同シンポジウム「碑文と史料」 を開催し、研究員・客員研究員が中心的な役割を果たした。2009年度の共同研究書の刊行にむけて、2009年1月、3月には個別の研究会を開催し、高 津・皆川研究員が研究報告をおこなった。今後は『ヨーロッパ・エリート支配と政治文化』(仮題)のもとで、2010年3月に共同研究書を刊行する予定(成 文堂)であり、継続してヨーロッパ社会におけるエリート支配層の問題を政治文化中心に各研究員・客員研究員が個別のテーマに 基づいて検討してゆく予定である。



 ■ 2007年度研究報告

 西洋社会におけるエリート支配の諸相の問題を、各研究員・客員研究員が、それぞれの研究分担課題について、史料文献の収集と研究史の把握に努め、報告や議 論をとおして、再検討を行なった。具体的には、本研究所の最近の共同研究の成果である井内敏夫編『ヨーロッパ史のなかのエリート』太陽出版 406ページ  2007年3月刊行、の合評会を2007年6月に開催し、ヨーロッパ社会におけるエリート支配の実態とそのさまざまな展開を、個々の論文の考察・分析を とおして検討した。2007年7月にも研究会を開催し、個々の報告の質疑・応答をとおして、それぞれの時代におけるエリート層の実態を論議した。さらに 12月にも研究分担者を中心に、「岐路に立つキリスト教会ー中・近世ヨーロッパにおける「改革」運動の諸相ー]というシンポジウムを共催し、ヨーロッパ 中・近世史における階層分化やエリート支配の問題を検討した。今後は「ヨーロッパ社会における支配層と政治文化形成に関する比較史的研究」というテーマに 変更・修正し、継続してヨーロッパ社会における支配層の問題を政治・文化を中心に検討してゆく予定である。


 ■ 2006年度研究報告

 文学部西洋史学専修を中心とするわれわれのグループは、先のプロジェクト研究所プログラムの発足にあたって、「ヨーロッパ文明史研究所」を設立し、「ヨー ロッパ史における文化と統合の契機」を個別のテーマとして研究活動を行った。2004年度からは、研究所の伝統を確立する意図をも込めて研究所名をそのま ま継続することとし、新たなテーマとして「西洋世界における社会的エリートと国家:自由・自治と専制・独裁」を選択する。
 本計画でいう社会的エリートとは、社会内部における最も活動的な社会層のことである。一方、人類の歴史は、基本的には社会構造の複雑さが増大 する過程として理解されうるが、その複雑化の方向付けに最も影響力を持ち、またそこから最大の利益を得るのはエリートであるといえよう。そのような観点に 立って、古代オリエントを含む欧米地域の個々の歴史的志向を抉り出し、それらと国家のあり方、国家の動き方との相互関係を個別に問うことを目的とする。そ の際、社会的エリートのイデオロギーのみならず、所与の体制を正当化し、権威づける装置や儀礼をも考察の対象とする。
 ヨーロッパの国制史・国家史を問う時、ヨーロッパは明らかに二つの相貌を持っている。社会的自治と人権の確立の歴史、ならびに専制と独裁の歴 史である。この両面を同時に追求していくという意識をもたなければ、西洋の歴史とその世界への影響を真に理解することは困難であろう。これが、副題に「自由・自治と専制・独裁」と掲げる理由である。
 研究が細分化し、蛸壺状態に陥った観のある西洋史研究に比較の意識を再生させ、共通の基盤と一体感を取り戻すことも本計画の目的の一つである。



 ■ 2005年度研究報告

2005年6月7日(火)午後6時〜8時半。文学部西洋史第二専修室。皆川卓氏、自著『等族制国家から国家連合へ―近世ドイツ国家の設計図「シュヴァーベン同盟」』(創文社、2005年)を語る。評者、甚野尚志氏。
2006年1月21日(土)午後3時30分〜5時30分。文学部第7会議室。白木太一氏、自著『近世ポーランド「共和国」の再建―四年議会と5月3日憲法への道―』(彩流社、2005年)を語る。評者、皆川卓氏。外国の政治家や研究者を招いた会としては次のものがある。
2005年8月26日(金)13−15時 会場:
リトアニアのヴィタウタス・ランズベルギス(Vytautas Landsbergis)氏の講演会
8月26日(金)1時−3時。文学部第一会議室。講演題目 ”Lithuania−the crossroad of Europe”
2005年10月27日(木)14時40分-16時10分。36号館682教室。
ドイツ・ハーゲン大学フェリチタス・シュミーダー(Felicitas Schmieder)歴史学教授の公開講演会
題目「古きヨーロッパの現在とEUの東方拡大」
また、11月1日新小野梓記念館における総合研究機構「研究成果報告会」では、皆川卓客員研究員が「ヨーロッパ統合と近世『ドイツ』研究」と題して報告した。



 ■ 2004年度研究報告

2004年4月20日(火)午後6時半〜8時半。西洋史第二専修室。前田徹、自著『メソポタミアの王・神・世界観−シュメール人の王権観−』(山川出版社、2003年)を語る。評者、川崎康司。
2004年6月15日(火)午後6時〜8時半。西洋史第二専修室。踊共二、自著『改宗と亡命の社会史―近世スイスにおける国家・共同体・個人―』(創文社、2003年)を語る。評者、皆川卓。
2004年10月19日(火)午後6時〜8時半。西洋史第二専修室。丹下栄、自著『中世初期の所領経済と市場』(創文社、2002年)を語る。評者、五十嵐修。
2004年11月16日(火)午後6時〜8時半。西洋史第二専修室。五十嵐修、自著『地上の夢キリスト教帝国――カール大帝の<ヨーロッパ>』(講談社選書メチエ、2001年)を語る。評者、奥村優子氏。
2004年12月4日
また、12月4日に早稲田大学西洋史研究会との共催で王権をテーマにシンポジウムを開催した。