女性アスリートの諸問題

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女性の腰痛と骨盤の痛み

早稲田大学スポーツ科学学術院教授
スポーツドクター(整形外科) 金岡恒治

腰痛の原因はさまざまですが、女性の腰痛や骨盤痛の原因となるものに仙腸関節障害があります。骨盤は背骨に繋がる仙骨と、下肢に繋がる2つの腸骨からつくられていて仙骨と腸骨の間が仙腸関節です。下の図は後ろから骨盤を見ている図で矢印の部分が仙腸関節になります。

日常生活の動きやスポーツ活動で骨盤をゆがめるような力が加わることで仙腸関節に負荷が加わって痛みが出てしまいます。また分娩時に産道を拡げるために仙腸関節は緩みますので産後の腰痛の大きな原因になりますし、女性ホルモンの関係で月経周期に関連して疼痛が増減したりもします。

症状の特徴はさまざまで、座る姿勢が辛くて電車に乗れない人、前かがみができなくて靴下が履けない人、歩くときの片脚荷重で痛みが強くなる人がいますが、共通するのは痛みの場所です。痛みのある場所を人差し指1本で指し示すときに下の図のように仙腸関節部を示す場合には仙腸関節障害の可能性が高いです。またうつ伏せに寝て仙骨を押された時に痛みが誘発されるときもこの障害が疑われます。

女性の腰痛と骨盤の痛み

仙腸関節障害はレントゲンやMRI検査によって明らかな異常をみつけることが難しいため、病院で検査をしても診断されにくく一般的な腰痛症として扱われることが多くなります。多くの人は一時的な症状で自然に治ってしまうので大きな問題にはなりませんが、中には慢性化してしまい日常生活動作に大きな支障をきたしてしまうことがあります。

その対象方法として、痛み止めの薬、ブロック注射、骨盤ベルト、整体やカイロなどの徒手療法、鍼治療などの痛みを抑えるための治療方法が用いられます。しかしいずれの方法も痛みが取れるのは一時的であることが多く、動作によって骨盤への負荷が加わると痛みが再発してしまいます。日常の様々な身体活動を行う際に仙腸関節へ加わる負荷を減らすためには自分の筋力で仙腸関節を安定させることが求められます。そのためには体幹筋トレーニングなどの運動療法を行うことが重要です。

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