コンディショニングと栄養

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オーバートレーニング症候群

早稲田大学スポーツ科学学術院准教授
スポーツドクター(整形外科) 鳥居俊

アスリートがトレーニングをしていて疲れが抜けず、だんだんトレーニングについていけなくなり、トレーニングをしているのに競技成績も落ちてしまうということがあります。そうするとまじめなアスリートはトレーニングが不足なのかと思い、さらに無理してトレーニングをすることでますます疲労感が強くなって、ついには日常生活にも支障が現れてしまう場合があります。

このように強い疲労感があり、パフォーマンス低下を伴い、短期間の休養で回復しない状態で、貧血など他に症状の原因となる疾病がない場合、オーバートレーニング症候群(Over Training Syndrome;OTS)と診断を下すことになります。トレーニングと休養による疲労回復のバランスが崩れた状態が長期間続くことで発生すると考えられています。従って、経過を問診すると必ずどこかの時期にかなり無理をして多すぎるトレーニングを行っていたことが見出せます。自己ベストが出て好調で、そのまま頑張り続けてOTSに陥ってしまう選手もいます。

症状は多彩で、疲労感以外に自律神経系の異常に伴う循環器、消化器の症状、不眠や抑うつなど精神的な訴えも多く見られます。

貧血など血液検査で定義づけられる疾病と異なり、OTSは総合的な判断が必要です。また、治療にも長期間の忍耐が必要で、少し良くなったからといって練習を再開すると再び疲労感が強まることもあり、体調をみながら少しずつ動きを増やしていくことになります。

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